ちょっとiPhone 13の話が続いたので、今回はカメラの話。それも、フルサイズセンサーより一回り大きな中判センサー(富士フイルムは「ラージフォーマット」と呼んでいる)のカメラである。これがもう超高画質なのだ。
富士フイルムの「GFX50S II」である。簡単にいえば、1億画素で人々を驚かせた「GFX 100S」の5000万画素版。その分お買い求めしやすい……といってもかなりのお値段だけれども(ボディーのみ約45万円前後)、1億画素までいらないけど超高画質の美しい写真をって人にはたまらないカメラだ。手ブレ補正がついてるし、モニターはチルト式だしで猫撮りもしたくなるのである。
というわけで、一発目はこれ。夜の駐車場の黒猫。実はこの黒猫、いまうちにいるのである。この写真を撮った2日後に無事保護されて、その翌日に我が家へやってきて「ミル」と名づけられたのだ(わたしは「みるっこ」と呼んでるけど)。夜の黒猫というなかなかシビアなシチュエーションなのだけど、いい感じに撮れてて素晴らしい。
この夜散歩ではほかの場所でも猫と出会ったのである。商店街脇の暗い公園で近所の人に愛されてるチャトラ。この日も入れ替わり立ち替わりいろんな人に撫でられてた。
GFX用レンズでお気に入りは45-100mmという、標準から中望遠のレンズ。猫を撮るにはちょうどよいのだ。それで車の下にいた猫を狙ってみた。これを撮ったときはまだ夏の名残があって、猫も車の下で涼んでたのである。
このあとはいつもの「保護猫シェルターQUEUE」へ。大きなセンサーのカメラはダイナミックレンジが広くて階調が柔らかいので、白い背景にプラスの露出補正をかけてふわっと明るく撮ると、すごくきれいでいいのだ。
冒頭写真もそう。ライオンみたいな毛並みにキジトラの子猫がやたら美形だったので、左手で指を出してちょっかい出しつつ右手だけで撮ったカットである。プラスの補正をかけた分、ISO感度は上がったけど、そんなのモノともしないのが大きなセンサーの強さだ。
この美しい毛並みの子猫を横から撮ったのがこちら。白い背景の時はプラスの補正をぐぐっとかけて背景をより白くするとカッコいいのである。
最後は……まあGFX50S IIならではってことはないのだけど、たまたま2匹の猫がレンジフードの上という狭いところで戦いをはじめたので、思わず撮ってしまった写真を。レンジフードの上で出会ってしまった2匹が、どっちが道を譲るかで仁義なき戦いがはじまった、あるいはキャットウォークプロレスのゴングが鳴ったって感じが良かったので、とっさにカメラを向けてシャッターを切ったら絶妙の瞬間が撮れてたのだ。
白黒の猫がクロスカウンターを狙うもタイミングが遅れ、チャトラのパンチが先にテンプルに当たってしまったの図、ってことで。
ちなみにGFX50S IIはレンズキットで50万円コース。今回借りたレンズはちょっといいやつなので全部揃えるとそれなりの金額になるわけだが、それでも欲しいと思わせる画質の良さがあるのだよなあ。このクラスになると基本性能が全然違うのだ。
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筆者紹介─荻窪圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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