オリンピック・パラリンピック競技大会における、映像配信の心臓部とも言える「国際放送センター(IBC)」では、4K/8Kテレビ放送に向け、撮影、制作、モニタリングまでのシステム構築や、オペレーションの提供も担った。無観客となった今大会だったが、映像配信の数は、過去最多となる33競技・339種目だった。4K/HDサイマル放送(※3)を実現するために、リオデジャネイロ 2016 大会のおよそ2倍となる過去最大の回線数が必要担ったそう。大会利用環境を想定したテストや事前準備を進めながら、5ヵ月間で延べ2250人によるサポート体制を構築し対応した。
さらに競技中の選手を映像として捉えるために、4Kに対応した、およそ180台のシステムカメラやスイッチャー、およそ1400台の業務用ディスプレー、放送用モニターなどを納入。IT/IPプラットフォームに対応するスイッチャー「KAIROS」(※4)大型映像機器のコンテンツ切り替えに活用するなど、省システム化と省人化も進めた。
※2.2019年9月6日時点。150kg以下(レンズ含まず)のプロジェクターにおいて。パナソニック調べ。※3.4KとHDで、同時に同一番組を配信すること
※4.CPU・GPUの能⼒で映像処理を⾏なう、パナソニックのライブ映像制作プラットフォーム
1万2000台の「Let's note」と「TOUGHBOOK」も活躍
おなじみのモバイルパソコン「Let's note」と「TOUGHBOOK」も活躍した。競技会場と非競技会場を合わせて、導入台数はおよそ1万2000台。選手村内のインターネットラウンジスペース「5G Internet Lounge & Cafe」には、選手たちのコミュニケーションツールとして、5G通信に対応した「レッツノート FV1シリーズ」を設置したほか、MPC(メインプレスセンター)には、その場でパソコンの修理や点検を行う修理工房を設置。報道関係者たちのサポートも担った。MPCには試用機も展示したが、報道陣からも、「ハイスペックで、作業がしやすい」など、好評だったという。
パナソニック コネクティッドソリューションズ モバイルソリューションズ事業部 マーケティングセンター 課長の鈴木 恭平氏は、「大会の3年前から準備をし、本番で通用する技術を目指して開発を進めた。私たちは法人向けにPCを提供しているので、そのノウハウが非常に活きた」と話した。