さすがインテルの名を冠するマシンなので爆速でした
「インテルNUC M15ノートブックPCキット」 日本発売間近!? のインテル製ノートを独占初レビューだ!!
2021年09月16日 13時00分更新
インテルは15.6型ノートPC「インテルNUC M15ノートブックPCキット」を発表した。本製品は現段階では日本市場における販売方法、発売日、価格はいっさい未定。ただしIntel Arkにはすでに登録されており、希望カスタマー価格はCore i7版が1059.30ドル、Core i5版が881.68~930.90ドルとされている(ストレージは含まれていない)。
今回、日本モデルの実機を借用できたということは、なんらかの形で日本のユーザーにも販売される可能性が高い。ここでは純粋に実機のみにスポットを当てて、レビューをお届けしよう。
Thunderbolt 4、USB Type-Aを左右に配置した
使いやすいインターフェース
今回試用したのは上位モデルの「LAPBC710」だ。OSは「Windows 10 Home 64ビット」、CPUは第11世代(Tiger Lake)の「Core i7-1165G7」(4コア8スレッド、2.80~4.70GHz)を採用。
メモリーは16GB(LPDDR4x-4266)を搭載。Intel Arkの登録情報にはストレージが含まれていないが、今回の機材には512GB SSD(M.2 PCIe Gen4 x4接続)が搭載されていた。なお下位モデルは、CPUが「Core i5-1135G7」(4コア8スレッド、2.40~4.20GHz)、メモリーが8GB(LPDDR4x-4266)というスペックだ。
ディスプレーは15.6型フルHD IPS液晶(1920×1080ドット、60Hz、タッチ対応)を搭載。ディスプレー上部にはWindows Helloに対応したHD IRカメラが内蔵されている。
インターフェースはThunderbolt 4×2、USB 3.2 Gen2 Type-A×2、HDMI×1、3.5mmコンボジャック×1とフル装備だ。ワイヤレス通信機能はWi-Fi 6(11ax)とBluetooth 5.1サポートする。
ボディーは陽極酸化加工を施したアルミニウム製で、カラーはシャドウグレー。本体サイズは355×230×14.9mm、重量は実測1669g。73Whの大容量バッテリーを内蔵しているが、バッテリー駆動時間は非公表だ。
本製品はThunderbolt 4とUSB 3.2 Gen2 Type-Aが左右にひとつずつ配置されており、Thunderbolt 4で左右どちらからでも給電できる。Thunderbolt 4端子が片側に並んで配置している機種が多いが、本製品のインターフェースは使い勝手がよさそうだ。
クラムシェル型ノートPCだが、タッチパネルを装備
本製品は84キーの日本語キーボードが採用されており、キーピッチは実測19mm前後、キーストロークは実測1.3mm前後だ。
キーボード面の剛性は高く、打鍵感は良好。また打鍵音も比較的低めに抑えられている。タッチパッドは全体が沈み込むダイビングボード構造で、ストロークは平均的。個人的にはタッチパッドのストロークはもう少し浅いほうが好みだが、本製品のタッチパッドはクリック時に指がずれるほどストロークが深いわけではない。
少々意外だった装備がディスプレーのタッチパネル。Intel Arkに記載がないので気づくが遅れたが、マルチタッチ操作に対応していた。マイクロソフトと同様に、インテルもクラムシェルノートPCにタッチパネルは必要と考えているわけだ。
一方、やや残念だったのがウェブカメラの画質。室内灯下でも明るいが、色がかなり不自然だ。また、HDRをオンにするとダイナミックレンジは広がったが、非常にノイズが多くなった。HDRはオフで利用したほうがよさそうだ。
ディスプレーの色域は、カラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で実測したところ、sRGBカバー率は95.7%、sRGB比は104.2%、AdobeRGBカバー率は76.1%、AdobeRGB比は77.2%、DCI-P3カバー率は76.8%、DCI-P3比は76.8%となった。モバイルノートPCのディスプレーとしては、平均以上の色域を備えている。
さすがはインテル印のノートPC
「Core i7-1165G7」搭載機としてはトップクラスのCPU性能
最後にパフォーマンスをチェックしよう。まずCPU性能だが、「CINEBENCH R23」は6458pts、「CINEBENCH R20」は2512pts、「CINEBENCH R15」は1031cbとなった。
同じく「Core i7-1165G7」を搭載する「ExpertBook B9」が5622pts、2163pts、899cbだったので、本製品はその約1.15倍、約1.16倍、約1.15倍のパフォーマンスを発揮したことになる。これは「Core i7-1165G7」搭載機としてはトップクラスのCPU性能だ。
一方3Dグラフィックス性能は、「3DMark」のTime Spyで1808、Fire Strikeで5273、Wild Lifeで13422となった。こちらも最速クラスと同等のパフォーマンスを発揮したことになる。
ストレージ速度は「CrystalDiskMark 8.0.4」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)で6689MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)で4865MB/sを記録。搭載するSSDによって結果は異なるが、PCIe Gen4 x4接続のSSDを装着すれば、PCIe Gen3 x4接続のSSDの約2倍のシーケンシャルリード性能を得られるわけだ。
バッテリー駆動時間については、ディスプレー輝度40%でバッテリー残量2%までという条件で、バッテリーベンチマーク「BBench」を実行したところ、13時間5分39秒という結果になった。73Whの大容量バッテリーを搭載しているだけに、モバイル用途に十分活用できるバッテリー駆動時間を備えている。
価格次第ではクラムシェルノートPCのド定番になりうる1台
記事執筆時点では販売方法、発売日、価格は不明だが、日本語キーボードが用意され、マニュアルに日本語の記載があることから、日本市場に投入されることは間違いない。
また今回実際に試用してみて、「Core i7-1165G7」搭載機としては最高クラスのパフォーマンスを備えていることを確認できた。CPUを作っているインテルだからこそ最大限の処理能力を引き出せているのだろう。価格次第でクラムシェルノートPCのド定番になりうる一台だ。