アマゾンの「Kindle」には電子ペーパーをディスプレーに採用したモノクロタブレットがあります。電子ペーパーはそれ自身は発色せずに光の下で見ることができるという、まさしく紙と同じ原理の素材のため目が疲れにくいという利点があります(フロントライトが内蔵で、暗いところではフロントライトを使います)。しかし今や動画や写真をネットで見ることが当たり前となり、モノクロ表示は書籍や漫画を読むなどの用途に限定されてしまいます。
海外のクラウドファンディングサイトに出てきた「TopJoy Butterfly」は、電子ペーパーディスプレーながらもカラー表示に対応しています。モノクロは300dpi、カラーでは150dpiの表示が可能で、カラー化された電子コミックを読むのにも適しています。ウェブページの表示もある程度いけるでしょう。
カラーの電子ペーパーは業界最大手のE Inkが「Kaleido Plus」というディスプレーを開発し、2020年から製品化しています。これに対してTopJoy Butterflyは「Display Electronic Slurry (DES) 」方式を採用。カラーフィルターを使うKaleido Plusよりもコストが安く、色を直接表示できるためより自然なカラーを表現できるといいます。
TopJoy Butterflyは電子ペーパーメーカーであるDalian good display社のDESディスプレーを採用。同社は6型と7.8型のDESディスプレーを開発しており、TopJoy Butterflyもこのディスプレーを採用した2サイズが提供されます。どちらもOSはAndroid 11、チップセットは非公開ですが4コア64ビット Cortex-A55 1.8GHz、GPUがMali-G52ということでRockchipあたりでしょうか。メモリー2GB、ストレージ32GBとなっています。通信関係は802.11 b/g/n 2.4GHzとBluetooth 4.2です。
6型モデルは解像度1448x1072ドットで本体サイズは153x108.5x7.5mm、重量は185g。バッテリーは1500mAhを搭載し35日のスタンバイに対応。一方、7.8型モデルは解像度1872x1404ドットで4096階調に対応したスタイラスペンが付属、手書き入力に対応します。193x135x7.9mm、重量315g。70日スタンバイ可能な3200mAhバッテリーを内蔵。どちらのモデルもマイクを内蔵しますが、7.8型モデルのみモノラルスピーカーも搭載します。
価格は6型が159ドル(約1万7000円)から、7.8型が249ドル(約2万7000円)からですが、すでに最低価格は締め切られ10ドルアップの価格で予約が受け付けられています。動画を見るのには適していないでしょうが、写真もある程度表示できるでしょうから、カラーの電子ブックリーダーとしてだけではなく、ウェブ、SNSなどを見るのにも使えるかもしれません。対応するフォーマットはPDF、EPUB、TXT、DJVU、HTML、RTF、FB2、DOC MOBI、CHMなど。2021年10月10日までKickstarterで受け付けているので、気になる人は「TopJoy Butterfly」で検索してみてください。
※本記事は、プロジェクトオーナーのプロジェクトが必ず成功することや、プロジェクトの品質、リターン内容を保証するものではありません。プロジェクト進行中に関するトラブル、返金要求、リターン返品要求はプロジェクトオーナーの責任のもと行なわれます。プロジェクト不成立時には製品が届かなかったり、返金が受けられないなどのリスクがあります。出資は自己責任でお願いします。
「スマホ好き」を名乗るなら絶対に読むべき
山根博士の新連載がASCII倶楽部で好評連載中!
長年、自らの足で携帯業界を取材しつづけている山根博士が、栄枯盛衰を解説。アスキーの連載「山根博士の海外モバイル通信」が世界のモバイルの「いま」と「未来」に関するものならば、ASCII倶楽部の「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」は、モバイルの「過去」を知るための新連載!
「アップルも最初は試行錯誤していた」「ノキアはなぜ、モバイルの王者の座を降りたのか」──熟練のガジェットマニアならなつかしく、若いモバイラーなら逆に新鮮。「スマホ」を語る上で絶対に必要な業界の歴史を山根博士と振り返りましょう!
→ASCII倶楽部「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」を読む
★ASCII倶楽部は、ASCIIが提供する会員サービスです。有料会員に登録すると、 会員限定の連載記事、特集企画が読めるようになるほか、過去の映像企画のアーカイブ閲覧、編集部員の生の声を掲載する会員限定メルマガの受信もできるようになります。さらに、電子雑誌「週刊アスキー」がバックナンバーを含めてブラウザー上で読み放題になるサービスも展開中です。
この連載の記事
-
第731回
スマホ
スマホ世界シェア4位をうかがう「Infinix」から激薄モデルや折りたたみが続々 -
第730回
スマホ
AQUOS R9 proのカメラ周りをドレスアップ! フィルター装着で広がるスマホの楽しみ方 -
第729回
スマホ
激薄折りたたみ「Galaxy Z Fold Special Edition」のケース3種類を試す -
第728回
スマホ
Xiaomi 14Tにフィルター装着できるMagSafeケース、香港の予約特典に登場 -
第727回
スマホ
Galaxyの2025年モデルがいよいよ登場「Galaxy A16 5G」が販売開始 -
第726回
スマホ
1700万円のシャオミ製スーパースポーツEV「SU7 Ultra」を広州モーターショーで見た -
第725回
スマホ
この冬一番の注目スマホ、超薄型折りたたみの「心系天下W25」がサムスンから登場 -
第724回
スマホ
駅名ごとGalaxy! クアラルンプールの「Samsung Galaxy駅」がスゴすぎた! -
第723回
スマホ
レトロデザインが可愛すぎる!? Nokiaケータイ風リュックの良さを知ってほしい! -
第722回
スマホ
iPhone 16発売直後の深セン、中国でも中古買い取りショップと転売が盛況 -
第721回
スマホ
日本と変わらぬ熱気がスゴイ! 中国・深セン版「ポタフェス」に行った - この連載の一覧へ