ASUSのスマートフォン「Zenfone」シリーズ最新機種「Zenfone 8」は、コンパクトなボディーに最先端の機能を詰め込んだハイエンドモデルであるとともに、Zenfoneシリーズとして初めて、IP68の防水・防塵性能とFeliCaを両搭載するなど、日本向けカスタマイズを強化しているのが大きなポイント。発売前の実機をお借りすることができたので、その実力を確認してみたい。なお価格は、メモリーとストレージの違いで以下の3種類となる。
- メモリー16GB/ストレージ256GB 10万8800円
- メモリー8GB/ストレージ256GB 9万2800円
- メモリー8GB/ストレージ128GB 7万9800円
片手でも使いやすいボディー
外観はシンプル
まず本体について確認すると、ディスプレーサイズは20:9比率の5.9型で、サイズは約68.5×148×8.9mm、重量は約169g。大画面化が進む昨今にあって、貴重なコンパクトサイズだ。
サイズ感としてはiPhone 12(約71.5×146.7×7.4mm、162g)に近く、実際に手にして比べて見ると幅は狭いがやや厚みがある印象だ。ディスプレー比率が違うこともあってインチ数は小さいが、フロントカメラがパンチホールとなっている分広く感じる。
またディスプレー素材は有機ELなので、指紋センサーはディスプレー内蔵型を採用。スタンダードな光学式ということもあってとりわけ高速という訳ではないが、デザインを損なうことなく指紋認証が使えることのメリットは大きい。
一方で背面はカメラのみとシンプルなデザインで、丸みがあって持ちやすい。そのカメラ部分はやや出っ張りがあるものの、気になるという程ではない。なお、カメラの右隣にはFeliCaのマークがあり、Zenfoneシリーズでも待望のFeliCaが使えることは非常に大きなメリットだ。
側面もGoogleアシスタントキーなどはなく比較的シンプルだが、電源キーは音量キーと色違いになっており、分かりやすくなっている。またハイエンドモデルながら、イヤホン端子が付いているというのも人によってはメリットとなりそうだ。
カメラは2眼でスタンダードな内容
超広角カメラはマクロカメラとしても利用できる
続いてカメラを確認すると、背面のカメラは6400万画素/F値1.8のワイドカメラと、1200万画素/F値2.2(Exif情報より)の超広角カメラの2眼構成。ハイエンドモデルとしてはカメラの数が少ない印象も受けるが、本体のコンパクトさと、後述するマクロ撮影を考慮すれば必要十分だろう。
カメラアプリは比較的スタンダードで、スローモーション撮影やタイムラプス撮影などが下部のメニューから選べる点はiPhoneを意識している印象も受ける。ただ唯一、ほかとは異なる大きな特徴といえるのが「ドキュメント」機能だ。
これは紙の資料やホワイトボードなど、文字などが書かれた被写体を読みやすく変形してくれるモード。専用のアプリを用意することなく利用できるだけに、ビジネスシーンなどでメリットとなりそうだ。
また写真、動画共に「PRO」モードが用意されており、細かな調整を施したこだわりの撮影ができるようになっている。特に「PROビデオ」モードは、通常の動画モードよりもマイクの録音方向の細かな制御ができることから、動画撮影にこだわる人はぜひ活用したい。
ちなみに超広角カメラはマクロカメラとしての利用も可能で、マクロ撮影への切り替えなどは必要なく、超広角カメラに切り替えた状態で被写体に近寄るだけでマクロ撮影ができるのは便利だ。ミドルクラスに多い200万画素のマクロカメラと比べれば性能も高いだけに、こちらも有効活用したい。
一方のフロントカメラは1200万画素/F値2.4(Exif情報より)とスタンダードな内容。背面カメラと共通の仕様ではあるのだが、いわゆるビューティーモードは「写真」モードの時はシンプルな機能に限定されている一方、「ポートレート」モードにすると肌の色や目の大きさ、輪郭の細さなど細かな調整ができるようになっている。セルフィーを撮る時はポートレート撮影を活用した方がいいだろう。
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