「AMDキッズ プログラミング・キャンプ」ワークショップレポート
プログラミングキッズ憧れのセンパイ先生、高校生エンジニアの三橋優希さんが教える「楽しさ」
2021年08月20日 11時00分更新
「AMDキッズキャンペーン」は、GIGAスクール時代の教育分野への貢献プロジェクトとして、AMDが行っている教育活動だ。第3弾となる今回は、小学生にプログラミングの楽しさと可能性を伝えることをテーマにした「AMDキッズ プログラミング・キャンプ」を開催している。
全国からプログラミングに興味のある小学生を募り、当選者の5名にAMD Ryzen™ 5 5500U モバイル・プロセッサーを搭載した最新のノートPCと、3日間のプログラミング・キャンプ体験をプレゼントした。夏休みに自分でゲームをプログラミングしてみたい、すでに楽しんでいるプログラミングについてもっと知りたい、ヒトの役に立つアプリをつくりたい……そんな様々な思いを持って、5人の小学生が「AMDキッズ プログラミング・キャンプ」に参加してくれた。
連載の第1回では、そんな5人のメンバーのそれぞれのプロフィールをご紹介した。第2回からは、3回にわたって開催される「AMDキッズ プログラミング・キャンプ」のワークショップの様子をお伝えしていく。惜しくも今回のキャンペーンに外れてしまった方も、今後、楽しみながらプログラミングを学べるヒントがたくさん詰まったワークショップとなっているので、ぜひ参考にしてほしい。
現役高校生によるプログラミング学習サイトでワークショップ
ワークショップ第1回の講師は、デザインエンジニアの三橋優希先生。「プログラミングの楽しさ」についての授業を行ってくれた。
「全国小中学生プログラミング大会」のグランプリをはじめ、各種プログラミングコンテスト等でも認められた高校3年生。昨年はScratchに関する書籍も出版しているほか、中高生の仲間とともに子ども向けのプログラミング学習サイト「メクルン」の設計・運営も行っている。また、地元では子どもたちが無料でプログラミングを楽しめるプログラミング道場「CoderDojo」で、「メンター」としてサポートも行っている。
ワークショップの最初に自己紹介した三橋先生、自身が小学校や中学校時代につくってきた作品の一部を紹介してくれた。ちなみに、中学3年生のときにScratchでつくったパズルゲーム『つながる。』は、2018年に開催された「第3回 全国小中学生プログラミング大会」でグランプリを受賞している。
今回は三橋先生が開発・運営しているプログラミング学習サイト「メクルン」を使い、プログラミングの楽しさを知り、自由にアレンジするワークショップを行った。
「メクルン」では、Scratchをはじめとしたビジュアルプログラミング言語を楽しく学習できる。ゲームやお絵描き、音楽などのコースが用意されており、子どもの興味にあわせて好きなコースを選んで学習していくことが可能だ。
今回はScratchをほとんどやったことがないメンバーもいたため、最初にプログラミングの基礎知識やScratchの基本的な操作方法を解説し、その後メンバーの興味や経験にあわせて、「メクルン」のコースを各自選んでもらうことにした。
「ある程度自由につくってもらいますが、いきなり自由に……と言っても困ると思うので、ここのコースから選んでください」と三橋先生。コースはScratchやプログラミング初心者向けの「かんたん」から、Scratch経験者向けの「ふつう」、自分ですでに作品をつくって慣れている人向けの「むずかしい」と、3つの難易度が用意されている。
全員がコースを決めたところで、プログラミングがスタート。
Scratchの操作に慣れているメンバーはどんどん進めていく一方、操作にとまどっているメンバーに画面共有をしてもらいつつ三橋先生が声をかけ、「実はそこの数値が変えられるんだよ」といったアドバイスをしながら導いていった。最初は悩んでいたメンバーも、自分でプログラミングした作品が思ったとおりに動くと笑顔になり、色々な工夫を始めている姿が印象的だった。
オンライン越しのワークショップだったが、Zoomの「画面共有」の機能を使い、メンバーが自分のScratchの画面を共有することで、「今、プログラミングでどんな問題が起きているか」を確認しあうことができた。
今回のワークショップでは、全員が「AMDキッズ プログラミング・キャンプ」でプレゼントされた「Lenovo Yoga 650」を使っていたこともあり、ハード的なトラブルはほとんどなく進行できた。オンラインの場合、通信やハードウェアのトラブルが起こりがちだが、全員が同じPCを使っていたことが大きなメリットとなった。
メンバーがScratchでつくった作品を発表
40分ほど、各自でプログラミングを行った後、最後にAMDキッズのメンバーがつくった作品をそれぞれ発表してもらった。時間の関係で全員の発表とはならなかったが、発表してくれた2人の作品を紹介しよう。
「プログラミングをもっとやってみたい」気持ちに火がついた!
こうして、1時間半に渡るワークショップは終了。しかし、参加したメンバーのプログラミング魂に火が付いたようで、先生への質問が次々と寄せられた。そこで、希望者は延長しての質問タイムに突入し、結局2時間近いワークショップとなった。
「絵を描くのにはどんなソフトがいいですか」「今、考えている作品で、こんな風につくりたいんですけどできますか?」といった質問に、ひとつひとつ丁寧に答える三橋先生。子どもたちのプログラミングへのやる気が大いに上がったことが強く感じられ、「AMDキッズ プログラミング・キャンプ」は好スタートを切れたようだ。
参加後行っているアンケートでは、子どもたちから以下のような意見が寄せられた。
「先生のつくったゲームがすごかったです!」
「つくってみたいゲームがたくさんあった。これからの授業がもっと楽しみになってきました」
「先生が僕と同じ歳くらいからプログラミングを始めていて、今も続けていることにすごいと思いました。つくり方を公開しているのがすごいと思いました。 つくり方の説明がわかりやすくて、どんどん1人でつくれて楽しかったです」
「Scratchのブロックの『向く』と『行く』とでは意味が違うということを知った。プログラミングは言葉の違いで結果が変わってくるということを知れた」
「みんなの発想が良くてライバルに負けてられないと思った」
今回講師を務めていただいた三橋先生は、子どもたちにとって「大人」というより、自分たちのお兄さんお姉さんに近い存在だ。そんな三橋先生は子どもたちにとっては「すごいプログラミング作品をつくっている憧れの人」でもあり、身近なロールモデルとして映ったようだ。
なお、今回のワークショップで活用した「メクルン」は誰でも無料で利用することができる。特に、これからScratchを一から始める方、あるいはScratchをやってみたけれど、どんなゲームやアプリをつくればいいのかわからない……と悩んでいる方にとっては、わかりやすく解説されているので、ぜひ「メクルン」を参考にして、プログラミングでのものづくりを楽しんでみてほしい。
また、冒頭で紹介した講師の三橋先生の作品「つながる。」は、Scratchで公開されているので、こちらも実際にさわって遊んでみることをおすすめする。ゲームとしての楽しさはもちろん、全40ステージのやりがいのある構成、シンプルでわかりやすい操作など、グランプリが贈られたのも納得の完成度だ。Scratchでどのようにプログラミングしているか、中身を見ることもできるので、大いに参考になりそうだ。
次回はコンテスト入賞者の高校生が登壇!
当連載では引き続き、「AMDキッズ プログラミング・キャンプ」のワークショップを紹介していく。併せて、今回メンバーに選ばれた5人のAMDキッズがどんな風にプログラミングに取り組んでいるか、さらにどのように成長していくのかといった姿も追っていく予定だ。
次回は「プログラミングでどんなことができるかを知ろう」と題して、CoderDojo奈良などで子どもたちにプログラミングの楽しさを伝えている若林健一先生が、GoogleのAIを使ったプログラミングをはじめ、様々なプログラミングの可能性についてのワークショップを行う。続いての第3回は、プログラミングだけでなくUIデザインまで学ぶことができる、とても貴重なワークショップになっている。
「AMDキッズ プログラミング・キャンプ」ワークショップ | ||
---|---|---|
内容 | 講師 | |
第1回 | プログラミングの楽しさを知ろう | 三橋優希先生 (N高等学校3年、デザインエンジニア) |
第2回 | プログラミングでどんなことができるかを知ろう | 若林健一先生 (crossroads lab. 代表、CoderDojo奈良 / 子どもプログラミング喫茶京都店運営) |
第3回 | 作品をデザインしてみよう | 狩野さやか先生 (ウェブデザイナー、専門ライター) |
夏休みも折り返し地点を過ぎたが、ぜひ、この夏にプログラミングを始めてみる、何かひとつ作品を完成させてみるなど、新しいことに挑戦してみてはいかがだろうか。
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