BBenchで駆動時間も計測、5時間ちょっとで室内で持ち運んでの作業もOK!
5万円台でPCIe SSD採用、普段使いなら結構しっかり使えて光学式ドライブも搭載する15.6型ノートPC「LIFEBOOK WAB/E3」
2021年08月10日 09時00分更新
富士通クライアントコンピューティングが販売する「LIFEBOOK WAB/E3」は、CPUにAMD 3020eを採用し、5万円台(割引クーポン適用時)のリーズナブルな価格を実現した15.6型スタンダードノートパソコンだ。エントリークラスのプロセッサーではあるが、ストレージにPCIe接続のSSDを搭載することで、日常的な用途で十分実用になるパフォーマンスを実現している。
今回はLIFEBOOK WAB/E3の実機を試すことができたので、各種ベンチマークを実施して気になる性能をチェックしてみた。
AMD 3020eプロセッサーを搭載
LIFEBOOK WAB/E3は、15.6型ディスプレーやDVDスーパーマルチドライブ、テンキー付きキーボードなどを搭載しながら、直販サイト「富士通 WEB MART」で5万4800円(割引クーポン適用時、8月6日現在)からという価格で販売されている。
CPUにRyzen 5やCore i5-10210Uなどを搭載したモデルも用意されているが、今回試したのは最小構成モデルでAMD 3020eを採用している。そのほかの主なスペックは次のとおり。
試用機の主なスペック | |
---|---|
CPU | AMD 3020e モバイル・プロセッサー |
グラフィックス | AMD Radeon グラフィックス |
メモリー | 4GB |
ストレージ | 256GB SSD(PCIe) |
光学式ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
ディスプレー | 15.6型ワイドHD(1368×768ドット) |
通信規格 | 無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)+Bluetooth v5.0、有線LAN(1000BASE-T) |
インターフェース | USB 3.1 Type-A×2、USB 2.0 Type-A、USB 3.1 Type-C、SDカードリーダー、マイク・ラインイン・ヘッドフォン・ラインアウト・ヘッドセット兼用端子、HDMI出力端子 |
内蔵カメラ | 約92万画素ウェブカメラ |
バッテリー駆動時間 | 約8.4時間 |
サイズ/重量 | およそ幅361×奥行244×高さ27mm/約2.0kg |
OS | Windows 10 Home(64bit) |
AMD 3020eはCeleron N4120と同クラスのプロセッサーだが、どれくらいのパフォーマンスなのだろうか。そこで、ベンチマークソフトで性能をチェックしてみることにした。
まず、CPUの性能を見るため「CINEBENCH R20」を実行してみたところ、シングルコアが225pts、マルチコアが486ptsとなった。「CINEBENCH R23」では、シングルコアが586pts、マルチコアが1242ptsという結果だった。2コア/2スレッドのプロセッサーなので、マルチコア性能は低めだが、シングルコアはRyzen 5 4500Uなどの半分ほどのスコアが出ている。ウェブブラウジングのほか、SNSでやりとりをしたり、文書を作成したりといった、軽めの日常的な作業ならそれほど問題ない性能だと期待できる。
続いてマシンの総合的なパフォーマンスを見る「PCMark 10」を試してみたところ総合スコアが「2472」という結果になった。詳細を見ると、パソコンの基本性能を示すEssentialsが5493、ビジネスアプリの性能を示すProductivityが4090、クリエイティブ系アプリの性能を示すDigital Content Creationが1825となっている。
Officeなどのビジネスアプリも、図形や画像をたくさん入れるなど複雑なことをしなければ、そこそこ快適に使用できそう。写真編集や動画編集などの負荷の高い作業はちょっと厳しそうだが、動画やDVDの鑑賞などならまったく問題なく楽しむことが可能だ。
ストレージはPCIe 3.0接続のSSDが搭載されていた。CrystalDiskInfoで確認すると、転送モードが2レーンとなっていたので、リード最大1800MB/秒前後になると思われる。
そこでCrystalDiskMarkを実行してみたところ、シーケンシャルリードはほぼ読みどおり1799.96MB/秒だった。データアクセスが高速なので、CPU性能がほどほどでもOSの起動やアプリの起動などはかなり速く、普段使いでは十分実用になるパフォーマンスという印象だ。
軽いゲームなら楽しめるグラフィックス性能
グラフィックスは、CPU内蔵のAMD Radeonグラフィックスが搭載されている。「3DMark」の「Fire Strike」では次のようにGraphics soreが968という結果だった。
3DMark Fire Strikeスコア | |
---|---|
Fire Strike score | 867 |
Graphics score | 968 |
Physics score | 2918 |
Combined score | 306 |
LIFEBOOK WAB/E3のクラスのノートパソコンで、ゲームのようにグラフィックスに負担のかかる処理を行なうことは少ないと思うが、試しにゲーム系のベンチマークもいくつか試してみた。まず軽めの「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」は次のようになった。
ドラゴンクエストX ベンチマークソフトのスコア | |||
---|---|---|---|
グラフィック設定 | 解像度 | スコア | 評価 |
低品質 | 1280×720ドット | 7860 | とても快適 |
標準品質 | 1280×720ドット | 7242 | とても快適 |
最高品質 | 1280×720ドット | 6200 | 快適 |
同様に「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」でも試してみた。
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク | |||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | スコア | 評価 |
1280×720ドット | 標準品質(ノートPC) | 2715 | やや快適 |
1280×720ドット | 高品質(ノートPC) | 2280 | 普通 |
1280×720ドット | 最高品質 | 1668 | 設定変更を推奨 |
解像度次第とはなってしまうが、ドラゴンクエストXならある程度快適にプレイできそうだ。FINAL FANTASY XIV: 漆黒のヴィランズも、解像度や設定を落とせばそれなりに楽しめることがわかる。
利用シーンを考えるとバッテリー駆動時間も十分
LIFEBOOK WAB/E3のバッテリー駆動時間は、カタログ値で約8.4時間(JETA 2.0)となっている。そこでバッテリーベンチマークソフト「BBench」を使って、実際にどのくらい持つか計測してみた。
なお、計測の際は電源モードを「より良いバッテリー」に、画面の明るさは「40%」にし、BBenchは「60秒間隔でのWeb巡回」と「10秒間隔でのキーストローク」にチェックを入れて満充電状態から電源が落ちるまでの時間を計測している。結果は5時間3分の駆動が可能となった。
公称値には届かなかったものの、これだけ持てば自宅で場所を変えつつ使いたい場合なども、コンセントの位置を気にせず気軽に持ち運べる。このクラスのノートパソコンは出先で使うことは少なく、自宅内での使用がほとんどだと思うので、利用シーンを考えれば必要十分なバッテリー性能だといえるだろう。
なお直販サイトではAMD 3020e以外にも、AMD Ryzen 5 3500UやCore i5 10210Uを搭載したモデルが用意されている。Ryzen 5モデルなら割引クーポン適用時に6万4800円(8月6日現在)とかなりお得なので、そちらを狙うのもよい手かもしれない。予算や用途に合わせて検討してみてはいかがだろうか。