本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「【開催レポート】スマート保育園を実現するユニファと、IoTプラットフォームのソラコムが語る「テクノロジー×ビジネスの融合」」を再編集したものです。
目次
慢性的な人手不足が続く保育園の現状
IoTで初めての医療機器に挑む道のり「ルクミー午睡チェック」開発秘話
新たなプロダクトを開発する組織
IoTとAIで進化する未来の保育園の姿
2社のお話をもっと聞いてみたい方は
2021年6月29日に開催された、ユニファ主催「テクノロジー×保育の質の向上。ユニファのプロダクト開発のリアル」イベントに、ゲストとしてソラコム代表取締役社長 玉川が参加しました。
本イベントでは、保育施設におけるIoTやAIといったテクノロジーの活用について、そしてお昼寝中の園児たちを見守るIoTプロダクト「ルクミー午睡チェック」の開発秘話が紹介されました。
IoTプロダクト開発の道のりや、まだデジタル化されていないフィールドでのIoT、AIといったテクノロジー活用のヒントが数多く盛りこまれていましたので、レポート形式でご紹介します。ぜひお読みください。
慢性的な人手不足が続く保育園の現状
はじめに、ユニファ代表取締役CEOの土岐氏が、解決しようとしている社会課題と事業を紹介しました。保育士の有効求人倍率は、全職種平均の約3倍にも及び、慢性的な人手不足の現状があります。そこで、テクノロジーを活用することでもう一人保育者さんがいるような感じで、保育者の仕事をサポートできないかと考えたと言います。
ユニファは、ヘルスケア、フォト、ICTの3つの主力サービスを保育施設・保護者向けに展開しています。子供の写真をオンラインで購入できるようにする「ルクミーフォト」、保育施設の連絡帳や登降園管理などをデジタル化する各種ICTサービスを提供しています。
ヘルスケア事業では、SORACOMをご利用いただいています。保育施設ではお昼寝中の事故を防ぐため、保育者が睡眠中の園児の体の向きを5分おきに手書きで記録するのが一般的です。この業務をIoTとセンサーでデジタル化するのが「ルクミー午睡チェック」、体動センサーを園児の上着に取り付けて、数秒間隔で体の向きを検知しアプリが自動記録、問題がある場合にはアラームで通知します。
IoTで初めての医療機器に挑む道のり「ルクミー午睡チェック」開発秘話
ユニファとソラコムのご縁は、2016年、IPA主催の「先進的IoTプロジェクト支援事業」です。ユニファは「IoTデバイスを活用し保育施設内見守り業務を支援」するプロジェクトで採択され、ソラコム玉川はIoT技術のメンターとして参加、「当時自分にも幼稚園の娘がおり、保育施設のデジタル化には強い関心があった」と振り返ります。
このアイディアは、試行錯誤の末「ルクミー午睡チェック」としてプロダクト化され、今では多くの保育施設で使われています。
園児のお昼寝を見守るサービスというアイディアはあったものの、当時はまだIoTを活用したサービスも少なく、どう実現すればよいのか手探りで進めていったとユニファ土岐氏は語ります。医療機器ということで、どのように命に関わるサービスを実現すればよいか保育者や小児科医、保護者や弁護士などと団体を作り対話を重ね、プロダクトローンチ後もとにかく保育施設の関係者にフィードバックをもらい、機能面を決めていったそうです。
技術面では、初めてのIoTということでプロトタイプを作っては試すという困難さを伴う挑戦だったとユニファCTO赤沼氏は語ります。当初のアイディアはベッドに加重センサーをつけるアイディアでしたが、精度や電源などの課題を見つけては改善を繰り返し、最終的に現在のプロダクトでは、体動センサーが利用されています。
赤沼氏は、IoTとセンサーの仕組みができたら、次は多くの保育施設に導入するための安定性や運用面を考える必要があると言います。まだデジタル化されていない現場は導入の効果は大きいが、現場の人はITに慣れていないため、使いやすく故障時も簡単に対処できるようなプロダクトが望まれます。
新たなプロダクトを開発する組織
話題は、新たなプロダクトを開発する組織にも及びました。ユニファでは、プロダクトオーナーが強化したい機能と市場を分析し、サービス全体を横断して判断。その後、プロダクト別にプロダクトマネージャーとプロダクトマーケティングの担当が保育施設に足を運び、実際にテスト利用してもらい、現場の声をヒアリングしながら進めていくそうです。
ソラコム玉川は、IoTプラットフォームSORACOMでも、利用者からのフィードバックを重要視しており、そこからすでに100以上の機能がアップデートされているほか、最近は新サービスをプレゼンテーションするプレスリリースコンテストからサービスが産まれており、2Pizzaルールという2枚のピザを分け合える人数のチームで開発進めていく話を紹介しました。
IoTとAIで進化する未来の保育園の姿
ユニファが今力を入れて自社開発しているのが、AI(人工知能)技術の一つ「ディープラーニング」です。写真、センサーデータ、先生のコメントを連携させディープラーニングを活用することで、園児毎の発達状況や構成を把握し、パーソナライズした保育も提供可能になります。
また、IoTを用いてバイタルデータの分析により、これまでベテラン保育者だけが発見できるような、子供の体調の変化にも気づけるようになっていくだろうと土岐氏は言います。子ども達のデータを、健康管理や発達支援に役立ていくべく、自治体や学校とも連携もスタートしているそうです。
ビジネスとテクノロジーの融合するこれからのプロダクト作りにおいて、なにが重要かという質問に対し、ユニファ赤沼氏は、技術も重要だけどエモーショナルな部分も大事だと答えました。保育士や子ども、保護者をどう幸せにするか、どんな価値を提供するかという目線がプロダクト開発においても役立つということです。
ソラコム玉川は、現場のお客さまのニーズを理解していること、そしてハードからソフトまで作れる技術面における解決手段の広さを兼ねそろえることが、グローバルに通用する強みになりえると述べました。
ユニファ土岐氏は、現場が変わったという手触り感も提供しながら、誰も置き去りにしないテクノロジーが必要になってきていると締めくくりました。
2社のお話をもっと聞いてみたい方は
ビジネスとテクノロジーの融合するこれからのプロダクト作りにおいて、なにが重要かという質問に対し、ユニファ赤沼氏は、技術も重要だがどエモーショナルな部分も大事だと答えました。保育者や子ども、保護者をどう幸せにするか、どんな価値を提供するかという目線がプロダクト開発においても役立つということです。
ソラコム玉川は、現場のお客さまのニーズを理解していること、そしてハードからソフトまで作れる技術面における解決手段の広さを兼ね備えることが、グローバルに通用する強みになりえると述べました。
ユニファ土岐氏は、現場が変わったという手触り感も提供しながら、誰も置き去りにしないテクノロジーが必要になってきていると締めくくりました。
2社のお話をもっと聞いてみたい方は
ユニファ、ソラコムともに一緒に働く仲間を募集しています。イベントも開催していますので、関心お持ちの方はぜひ参加してみてください。
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