横浜18区の人とまちがつながる TSUBAKI食堂 18区丼ものがたり 第3回

【連載】海の幸、山の幸がそろう「鶴見区丼」

文●椿 直樹

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 皆さん、こんにちは! 横浜市役所レストラン「TSUBAKI食堂」オーナーシェフの椿 直樹です。今回もご覧いただきありがとうございます!

 前回の紹介記事はこちら。

【連載】子供たちが一生懸命、地域のために考えてくれたメニュー「金沢区丼」

※過去の連載記事はこちら:横浜18区の人とまちがつながる TSUBAKI食堂 18区丼ものがたり

 早いもので「横浜18区丼」もこの8月で6区目となる「鶴見区」を迎えます。今回ご紹介するのは、8月1日から15日まで召し上がっていただける「鶴見区丼」の前半、「鶴見区野菜と穴子の一本揚げ定食」です!!

 穴子は、生麦魚河岸の目利き人「横芳商店」の3代目 横山貴一さんから仕入れさせていただきます。

 生麦の穴子といえば、その昔、江戸時代には幕府への献上品として利用されるほどの価値があったそうです。それを代々守ってきている貴一さん。何の気負いもなく、ご自分のことを「穴子バカ」と呼んでいる姿に、自然な人だけどものすごく強いプライドを感じました。

 まさに職人!! 私、こういう方、大好物なんです!!(笑)

 貴一さんの穴子は一般的な穴子の1.5倍くらいの大きさ、そして厚みも倍以上あります!

 それだけ大きな穴子ですから、穴子の両端に、均等に切れ目を入れて丸まらないようにしています。そして、中温の油でじっくり揚げ、もう一度ゴマ油入りの高温の油でさっと揚げる。こうして仕上げた大穴子の1本揚げをお届けします!

 「TSUBAKI食堂」では通常のランチでも「大穴子天丼」を提供していますが、貴一さんの穴子は厚みが違うので、ぜひこの機会にご賞味いただきたいです!

 穴子への想いを語っていただくと時間があっという間に過ぎてしまうのですが、今回の「穴子1本揚げ定食」には、山側からもこだわりのお野菜が入り、「鶴見区丼」の層を厚くさせてくれます。

 「ナス」の天ぷらといったら、もう鉄板ですね!

 鶴見区駒岡の小塚剛俊さんの「ナス」を使わせていただきます。鶴見区の生産者さんとの出会い、訪問は初めてなので私自身、とても楽しみにしていました。実際にお会いしてみると、とても穏やかで優しそうな方でした。こういう方の作るお野菜は丁寧に育てられているのでおいしいに決まっています。

 貴一さんのふわふわ穴子と小塚さんの新鮮ナス。絶対においしいヤツですよね!

 私はすぐお隣の神奈川区に住んでいるのですが、海の幸、山の幸がそろう「鶴見区」を今回がきっかけで心からうらやましいと思うようになり大好きになりました。

 最後にJR「国道駅」のお話。車で何度も前を通っていて、不思議な駅だなとずっと思っていました。「横芳商店」さんのある生麦魚河岸方面に行く際に、53年横浜に住み続けて初めて高架下をくぐり反対側に行きました。

 古い建物なんだけど、ちゃんと人の温もりを感じるというか、懐かしい温かさがありました。調べてみるといろいろ歴史もあるとのことです。この駅をはさんで海側と山側があるわけですね。今回の「丼」をきっかけに海と山の人や食のさまざまな交流が生まれ、もっともっと素敵な鶴見区になってほしいなと思います。

 最後までご覧いただき、ありがとうございます。次回は8月16日からの18区丼「鶴見区丼」の後半をお届けします。お楽しみに!

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文/椿 直樹  

1967年生まれ。横浜野菜の魅力を広く伝えるため2003年「横浜野菜推進委員会」を設立。その取り組みが評価され2009年、神奈川県で初めて農林水産省「地産地消の仕事人」に認定される。好きな野菜は白菜、苦手な野菜はたくさん(笑)