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渡辺佑太朗さん、竹田光稀さん、辻千恵さん、北原帆夏さん、アキラ100%さんに聞いた

“気まずい”がテーマの異色のドラマ「劇的に沈黙」メインキャストインタビュー、今までにない攻めた作品に

2021年07月31日 14時00分更新

文● 八尋 編集●ASCII 写真●西村 満

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コントにならないよう心掛けた
“お笑い”をはぎ取ったおじさんたちの顔がとても良かった

 続いて、アキラ100%さんにもインタビューを実施した。

清水 宏役のアキラ100%さん

──よろしくお願いします。まず、本作への出演が決まったときの印象を教えていください。

アキラ100%さん:この業界に入りたいと思ったきっかけが「お芝居がしたい」だったので、すごくうれしかったです。ソニーの若い俳優さん達が出演される中に入れていただけるということで、どんなふうになるのかなとワクワクしていました。

──脚本を初めて読んだときと、自身の役についてどういった印象を持たれましたか?

アキラ100%さん:コメディーはとても好きなので、楽しそうだなというのが率直な感想です。ただ、ドラマに芸人が出演するというよりは、作品の中の1人として面白くしなくてはいけないので、悪目立ちせずにコントだと思われないようにしないとなとは思いました。

 温水は、20個下の後輩たちの気まずい所に入ってきちゃう空気の読めない先輩なのですが、最初はその精神状態やどういった気持ちなのかなどが、自分の経験になかったのでわからなかったです。卒業して20年間江古田に住んでいてサークルを行ったり来たりするのって、どこかでまだ夢をあきらめきれていないのかなと思うと、結構寂しいなって。でも、撮影が進むにつれて、けっして悪い人ではないし、チャーミングな優しい人だというのに気づきました。

温水について「自分は温水ほど他人に興味がないので、実は暖かいいい人なんじゃないかと、作品が進むにつれて感じるようになりました」と語るアキラさん

──今回、ソニー・ミュージックアーティスツの芸人さんがたくさん登場されていますが、いかがでしたか?

アキラ100%さん:AMEMIYAさんやコウメさんは普段インパクトのある恰好をされていますが、それをはぎ取ったときの生身のおじさんの顔が何とも言えない、とてもいい顔してましたね~。薄暗い深夜のコインランドリーでのくたびれたおじさんの顔にはかなり味がありました。皆さん人間としてとても苦労されて今に至っている、そんな表情でしたね。

芸人だと説明したりツッコんだりする気まずい間を、そのままお届けする珍しいドラマ

──キャストの皆さんは気まずいを生み出す間をどうするか迷われたと聞きましたが、間を重要視する芸人さんとしてこだわった点はありますか?

アキラ100%さん:気まずさを表現して笑いにしようとするタイプってあんまりいなくて、どちらかというと気まずい間をどうやって言葉で表現するか、突っ込むかを重要視している場合が多いですね。

 本来なら説明したりツッコんだりして笑いにするところを、そのままお届けするドラマだったので、気まずさを面白くする難しさというより、説明しすぎずコントにならないようにするというのが難しかったです。

──アキラさんはもともと江古田に住まわれていたとのことですが、当時の思い出の店はありますか?

アキラ100%さん:当時は本当にお金がなかったので、あまりお店に行くことはなかったですね。呑むにしても、千川にあるライブハウス「beachV」で缶ビールを買ってきてみんなで呑むほうが多かったです。安上りですから。

 それと、南口にある八百屋さんでたまにすごく安く野菜が売られていたので、キャベツとか買って、ただ炒めて食べたりしてましたね。あと、ごくたまに少しお金に余裕があるなというときは、「おしどり」という居酒屋みたいな定食屋さんで定食を食べるのが、唯一の贅沢だったかなと思います。

──そんな江古田で撮影されていかがでしたか?

アキラ100%さん:かなり久しぶりだったので懐かしい感じでしたね。本当にお金がなくて、バイトして、ライブして、家帰って寝るだけみたいな生活を送っていたので、当時のことがちょっとフラッシュバックしました。それが今は当時とは違う生活ができていて、ありがたいなと思いながらロケしていました。感慨深かったです。

──最後に、改めて本作の魅力を教えていただけますでしょうか。

アキラ100%さん:日常を切り取る作品は結構ありますが、気まずいを切り取ってテーマにする作品はなかなかないと思います。気まずいは誰しも経験したことがあると思いますし、このドラマにはそんな実際に感じたことがある気まずさが色々なところに散りばめられています。

 そういった面白さを、寝る前にクスって笑いながらゆったりとした気持ちで楽しんでほしいです。

──ありがとうございました。

 インタビューをとおして、出演者の皆さんが“気まずいを生み出す間”にこだわって演じている作品となっているのがわかった。経験したことのあるような気まずいが本作のなかでどのように表現されているのか、ぜひ放送をチェックしてみてほしい。

ドラマと同じように撮影が進むごとに仲良くなったというキャスト陣。少しおかしな人たちが、劇団サークルの中でどう成長し、どのような結末を迎えるのか、ぜひチェックしてみてほしい

作品概要
タイトル:劇的に沈黙 放送日時:TOKYO MX 毎週火曜日 23時30分~24時、放送後「劇的に沈黙」公式YouTubeチャンネルにて随時配信
出演:渡辺 佑太朗、竹田 光稀、辻 千恵、北原 帆夏、アキラ100%ほか
監督:北畑 龍一(チーフ)、吉田 卓功、小山 亮太
脚本:山崎 洋平、山崎 太基、冨坂 友
音楽:スキャット後藤とゆかいな仲間たち
制作プロダクション:ダブ
製作著作:ソニー・ミュージックエンタテイメント

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