ダイナミックな映像表現をITの技術が支える
今回の東京2020オリンピックは、基本的には無観客開催となり、テレビ視聴による観戦となるが、そうした環境においても、インテルのテクノロジーは、数多くの場面で利用されることになる。
「無観客開催でも、インテルのテクノロジーは、新たな視聴体験を実現できる」と、インテルの鈴木社長は自信をみせる。
3Dアスリートトラッキング(3DAT)技術は、インテルが開発したAIを活用したコンピュータビジョンソリューションで、「肉眼では見えなかった情報を可視化し、新たな視点を提供することで、放送局の解説や分析結果の表示方法、視聴の楽しみ方を大きく改革することができる」(インテルの鈴木社長)とする。
陸上短距離走では、4台のカメラで選手のフォームや動きを毎秒60フレームで記録し、それをもとに、加速度やトップスピード、スライド数などを表示。「撮影したデータは、Xeonに最適化された姿勢推定アルゴリズムを適用して分析。肉眼だけでは判別できなかつた情報を、ほぼリアルタイムでオーバーレイ表示し、新たな視聴体験ができる」。
アスリートがセンサーを装着したり、大規模な分析装置を持ち込んだりといったことがなく、アスリートの情報を収集できるのも大きな特徴だ。
また、インテルTrueViewは、5K小型カメラを用いたボリューメトリックビデオにより、あらゆる角度から撮影し、従来にはない自由視点での没入型スポーツ視聴体験ができるものだ。東京オリンピックでは、バスケットボールで活用されることになり、15日間で52試合を撮影。リプレイやハイライトを、選手の目線で追ってみたり、ゴールリンクの目線で映像を楽しむといったことが可能だ。
「5K小型カメラから得られたRaw Dataは、光ファイバーを通じて会場内に設置されたXeonを搭載したシステムに送られ、膨大な映像データから、縦、横、奥行きを持った3Dデータを生成。データの組み合わせによって、あらゆる視点での視聴が可能になる」という。
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