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PythonZen&PEP8検定試験が無償提供 Pythonらしさを作る「心得」と「お作法」を学ぶ意義

2021年07月16日 11時30分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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 一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会は「PythonZen & PEP 8 検定試験」を2021年10月より無償提供することを発表した。代表理事の吉政忠志氏と顧問理事の寺田学氏に話を聞いた。

一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 代表理事 吉政忠志氏、顧問理事の寺田学氏

プログラマーにとってのPythonZenとPEP 8とは?

 「PythonZen(パイソン・ゼン:The Zen of Python)」はPythonの設計について記述されたイディオム集。「Zen」は日本語の「禅」から来ており、Pythonを学ぶ際に熟読しておきたい「Pythonの心得」とも呼ばれる。Pythonのインタプリターで、 import thisと実行すると、英文で内容が表示される。

PythonZen原文:https://www.python.org/dev/peps/pep-0020/

一方、「PEP 8(ペップ・エイト)」は標準のコーディング規約として定義されている。

PEP 8原文:https://www.python.org/dev/peps/pep-0008/
 

 一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 顧問理事の寺田学氏は、「PythonZenは抽象的な内容だし、PEP 8はコーディングのお作法に近い。正直言って守らなくてもプログラムは動きますが、こうした心得や規約がある種の『Pythonらしさ』を作っているのも事実」と語る。そのため内容よりも、存在をユーザーに認知してもらうことが重要だという。「こういうものがあることを知ってほしい」と寺田氏は語る。

 ご存じの通り、Pythonは人工知能、機械学習、ビッグデータ、ネットワークインフラ(自動運用等)で幅広く使用されている。ユーザー数としては、そろそろCやJavaに追いついてきたという調査もある。実際、各分野での成長は著しくPythonの求人数は年間1.5倍前後に増えており、関連書籍やプログラミングスクールも増加している。

 一方、最近はPythonを知らない人が書いている書籍やPythonZenやPEP 8を知らない講師が、不適切なPython文法を教えてしまうケースが散見されている点が危惧されている。そのため、Pythonエンジニア育成推進協会はPythonZenやPEP 8を学ぶ意識を市場で高めるべく、PythonZenとPEP 8から出題する「PythonZen & PEP 8 検定試験」を無償で提供することにしたという。

 PythonZen & PEP 8 検定試験は文字通りPythonZen(The Zen of Python)とPEP 8に関する知識を問う試験で、問題数は20問。すべて選択問題となる。試験方式はWBT(Web Based Test)なので、インターネットが接続できるブラウザ環境があれば、誰でも受験できる。対象はPython初心者のみならず、いわゆる職業プログラマー。代表理事の吉政忠志氏は「WBTなので、カンニングもできます。それでも、PythonZenのような心得、PEP 8のようなお作法をきちんと認知してもらいたい」と語る。

■PythonZen & PEP 8検定試験を2021年10月より無償で受験が可能に
https://www.pythonic-exam.com/archives/news/pythonzen-pep-8

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