隠れ熱中症の経験は、世代を問わず非常に高い
「熱中症」は高齢者の13.0%、子どもの25.6%が経験しており、日中だけでなく、就寝中にも発症している。しかし、「隠れ熱中症(※)」については、前述した通り高齢者の76.0%、子どもの65.7%が経験しており、10人中6〜7人ほどが隠れ熱中症になったことがあると考えられる。
※ここでは、熱中症になった自覚はないものの、暑さによる吐き気やめまい、ふらつきといった、熱中症に近い症状としての経験を指している。ふじみの救急病院院長の鹿野 晃氏は、熱中症対策と適切な水分補給について、主に4つの視点で解説している。以下はその全文だ(日本コカ・コーラ プレスリリースより引用)。
「マスク熱中症」を防ぐには、どうすればいい?
高温や多湿といった環境下でのマスク着用は、身体に負担がかかり熱中症のリスクが高くなります。 屋外では周囲の人と十分な距離(少なくとも2メートル以上)を保ちつつ、マスクを外して適宜休憩しましょう。また、マスクをしていると口の渇きがあまり感じられないことから、喉が渇いていなくてもこまめに水分補給を心掛けましょう。
エアコンの特徴を知り、うまく活用しましょう
室内でも熱中症が多く発生しています。自宅で過ごすことも多い今年の夏は、エアコンを適切に使いましょう。屋外で少しでも体調に異変を感じたら、速やかにエアコンの効いた涼しい場所に移動してください。また、ほとんどの家庭用エアコンには換気の機能はありません。冷房時でも換気扇をつける、窓を開けるなどし、換気を行う必要があります。換気すると室内温度が高くなりやすいため、エアコンの設定 温度を下げるなど、こまめに調整しましょう。
子どもと高齢者の注意事項
子どもや高齢者は体温調節能力が不十分なため、より熱中症のリスクが高くなります。地面に近いほど気温が高くなりますので幼児は特に注意が必要です。保護者やお世話をする人が適切な服装を選び、環境条件に応じて衣服の着脱を行いましょう。また、脱水に陥りやすいため、定期的な水分摂 取の管理も一層重要です。
適切な水分補給方法
1.習慣をつける:起床時と就寝前、毎食後、おやつの時間にコップ1杯(200ミリリットル)の水分をとる習慣をつけましょう。これだけでも1200ミリリットルを補給できます。あとは、散歩や買い物、仕事など何か行動を起こす際にも水分補給をする習慣がつけば、かなり摂取不足を防ぐことができます。
2.目安をつくる:ペットボトルに目盛りを付けたり、最近では目盛り入りの水筒も手に入ります。それを参考にしながら飲むのもおすすめです。
また同社では、家族2組(高齢夫婦、親子)とオンラインでの参加者5人を対象に、1時間、普段通りに過ごしながら水分を摂ってもらう実験も実施している。実験では、多数の人が、1時間で飲むべき量(約200ミリリットル)の水分を摂取せずに過ごしているという結果がわかった。実験の様子は映像にまとめられており、YouTube上で閲覧できるので、合わせて視聴してほしい。
今回の同社の調査では、水分摂取量の推奨値を毎日クリアすることの難しさも改めて認識させられたが、それはすこしの心がけで解決できることも同時に明らかになっているように思う。間もなく本格的な夏が訪れる。日々の水分摂取量に気を配り、周囲とも知識を共有して、熱中症を防ごう。