水分摂取量の推奨値「知らない」多数か
厚生労働省は「『健康のため水を飲もう』 推進運動」において、「1日2.5リットルの水が必要」とされており、いつもの水分摂取に加えて、「目覚めの1杯と寝る前の1杯=あと2杯水を飲む」ことを呼び掛けている。
ところが同社の調査によれば、今回の調査対象者の水分摂取量は、平均で子どもが1433.0ミリリットル、高齢者は1776.5ミリリットルという結果になった。達成率に表せば子どもは71.7%、高齢者は88.8%である。
合わせて実施した「1時間に飲む水の量」の調査では、平均して子どもは165.2ミリリットル、高齢者は148.0ミリリットルという結果で、こちらも推奨値である200ミリリットルを下回る結果となった。
1日に必要な水分摂取量についての調査では、1日に必要な水分摂取量を「知っている」と答えたのは平均して子どもが23.8%、高齢者が55.8%という結果に。一方で、「1日に必要な水分摂取量を摂れていると思うか」という設問では、子どもの59.7%、高齢者の43.3%が「足りない」と回答してもいる。
同社はこの結果について、「水分摂取の必要性は重々わかっていても、(その基準や方法を)具体的に理解していないために、十分には実施できていないのが現状」と分析する。
推奨されている水分量の摂取、子ども6割強が「難しい」
同社の調査からは、水分摂取を意識してはいても、十分な量を確保することが難しいと考える消費者の実態も浮かび上がってくる。
実際に、保護者全員に「子どもに1日に必要な水分量を摂らせることは難しいか」と聞くと、63.4%が「難しい」と回答する結果になったという。
外出時に子どもに飲み物を持たせている保護者は516人中484人と多数を占めたものの、「水筒自体が重い(36.0%)」、「残して帰ってくる(35.7%)」といった悩みが上位に上がっている。
一方、高齢者については、全員に「1日に必要な水分量を摂ることは難しいか」と聞いた結果、30.3%が「難しい」と回答した。「難しい」と回答した高齢者63人は、「飲みたいと思わない(47.6%)」、「飲むとトイレが近くなる(44.4%)」、「喉があまり渇かない(39.7%)」などを理由に挙げている。
同じ調査では、外出時に飲み物を持ち歩いている高齢者は208中151人で、7割強の高齢者が普段から飲み物を持ち歩いていることも明らかになった。そのうちの73.5%が「喉が渇かなくてもこまめに飲む」と回答しており、高齢者世代では、積極的な水分の摂取を心がけている人がそれなりにいることがわかる。
しかし、そのうち半数以上にあたる55.6%は「どれくらいの量を飲んでいるか、飲用量の把握が難しい」と回答し、さらに44.4%は「正しい水分補給方法が分からない」と回答している。高齢になると、喉の渇きを感じにくくなるため、気付かないうちに脱水状態になるケースもある。同社は、喉が渇く前に意識して水分を摂取することが重要だと説明している。