歴代Ryzen 5を横並びで比較。Zen 3世代の強さを再確認する
Ryzenはコア数の多いRyzen 9やRyzen 7に注目が集まりやすい。特に動画編集やCG制作をする人、ゲームとストリーミングを1台のPCで済ませたい人にとっては、CPUのコア数は心の余裕であるため、Ryzen 9のようなメニーコアCPUに注目するのは合理的な考え方だ。
しかし、コア数が少々少なくてもお財布に優しいCPUの方が良い場合もある。特にRyzen 5の6コア/12スレッド(6C/12T)モデルはコストパフォーマンスに優れている。今時のゲームだと4C/8TではCPUの余裕がほとんどないが、6C/12Tなら十分かつ過大すぎない余裕が持てるケースがしばしば見られる。6C/12Tでも動画編集も可能だし、ゲームとストリーミングを1PCでまとめることも可能だ。
そこで本稿では、歴代のRyzen 5(X付き)のパフォーマンスを横並びで比較したい。なお、歴代Ryzen 7のパフォーマンスを横並びで比較した記事とテストや環境を共通化しているので、読み比べればRyzen 5と7の比較もできる。

↑Ryzen 5 1600Xは、Ryzen 7 1800Xより1ヵ月強遅れた2017年4月に販売が解禁された。まだこの頃はインテルのメインストリームはKaby Lake世代であり、4C/8Tが最上位であったことを考えると、いかに衝撃的だったかが分かる。PIB版(Processor In A Box:いわゆるリテールパッケージ版)はCPUクーラーは別売だった

↑プロセスルールを7nmにシュリンクし、内部構造も2ダイ構成に改めたRyzen 5 3600Xは2019年7月に発売。その約1年後に、7nmプロセスの“レシピ”を変え、最大クロックを0.1GHz引き上げたRyzen 5 3600XTがリリースされている

↑現行モデルであるZen 3世代のRyzen 5 5600Xは、Ryzen 5 3600XT発売のおよそ140日後に発売された。プロセスルールは3600XTと同じものを使いつつ、内部設計の刷新で性能を引き上げた
今回の検証環境はほぼ前回の環境を踏襲している。目的は初代〜最新Ryzenの物理6コアモデルの横並び比較だ。前回と同様にXのないモデルやRyzen 5 3500のような廉価版モデル、Ryzen 5 3600XTのようなマイナーチェンジモデルは時間の都合上割愛した。
メモリーやストレージなどのパーツは統一しているが、初代RyzenのマザーのみB450を、それ以外は最新のX570マザーで検証している。また、ビデオカードはRX 6800 XTとし、可能ならばResizable BAR(AMDで言うところのSmart Access Memory)も有効にした。また、メモリークロックは各世代の定格最大クロックに合わせている。
【検証環境】 | |
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CPU | AMD「Ryzen 5 5600X」(6コア/12スレッド、3.7~4.6GHz)、 AMD「Ryzen 5 3600X」(6コア/12スレッド、3.8~4.4GHz)、 AMD「Ryzen 5 2600X」(6コア/12スレッド、3.6~4.2GHz)、 AMD「Ryzen 5 1600X」(6コア/12スレッド、3.6~4.0GHz)、 |
CPUクーラー | Corsair「iCUE H115i RGB PRO XT」 (簡易水冷、280mmラジエーター) |
マザーボード | ASRock「X570 PG Velocita」(AMD X570、BIOS L1.64)、 ASRock「B450M Steel Legend」(AMD B450,BIOS 3.90) |
メモリー | G.Skill「Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX」 (DDR4-3200、16GB×2)×2 |
ビデオカード | AMD「Radeon RX 6800 XTリファレンスカード」 |
ストレージ | Corsair「CSSD-F1000GBMP600」 (NVMe M.2 SSD、1TB) |
電源ユニット | Super Flower「SF-1000F14HT」 (80PLUS TITANIUM、1000W) |
OS | Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」 (October 2020 Update) |

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