こんな所までこだわるの!? GALLERIA(ガレリア)の品質向上の取り組みを徹底取材! 第2回
マザーボードやビデオカードなど各パーツの選定基準やコダワリについて開発者に聞いた
マザーボードは納得のいくオリジナル仕様に、デスクトップでも落下試験実施! GALLERIA(ガレリア)の品質へのコダワリと熱意が半端ない
2021年08月30日 11時00分更新
マザーボードの選定基準は、GALLERIAの要望にどれだけ柔軟に応えてくれるか
ーーまずはGALLERIAに採用されているマザーボードについての選定基準やコダワリを教えてください。
石黒 哲実氏(以下、石黒氏):PCケースが新しくなったGALLERIAで採用しているマザーボードは、ASUSとASRockの2メーカーの製品になります。
ーーこの2メーカーを採用しているのはなぜですか?
石黒氏:GALLERIAに搭載されているマザーボードは、メーカーが作っている製品をそのまま搭載しているのではなく、メーカーと綿密に話し合って、我々の要望に沿って細かく変更をしてもらっています。ASUSとASRockは、昔から定期的にやり取りをさせていただき、我々の要望にも柔軟に対応してもらってきた歴史があるからです。
ーーメーカー製のマザーボードをそのまま搭載しているわけではないんですか?
宍戸 訓之氏(以下、宍戸氏):そうですね。例えば、自作する際に、マザーボードを購入していざ組み立てるときにバックプレートの位置がちょっとズレるといった経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。そのようなことがないよう、GALLERIAのケースにしっかりと合うように作っていただいています。また、ファンやUSB端子のコネクターの数や位置も同様です。
ーーファンやUSB端子もですか?
宍戸氏:GALLERIAのケースの場合、前面にUSB Type-A端子が4基あるため、それ用のコネクターが2つ必要になります。ケースによってはType-AとType-Cのコネクターが1つずつで足りることもありますが、GALLERIAの場合はType-Aだけで2つ必要です。それ以外にも、ケースの仕様に合わせてファンのコネクターも5個です。前後と上部にファンがあるので、接続しやすい場所も指定して作っていただいています。
ーーそのほかに要望として反映してもらった部分はありますか?
宍戸氏:これはGALLERIAのケースが新しくなる前の話ですが、、我々としては年々ビデオカードが大きくなることは分かっていたので、SATAコネクターの向きも指定して作っていただいていました。そのままではビデオカードと干渉してしまいますから。
ーーここまでビデオカードが大きくなるのはだいぶ前からわかっていたんですね。
宍戸氏:どう考えても大きくなるだろうと(笑)。
ーーそのほか、ASUSとASRockを採用している理由はありますか?
石黒氏:パソコンの安定性や品質の肝をよくわかっているということですね。マザーボードは、物によっては時間が経過とともに反ってしまうものもありますが、そういったこともありません。我々が重要視し、品質的に譲れない部分をしっかりと満たしていて、かつ細かく要望も応えてくれる点が大きいです。
また、我々がマザーボードを選ぶときには「電源フェーズは出し惜しみしないでほしい」とお願いを出すのですが、もともとこの2メーカーは電源フェーズを増強する傾向にあり、開発のコダワリに関しても共通点があると感じます。
GALLERIAのマザーボード選びはExcel表から始まっている
ーーGALLERIAのマザーボード選びで困ったことや苦労したことなどがあれば教えてください。
宍戸氏:新しいマザーボードを採用するときは、Excel表に書かれたスペックのみの段階からチェックさせて、そこで色々とお願いをさせてもらうのですが、サンプルが出来上がってかなり細かい部分ですがイメージと異なるケースも稀にあります。例えば、ヒートシンクが思った以上にせり上がっていて、CPUクーラーに干渉するかもといったこともありました。
ーーそういった場合はどうするんですか?
もともと搭載するはずだったCPUクーラーを変えたりと、品質に支障がでないように徹底的に検証して使うパーツを変えることで対処します。また、CPUクーラーの場合は、同じクーラーでもファンが前に付いているものと後ろに付いているものをそれぞれ発注して、ケースバイケースで使い分けています。
ーーただパーツを組み上げているわけではなく、Excel表の段階から品質を保証するために試行錯誤されているんですね。
品質は絶対に下げない、マザーボードのラインアップを絞る理由とは
ーーASUSとASRockのマザーボードを採用する理由はわかりましたが、メーカーを絞っているのはどういった理由からでしょうか?
石黒氏:マザーボードが1枚増える度に、想定されるすべての構成のパターンで問題なく動作するかを検証しなくてはいけないので、かなり時間はかかると思います。この検証をおろそかにして、品質が下がった無責任な商品を売るわけには、絶対にいかないですから。しっかり品質を担保したマシンを低コストで提供するためには、マザーボードのメーカーは絞ったほうがいいんです。
ーーなるほど。採用するマザーボードのラインアップが少ないのは、そういった理由があったんですね。
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