「Apple M1」によってMacとiPadのハードウェア的境界がなくなりつつある【ジャイアン鈴木】
2021年04月21日 19時00分更新
日本時間4月21日午前2時にアップルの製品発表会がオンライン開催されました。ハードウェアとしては新色パープルの「iPhone 12/ 12 mini」、「AirTag」、「Apple TV 4K」、「24インチiMac」、「11インチ/12.9インチiPad Pro」が発表されました。発表会を視聴したあとの筆者の感想は、「Apple M1」によってMacとiPadのハードウェア的境界がなくなりつつあるなということです。
下に現時点のApple M1搭載機の「最廉価モデル」のスペックをまとめてみましたが、主要パーツであるSoC、メモリ、ストレージの構成はもうほとんど同じ。特に、前世代(第4世代)の12.9インチiPad Proはメモリ容量が6GBだったのに、今回はストレージ128~512GBモデルが8GB、ストレージ1~2TBモデルが16GBも搭載していることには驚きです。「iPadOS」にはオーバースペックな気がしますが、無駄にメモリを搭載する理由はありません。Appleが目指している快適さにこれだけのメモリが必要なのでしょう。
●Apple M1搭載機「最廉価モデル」のスペックを比較
※MacBook Airと24インチiMacには8コアGPU版Apple M1搭載モデルを用意
※8コアGPU版Apple M1搭載24インチiMacの最大ストレージ容量は2TB
※8コアGPU版Apple M1搭載24インチiMacにはインターフェイスにUSB-C×2、有線LAN×1も搭載
※24インチiMacにはVESAマウントアダプタ搭載モデルを用意
※24インチiMacの最大価格は現時点で不明ですが、MacBook Airの価格差がそのまま当てはまれば「27万300円」前後と思われます
※iPad ProにはミニLED搭載ディスプレイを採用した12.9インチ版を用意
※12.9インチiPad Pro用Magic Keyboardは4万1580円、Apple Pencilは1万5950円
また、iPad Proは12.9インチ/2TBストレージ/Wi-Fi+Cellularという構成を選択すると、現時点のApple M1搭載機のなかで最も高価なデバイスです。5G対応、カメラの数、ミニLED搭載ディスプレイを考慮すれば納得感はありますが、Magic Keyboardに4万1580円、Apple Pencilに1万5950円も別途かかるので、価格においては間違いなくApple M1搭載機のフラッグシップです。
それだけ高価なのですから、Apple M1搭載MacでiOS用アプリが動作するのと同じように、Apple M1搭載iPad ProでもmacOSはともかくとして、せめてmacOS用アプリが動く仕組みを導入してほしいなと思います。
さて、MacとiPadのハードウェア的境界がなくなり、Appleシリコンがたくさん製造されることで、原価は安くなります。また基本構成のパーツを共通化すれば、新ハードを作る際の開発コストも削減できるでしょう。24インチiMacの7色のカラーラインナップにも非常に惹かれましたが、製品カテゴリーにおいてもバリエーションを増やしてほしいですね。Apple M1搭載iPad Proのメインボードを流用すれば、UMPCなんてカンタンに作れるはず!
まあUMPCは正直期待薄ですが、24インチiMacがガラリとデザインを変えてきたので、今後発売されるAppleシリコン搭載製品にも大いに期待できると思います。
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