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結局どうなの? ソニー初の360 Reality Audio対応機「SRS-RA5000」を聴く

2021年04月20日 20時30分更新

文● ASCII

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先輩格「Echo Studio」と比べてどうか?

 筆者は自宅でEcho Studioをステレオペアで使用しているので、これと比較しながら、RA5000のサウンドを確かめてみた。Echo Studioは1台2万5000円弱なのでこれを2台買うと5万円弱。RA5000を1台買うか、Echo Studioを2台買うかで迷う人がいるかもしれない。Echo StudioはAmazon Music HDのハイレゾ音源(UltraHD)や3D音源にも対応した機種だ。

左がEcho Studio。結構大きなスピーカーだが、RA5000はさらに大きい。

 まずは音場の広さから。RA5000もワンボディーのスピーカーとしてはかなり広く感じるほうだが、やはりステレオペアのEcho Studioのほうが物理的に有利である。より広い音場感に加えて、定位感に関しても優れる。ただ、密閉型のEcho Studioは低域の量感が出にくい面がある。RA5000はユニット構成から分かるように低域の再現が豊かだ。単体同士で比較すれば、ボディー感があるし、周波数レンジも広く、細かな音の情報も拾う。ズンズンとした低域に支えられた、迫力のある音を好む人には特に向いている。

 とはいえ、低域が強く出る分、ボーカルなどの中域にかぶって聞こえにくく感じる面も一部あったので、一長一短だろう。Echo Studioは下に行くにしたがって徐々に音量が下がっていくが、自然な低音が40Hz台の後半まで残るし、ボーカルへのかぶりが少なく明瞭に聴こえる点はメリットだ。

広がる360 Reality Audioの世界を最初に体験したい人へ

 SRS-RA5000は、ソニーとしては初めての360 Reality Audio対応スピーカーであり、その意気込みを感じさせる面は多い。6方向に向けて配置したスピーカーや音場の自動補正など、最新トレンドも盛り込んでおり、技術的なチャレンジが多かった製品ではないだろうか。

 一方で、360 Reality Audio対応のコンテンツは、まだまだ少ない状況にある。ステレオ再生中心に使うBluetooth/Wi-Fiスピーカーとしてはやや大げさな印象があるし、スマートスピーカーのような機能性をウリにした製品でもないので、ポジショニングに悩む製品とも言える。

 音楽でも空間再現が重視される昨今、360 Reality Audioのフォーマットとしての優位性は確実に感じるし、それをソニーのスピーカーで聴きたいという人はきっと多いはずだ。であれば、よりHi-Fi方向に振ったAVアンプやサウンドバーなど、別軸での成果も見てみたいと個人的には思う。

 以上のような感想を持ちつつ、SRS-RA5000のメリットを考えるとすると、ひとつは豊かな低域に支えられた迫力感ある音を部屋いっぱいに広げられるという点だろう。忠実再現とは違うが、ライブの臨場感を感じ取りたいし、そういう音が好きという層にアピールできる魅力を持つかもしれない。また、DSEE HXによるハイレゾ相当の高域補完やNFCによる簡単なペアリングなど、総じて多機能な機種でもある。

 逆に、進化を期待したいポイントもある。現状でもMusicCenterを通じた、トーンバランス調整などが可能だが、音質調整機能についてはもっと細かく決められた方がいいかもしれない。ここはソフトウェアアップデートなどを通じた機能改善を見守りたい。

 とはいいつつも、これまで対応機種がほぼなかった、360 Reality Audioに対して、ソニーが本腰を入れてきた意義は大きいと思う。結果、市場が刺激され、ヘッドホンを活用したパーソナルリスニングの分野でも360 Reality Audioの認知が進むのではないかと考えている。ここで完成ではなく、ここから広がる360 Reality Audioの世界をまず最初に体験したい人が手にするべき製品がSRS-RA5000だ。

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