●シャープ「Dynabook」で教育市場へ
Chromebook市場が盛り上がりを見せるなか、新たに参入してきたのがシャープだ。グループ内にかつて東芝だったDynabookを持つが、今回、DynabookブランドでChromebookを投入した。
「Dynabook Chromebook C1」はLTE通信を内蔵するのが特徴だ。ハードウェア設計やODMへのコントロールはDynabook社が担当。シャープは通信周りやキャリア対応、グーグルとの連携、クアルコムとの調整を担当した。
シャープとしてはまさに「AQUOS」スマホの知見を生かした格好だ。
特に注目したいのがチップセットだ。クアルコム「Snapdragon 7c compute Platfom」を採用しており、LTE通信は安定。Celeron N 4020と比較して、演算処理能力で2倍、グラフィック処理能力で約3倍、ウェブ動作では25%アップ。電池持ちも約3倍の長さを確保している。
シャープは特に、キャリアにスマートフォンを納入していることもあり、アンテナ性能において他メーカーのChromebookとは違いがあるという。実際、国内の700MHzでの性能が優れている。Dynabook Chromebook C1はソフトバンクが法人向けとして取り扱っているだけでなく、NTTドコモも相互接続試験を実施し、教育市場に展開していく予定だ。
公立小中学校向けに納入するとなると、通信手段はWi-Fiが中心となり、LTEモデルが採用されることは少なそうだ。ただ、学校内で児童や生徒が集中して使うとなると、Wi-Fiでは干渉して速度が落ちる事も考えられる。校庭や課外授業、さらに自宅でもオンラインにつないで学習しようと思うと、やはりLTEに接続できた方が便利だ。シャープとしては、他社との差別化のためにもLTEモデル、将来的には5Gモデルに注力する構えだ。
また、キャリアとしてもGIGAスクール市場に入っていくため、LTEにつながるChromebook向けにGIGAスクール専用の料金プランを展開できるとよさそうだ。

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