9万円台からのスタイリッシュなキューブ型PC「PG-RT」をレビュー!テレワークの息抜きに軽いPCゲームも楽しめる

文●高橋佑司 編集● ASCII

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小型ながらパワフルな性能

CPU-Z(左)とGPU-Z(右)で情報を表示したところ。今回はRyzen 7 PRO 4750Gを採用

試用機のスペック
CPU AMD「Ryzen 7 PRO 4750G」
(8コア/16スレッド、3.6〜4.4GHz)
PCケース RAIJINTEK「METIS PLUS」
マザーボード MSI「MPG B550I GAMING EDGE WIFI」
(B550、Mini-ITX)
メモリー Crucial DDR4-3200 16GB(8GB×2)
ストレージ Samsung「MZVLB256HBHQ-00000」
(256GB、NVMe対応)
電源ユニット 650W 80PLUS GOLD
OS Microsoft「Windows 10 Home(64ビット)」
サイズ 190(W)×277(D)×254(H)mm
価格 11万4200円

 外観の次は、各種ベンチマークでパフォーマンスを検証していこう。なお、PG-RTの標準構成では6コア/12スレッドの「Ryzen 5 PRO 4650G」を採用するが、今回の試用機では8コア/16スレッドの「Ryzen 7 PRO 4750G」に変更されている。

 Ryzen PRO 4000Gシリーズは、2019年に登場して以来爆発的な人気を獲得し、CPU市場におけるAMDの存在感を確立した、Ryzen 3000シリーズと同様の“Zen 2”アーキテクチャーを採用。そこに内蔵GPUのRadeon Graphicsを組み合わせたAPUとして、2020年7月に発売したシリーズだ。

 そんなAPUの性能を見るため、まずは「CINEBENCH R20」および「CINEBENCH R23」で、スコアーを計ってみた。その結果、CINEBENCH R20のスコアーはマルチスレッドで4820、シングルスレッドで507。CINEBENCH R23のスコアーはマルチスレッドで12414、シングルスレッドで1294という結果になった。

 CINEBENCH R20のスコアーで見てみると、同じ8コア/16スレッド、TDP65Wでライバルであるインテル製の「Core i7-10700」がマルチスレッドで3500程度、シングルスレッドで480程度。これに比べ、マルチで37%ほど、シングルで5%ほど高いスコアーを出していることになる。ワットパフォーマンスで見ても優秀な結果といえるだろう。

 次に、さまざまなアプリケーションの処理を通じてPC全体の性能を計る「PCMark 10」でもスコアーを計測してみた。スコアーは、総合で6139という結果に。

 内訳を見てみると、アプリの起動速度やビデオ会議、ウェブブラウジングなどの快適さを見る「Essentials」が10150、スプレッドシートや文書作成ソフトなど、ビジネスアプリの快適さを計る「Productivity」が8838、写真編集などクリエイティブ用途の性能を見る「Digital Content Creation」が6972になっていた。

 Essentialsでは10000超え、Productivityも9000に迫るスコアーになっており、8コア/16スレッドの最新APUの実力を十分に発揮できているといえるだろう。オフィスアプリやビデオ会議での快適さが求められるテレワーク環境においても、不安のないパフォーマンスといえる。

 Digital Content Creationは高いグラフィック処理性能が求められるだけあって、ビデオカードを積んだPCと比較すれば控えめだが、それでも7000近くにつけているのは内蔵グラフィックスの優秀さが伺える。第10世代Coreプロセッサーが搭載する「インテル UHD グラフィックス 630」などでは4000ほどとなるので、十分な値といえるだろう。

 内蔵GPUの性能はどれほどのものなのか、「3DMark」の各テストでも検証してみた。今回はAPIにDirectX 11を使用したテストである「Fire Strike」と、その4K(3840×2160ドット)解像度でのテスト「Fire Strike Ultra」、DirectX 12のテストである「Time Spy」とその4K解像度のテスト「Time Spy Extreme」でスコアーを計った。

 結果はグラフのとおり。やはりディスクリートGPUには及ばないものの、インテル UHD グラフィックス 630ではFire Strikeで1400程度であることを鑑みれば、内蔵GPUとしての性能はかなりのものであることがわかる。

 続いて、「CrystalDiskMark 8.0.1」でストレージのアクセス速度を検証した。ストレージとして搭載されているのは、Samsung製の256GB SSD「MZVLB256HBHQ-00000」だ。

 速度はシーケンシャルリードで3577MB/s、シーケンシャルライトが2352MB/sという結果になった。PCI Express 3.0接続のSSDとしてはトップクラスの速度だ。

CrystalDiskMark 8.0.1のスコアー

 PG-RTが採用しているB550チップセットのマザーボードでは、CPUによっては最大リード速度7000MB/sほどまで出るPCI Express 4.0接続のSSDも使用可能だが、Ryzen PRO 4000GシリーズではPCI Express 3.0接続までしか使用できなくなっている。

 とはいえ、大量の写真を現像するといった特殊な用途でない限り、両者の差はほぼ体感できないレベルといっていい。PCI Express 4.0接続のSSDが使用可能なRyzen 3000シリーズや5000シリーズは、ビデオカードなどのディスクリートGPUが必須になるので、PC全体のコスパで見れば賢い選択といえる。

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