
緑エリアのど真ん中にあって欲しい
ハンヴィーの電圧計は、ミリタリーグッズではおなじみのミルスペックで仕様が規定されていて、目盛り部分は電圧に応じて3色に塗り分けられています。
赤:18-22V
黄:22-26V
緑:26-30V
赤:30-34V
オペレーションマニュアルによると緑は正常、黄色は注意、赤はダメなエリア。つまり電圧が26〜30Vなら正常ということですが、なぜかメンテナンスマニュアルでは27〜29Vと範囲が上下1Vずつ狭くなっています。まぁキッチリした目盛りでなく色分けになっているあたり、だいたいこのあたりならオーケーっていうことなんでしょう。

エンジン回転中の電圧表示。針は緑エリアには入っていますが、真ん中よりかなり低い位置を指しています
ただ、発電電圧は28Vなので本来は緑エリアのど真ん中を差すはずです。それがうちのハンヴィーの場合、この緑のエリア内にはあるもののだいぶ低め。それが以前からずっと気になっていたので、前回は現状を把握するため針の動きをチェックしてみました(第267回「ハンヴィーの電圧計が壊れてるっぽいのでチェックしてみました」)。
電圧がおかしいのか電圧計なのか
エンジンが冷えている状態で始動した時、ハンヴィーは次のような状態になります。
・スイッチオン グロープラグがオンになり、燃焼室内を温める。電圧計はバッテリー電圧を表示。グロープラグが消費する電力のぶん、低く表示される。
・オンから数秒後 燃焼室内が一定温度に達すると自動的にグロープラグがオフになる。電圧計はバッテリー電圧を表示。
・始動後 電圧計はオルタネーターの出力を表示。
うちのハンヴィーの電圧計を確認すると、以下のような動きをしていました。
・スイッチオン 下の赤いエリア
・オンから数秒後 黄色と緑の境目のちょっと上
・始動後 緑のエリア内の下から1/3ぐらいのところ
始動直後は緑エリアの下から1/4あたりですが、その後数十秒かけて針がじわじわと上がっていき、下から1/3ぐらいで安定する感じです。緑のエリアは26〜30Vなので、下から1/3だと27.3Vというところですね。
チェックの結果、全体的な針の動きはそれほど間違ってはいないようでしたが、少なくとも動作中の表示は正しいとは言えません。以前レギュレーターの出力(発電電圧)をチェックしてもらった時は正常だったので、原因として考えられるのは正しい電圧が電圧計に来ていないか、あるいは電圧計そのものが故障して低く表示されているかです。
メーターを外します
何か電力を食っている機器があるのかリークがあるのか、それとも配線のどこかがおかしいのか。はたまた電圧計なのか。いずれにしてもまずは電圧の確認が必要です。
というわけで電圧を測ってみることにしました。そのためには電圧計に来ているコードにマルチメーター(テスター)のテストリードを当てる必要があるので、メーターパネルを外します。
普通のクルマだとメーターのコードにアクセスしようと思ったら内装パネルをあちこち外さなくちゃいけませんけど、ハンヴィーの場合はメーターが取り付けられているパネルのネジを外して手前に引っ張るだけ。

メーターパネルを固定しているネジを外して前に引き出します。スピードメーターケーブルがつながってるのでガバッとは出てきません
メーターパネルを引っ張るとメーターのコードが見えてきます。この状態でコードを外してもいいんですが、スピードメーターのケーブルがつながっているためこれ以上はパネルを引き出せず、作業がしにくいので電圧計を外しちゃいます。

電圧計の裏側。プラスチック製の部品で固定されています
電圧計はパネルの前面から差し込まれていて、裏側からプラスチック製のブラケットがはめ込まれ、ナットで固定されています。右の太いコネクターがプラスのコード。マイナスのコードはブラケットと一緒に共締めされています。

ブラケットのネジを外すとメーターを手前に引き出せます。ホコリだらけでお恥ずかしい
2個のナットを外すと、ブラケットとマイナスコードを外すことができ、メーターを引っ張り出せるようになります。

プラスのコネクターは防水になっています
普通の自動車の電装品のコードはプラスチックのコネクターで接続されますが、ハンヴィーはボンネット水没ぐらいまで水に浸かっても大丈夫な設計になっているので、コネクターも防水仕様。ゴム製の防水コネクターが使われています。コードのコネクターカバーの溝に受け側のコネクターカバーがピッタリとはまることで水を防ぐ仕組みです。

各コードには番号が付けられていて、電圧計のコードは567番
ハンヴィーのハーネス(配線)はコード1本1本に異なったナンバーが割り振られていて、ナンバーが刻印された金属プレートが付けられているため、どれがどの線なのかがすぐわかるようになっています。念のためマニュアルを見て、電圧計のコードが567番で正しいことを確認しました。
電圧計よりさらに低かった電源オン時の電圧
では電圧を測ってみましょう。

メーターを外し、ハーネスにマルチメーターのコードつなぎます
マルチメーターのプラスのテストリードをプラスのコードに差し込みます。マイナスのコードの先端はネジにはめ込む穴が開いた端子が付いているので、そこにマイナスのテストリードを差し込みます。
本当ならテストリードは手で持っていればいいんですけど、撮影しなくちゃいけないのでマスキングテープで留めています。

スイッチがオフの時はメーターの針は左に振り切れています
標準的なクルマではスイッチオフはLOCKポジションで、ステアリングロックがかかり、ライトやホーン、電動スライドドアなど一部の電装品が使える状態ですが、ハンヴィーの場合は「ENG STOP」といい、完全にオフになります(コンピューターのメモリーをバックアップする電源は動いてるかも)。電圧計の針は左いっぱいに振り切れていて、この時の電圧はもちろん0。

電源を入れるとグロープラグがオンに。針は赤いエリアの上の方を指します
スタートスイッチをRUNというポジションにすると、電源がオンになり、電圧計の針が動きます。
一般的なクルマではカーナビなどの電源がオンになるACCと、エンジンスタート後にキーが自動的に戻るONというポジションがありますが、ACCと同じく電装品の電源が入りエンジンスタート後に戻るのもここ。RUNがACCとONを兼ねています。
エンジンが冷えている時はグロープラグがオンになり、電圧はかなり低めを示します。うちのハンヴィーの場合、赤いエリアの上から1/4よりほんの少し上あたりなので、21.2Vというところです。

グロープラグがオンの時の実測値は20.6Vでした

グロープラグがオンになっている間はWAITランプが点灯します。消えると始動が可能に
で、この状態の電圧を測ってみたら、なんと電圧計より0.6Vほど低い20.6Vでした。電圧計が故障して低く表示されているかもしれないと思っていたのに、実際より高く表示されているという意外な結果です。
でもエンジン動作時の電圧計の表示は27.3Vぐらいなので、実際の電圧が0.6V低かったら26.7Vしかないということになり、いくらなんでもそんなに低いとは思えないんですよね。
原因の一つとして考えられるのは、デジタルメーターに比べるとアナログメーターの反応が鈍い点です。グロープラグは8本あって動作にはバラつきがあるでしょうから、電圧が短時間に上下している可能性があるんですよね。アナログである電圧計がその変化に表示が追いついていないのかもしれません。
まあでも、どのみちグロープラグがオンになっている時の針の位置や電圧のデータはマニュアルにないため、正しいかどうかを調べようがないですし、グロープラグは正常に動作しているのでここはこれでよしとします。
次回はグロープラグがオフになった時とスタート時の電圧をチェックします。

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