
ミリタリーなスイッチに交換
ハンヴィーに後付けの電装品用スイッチが付けられているんですが、見た目がミリタリー要素ゼロなので、それっぽい物に交換してみました。

レバーをパチパチと倒すよくあるタイプのスイッチ。自動車用としてもよく売られています

誤操作を防止するカバー付きに
ドン! はいカッコいい。ミサイル出そう。
このようなレバーをパチパチと倒すスイッチはトグルスイッチと呼ばれます。昔から電子工作が好きだったワタシ的には非常に身近なスイッチなんですが、「たとえばこんな物に使われています」と書こうと部屋を見回してビックリ。見える範囲に一個もありませんでした。
一般的な物として思いつくのはエレキギターぐらいかな。家庭でよく見るスイッチは、押しボタンスイッチ、シーソーのように動くロッカースイッチ、スライドさせるスライドスイッチ、回転させるロータリースイッチですかね。自動車用の後付けスイッチとしてはよく使われているんですけど。
トグルスイッチにも色々あります
トグルスイッチは、レバーの動く位置を表わすポジション、接点(回路)の数、動作方式、同時に切り替えられる回路の数の組み合わせで、様々なタイプが存在します。
レバーが両側だけに動く物を2ポジションといいます。一番基本的なのは片側がオン、片側がオフになっているタイプ。オン側だけに接点があり、ライトのスイッチのように、1回路をオンにするかオフにするかというシンプルなスイッチです。
同じ2ポジションでも両側に接点があるタイプもあって、その場合はAとBの2つの回路のどちらかに切り替えることができます。Aなら青ライト、Bなら赤ライトが点灯するみたいな感じですね。
スイッチを入れる動作を英語で「throw」というため、日本語では直訳して「投」といい、1回路オンオフは単投式、2回路切り替えは双投式と呼ばれます。双投式は片方の回路を使わないで単投式としても使用可能です。
レバーが両側だけでなく中央でも止まる3ポジションという物もあり、こちらは両側がオンで中央がオフになるのが普通です。オン-オフ-オン。たとえば左右にライトがあって、左にしたら左が点灯、右なら右、真ん中は消灯というような使い方ができます。
付いていたのは2ポジション・オルタネイト
レバーから手を離した時の動作方式の違いでも2種類あり、レバーが止まったままになる物をオルタネイトといいます。もうひとつはモーメンタリ。
2ポジションなら手を離すとバネで反対側に戻り、3ポジションでは中央に戻るという動作をします。2ポジションならオンにしている間だけモーターが回り、3ポジションなら左右に押している間だけそれぞれの方向に回転し、手を話すとレバーが真ん中に戻って止まるという感じです。
また、全然別の回路を同時に切り替えることができるスイッチも存在します。これは「極」といって、2回路を同時に切り替えられる物を2極、3回路、4回路ならそれぞれ3極、4極と呼びます。スイッチが複数入っているようなもので、複数のスイッチを同時にオンオフしなくちゃいけないところを一度にやってくれるイメージです。
ハンヴィーに付いていたスイッチは、パチパチと両側で止まる2ポジションでオルタネイト動作の物でした。単投・双投、回路数は外から見ただけではわかりません。
オンオフしてるだけで幸せ
赤い部分は誤操作を防止するカバーで、スイッチを操作する時はパチンと跳ね上げて開きます。中には元と同じ2ポジション・オルタネイト動作のトグルスイッチが。

スイッチを操作する時はカバーを跳ね上げます

カバーが開いた直後はスイッチが下がった状態になっています

スイッチをオンに
カバーをはね上げてパチンとオンにするっていう一連のシークエンスがいかにもミリタリー的な何かを操作しているみたいでシビれます。使い道はあとで考えるとして、ズラッと並べて無駄にオンオフしたい。

使用時はこの状態になります

カバーを下ろすと自動的にオフに
クルマの電装品はふだんはオフで使っている間はオンにしっ放しということがほとんどですが、場合によっては常時オンで必要に応じてオフにするなんていう使い方も可能です。また、モーメンタリ動作のスイッチを入れれば、カバーを開いたあと押している間だけオンにするなんてことも。
カバーを付けるだけと思ったんですが
このカバー、いつ買ったのか覚えていないぐらい前からウチにあって、ずっとパーツ箱に入れっぱなしになっていました。スイッチはなくてカバーだけだったから使い道が思いつかなくて。捨てなかったのは、いつか「こんなこともあろうかと」という日もあるだろうと思ったんじゃないかな。まさに今です。

カバーだけ持っていました。買ったのは数年前どころか、たぶん20年以上前
米軍の払い下げ品で、当時はこんなスイッチは払い下げ品でしか見ることができませんでしたが、今では同様のスイッチ&カバーが「ミサイルスイッチ」というそのものズバリの名前で売られているんですよね。
カバーを持っていることなんてすっかり忘れてたんですけど、たまたまそのミサイルスイッチをネットで見かけて、そういえばカバーがあったなと。カバーが活躍できるし、ただのスイッチがミリタリーっぽくなるしで一石二鳥です。
……と思ったんですが、そううまくはいきませんでした。合わせてみたらレバーが長すぎて全然無理。レバーを切ったとしても角度がカバーに合うとは限らず、オンにできないとか、閉じてもオフにならないなんてことが起こる予感が。
なので結局スイッチも買わなきゃいけないということになったんですが、ここでいいものがありました。これまたいつ買ったのか覚えていない何かのコックピットのパネルにスイッチがついていたのです。そういえばスイッチを何かに使えるな、なんて思ったようなかすかな記憶が。

つまみが取れたりしてるジャンクなコックピットパネル。スイッチが並んでいます
次回はこれをバラします!

この連載の記事
- 第267回 ハンヴィーの電圧計が壊れてるっぽいのでチェックしてみました
- 第266回 ビデオ用のライトが壊れたので、スイッチを修理したら復活!
- 第265回 航空機のコックピットのスイッチを米軍車両のハンヴィーに取り付けます
- 第264回 スイッチをハンヴィーに流用するため航空機のパネルを分解しました
- 第262回 自動制御が秀逸なマキタのインパクトドライバー
- 第261回 ネジに「打撃を与えてガッチリ締める」充電式インパクトドライバー
- 第260回 ハンヴィーの新タイヤ&ホイールは高かったけど高性能
- 第259回 ハンヴィーのタイヤ&ホイール代がビックリの金額に!
- 第258回 買ったままになっていたハンヴィーのパーツを取り付けてもらいました
- 第257回 米軍車両ハンヴィー、3つ目の不具合はブーツの劣化
- この連載の一覧へ