Root(ルート)
2月19日発売
直販価格 2万9800円
アイロボットジャパン
対象年齢 6歳以上
https://www.irobot-jp.com/root/
0歳児&3歳児と暮らしております盛田諒ですこんにちは。小学校でプログラミング教育が必修化されたことを受け、最近おもちゃ売り場に行くとかならずプログラミング・トイが目に入るようになりました。方向を指示して動かすクルマやロボット、謎のヘビなどなど。全体にどこかカチッとした理知的なおもちゃが多い中、ルンバのアイロボットが遊び心をくすぐる感性的なおもちゃを出してきました。ホワイトボードに絵を描き、楽器のように音を鳴らせて、ピカピカと7色に光る小さなロボット、その名も「Root(ルート)」。家で試してみましたが、これ自分用に欲しいです。
●センサー満載 さながらミニルンバ
Rootはアイロボットが手がける初の教育用ロボット。教育用ロボットを開発するハーバード大学発のスタートアップRoot Roboticsを買収して開発したものです。これまでもアイロボットは北米で「iRobot Create 2」という研究開発向けのルンバを出してきましたが、Rootはもっとやさしく6歳から遊べるおもちゃという建てつけ。法規制の関係で日本の推奨年齢は6歳以上ですが、海外では4歳からということで売られています。4歳からのプログラミング教育!
ミニサイズでありながらルンバ並みのセンサーを搭載。目のようなところは光センサー、白いボディはさわると感知するタッチセンサー、十字に入った黒い模様はLEDセンサー。本体の前には障害物を検知できるバンパーセンサー、本体の下には段差を見分ける段差センサー、ルンバにはない色を見分けるカラーセンサーも備えます。充電用のUSB-C端子があり、将来的には拡張デバイスや電子回路を載せられるようにもなっています。
こうしたセンサーへの入力をきっかけに、様々なことをできるのがRootです。走るほかにできることは「描く」「鳴らす」「光らせる」の3つ。
1. 付属のペンをさすとホワイトボードに絵を描く
2. 曲を作ったり本体にさわって音を鳴らす(8音階)
3. LEDを7色に光らせたり点滅させる
絵を描くときは、ペンを本体中央にグサッとつきさします。ホワイトボード用のペン(青・緑)が入っているので、それを使う形。
本体の内側にマグネットが入っているので、ホワイトボードなどにくっつけて垂直に移動させることもできます。試しに冷蔵庫につけているホワイトボードに置いたところ見事にくっつきました。
動きを組み合わせれば、たとえばRootをラジコンのようにレーシングコースを走らせたり、タッチセンサーにふれてピアノのように鳴らしたり、バンパーセンサーが家の中にある障害物にぶつかると向きを変えて脱出するという、まさにルンバ的ロボットを作ることもできます。
●やさしいアプリ さながらホームページビルダー
Rootを動かすにはアプリ「iRobot Coding」を使います。iOS/Androidに加えてChromeやEdgeなどウェブブラウザーでも動作可能。BluetoothでRootにつながり、アプリで作ったプログラ厶どおりに動かせます。
プログラムを作る方法は難度ごとに3レベル。
レベル1 文字がないブロックをつなぐ
レベル2 ブロックとテキストの組み合わせ
レベル3 一般的なテキストコーディング(Swiftベース)
ただプログラミングブロックを組み合わせるだけのレベル1、自分でパラメーターを指定できるレベル2、そしてテキストコーディングのレベル3に分かれます。Swiftベースってところもいいですね。ブロックは「プログラムがかいしされたとき」「かいてんする(みぎ)(90)ど」「セット(マーカーをしたへ)」など、やさしい言葉で作られています。
レベルを切り替え、ブロックで組み上げたプログラムが実際にどんなコードになっているかを見ることもできます。ブログのCMSでプレビューとソースコードを切り替えるような感覚ですね。
プログラミングエリアの隣にはシミュレーターが表示されていて、Rootを動かす前に動作をシミュレーションできるようになっています。Rootを持っていなくてもシミュレーターは使えるので、たとえばプログラミング教室などでRootを使ったプログラミング教育を習っているとき、自宅でプログラムを作っておいて、教室でそれを動かすということもできます。
パスコードを入れて新しいプログラムをダウンロードすることもできます。試しにダウンロードしたプログラムを実行すると、Rootがホワイトボードにアイロボットのロゴを描いてくれました。
海外ではこのシステムを使って有料の課金コンテンツも配信されているようですが、日本では当面すべてのコンテンツが無料で遊べるようです。
このアプリがかなり良くできていて、初心者もとっつきやすい作りです。基本的な部分をブロックで組んで、細かいところをテキストベースで調整するという遊び方がしやすく、大昔にホームページビルダーでテキストサイトを作っていたときのことを思い出しました。
●いっしょにルンバをつくろうぜ
なぜルンバのアイロボットが教育用ロボットに参入するのか。
実はアイロボットはこれまでもエンジニアを育てるSTEMプログラムを世界中で展開してきました。日本でも3年前から東京や大阪のオフィスでSTEMプログラムを展開しています。このSTEMプログラムをよりたくさんの人に体験してもらうためRootを出しましたという流れ。アイロボットはこのSTEM教育を「アイロボットエデュケーション」と命名し、ロボットエンジニアを育成する活動をしたいと考えています。
同社のコリン・アングルCEOは「もしロボット作りやプログラミングに興味を持ったら、エンジニアとしてアイロボットで私たちと一緒に未来のロボットを開発していただきたいと本気で思っているのです」とコメントしていました。いっしょにルンバをつくろうぜということですかね。
まだRootビジネスは始まったばかり。今後は課金コンテンツを増やしていく方向も考えているということですが、将来的にはアイロボットがレゴスクールやレゴクラスのような教室を運営することもあるんでしょうか。いずれにせよRootそのものが抜群によくできているので、親子でハマるところも十分に想像できます。今後の動きにも注目したいですね。
書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ。3歳児と0歳児の保護者です。Facebookでおたより募集中。
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