リーズナブルな省スペースマシンからクリエイティブ作業もできるハイエンド構成まで幅広いカスタマイズも
スリム型でもGTXやQuadro搭載可能でハイエンド構成にできる「ESPRIMO WD2/E2」の実力をチェック
2021年01月15日 09時00分更新
前モデルからデザインが刷新され、よりスタイリッシュかつ省スペース性が高くなった富士通クライアントコンピューティングの省スペースデスクトップパソコン「ESPRIMO WD2/E2」。コンパクトな本体にもかかわらず拡張性は高く、CTOではグラフィックボードやセカンダリストレージを選択してパフォーマンスを追求することができる。今回はその実機を試すことができたので、各種ベンチマークを実施してパフォーマンスをチェックしてみた。
高性能CPUとグラフィックスを搭載可能
直販サイト「富士通 WEBMART」では、ESPRIMO WD2/E2購入時にCPUやGPU、ストレージなどの構成を自分好みにカスタマイズすることができる。CPUはCeleron G5905からCore i7-10700まで、GPUはCPU内蔵に加えNVIDIA Quadro P620、NVIDIA GeForce GTX 1650のいずれかを選択することが可能だ。
今回試したマシンは、CPUがCore i7-10700、グラフィックスがNVIDIA GeForce GTX1650、メモリーが64GB(16GB×4)、ストレージが1TB SSD+3TB HDDという最上位の構成になっていた。いったい、どのくらいのパフォーマンスなのだろうか。
そこで、ベンチマークソフトで性能をチェックしてみることにした(なお、CPUはサードパーティ製のツールなどを使えば消費電力を上げてよりパフォーマンスを高めることもできるが、今回は定格の65Wのままで計測している)。
まず、CPUの性能を見るため「CINEBENCH R20」を実行してみたところ、シングルコアが490ts、マルチコアが3423ptsとなった。CTOで選べるワンクラス下のCPU、Core i5-10500を少し上回るくらいのパフォーマンスだ。
そこで「CINEBENCH R23」も試してみたところ、シングルコアが1267ts、マルチコアが8913ptsでCore i5-10500より1割ほどパフォーマンスが高い結果になった。とはいえ、大差がついているわけではない。直販サイトではCore i5-10500とCore i7-10700の差額は約2万円なので、コスパを考えればCore i5-10500も魅力的だ。
続いて、マシンの総合的なパフォーマンスを見るPCMark 10を試してみたところ、総合スコアが「6034」という結果になった。詳細を見ると、基本性能を示すEssentialsが9692、ビジネスアプリの性能を示すProductivityが8498、クリエイティブ系アプリの性能を示すDigital Content Creationが7242といずれも快適さの目安を大きく超える数値になっている。Webやメールなどの日常的な用途はもちろん、写真編集や動画の編集なども快適に行える性能を持っていることがわかる。
ストレージは、プライマリがPCIe 3.0×4レーンのM.2 NVMe SSD、セカンダリが7200rpmのSATA HDDという構成。CrystalDiskMarkを実行してみたところ、SSDの方はシーケンシャルリードが3500MB/秒前後と非常に高速だった。またHDDもシーケンシャルリードが200MB/秒を超えており、HDDとしては比較的高速であることがわかる。
グラフィックス性能をチェック
本製品はCPU内蔵のインテルUHD グラフィックス 630以外に、単体グラフィックスのGeForce GTX 1650とQuadro P620を選択することができる。どちらもローエンド~ミドルレンジ向けだが、内蔵グラフィックスよりははるかに高性能。一般的なユーザーでグラフィックス性能を強化したいならGeForce GTX 1650、CADや3DCGなどに使うならQuadro P620がおすすめだ。ESPRIMO WD2/E2の試用機には、このうちGeForce GTX 1650が搭載されていた。
そこで、GeForce GTX 1650の性能をチェックするため、3DMarkを試してみた。
3DMarkの結果 | |
---|---|
Time Spy Extreme | 1730 |
Time Spy | 3825 |
Fire Strike Ultra | 2004 |
Fire Strike Extreme | 4244 |
Fire Strike | 8892 |
Sky Diver | 27817 |
4K解像度のグラフィックテストであるTime Spy ExtremeやFire Strike Ultraのスコアを見ると、4K環境でのゲームは厳しそうだが、フルHDくらいの解像度ならそこそこ重いゲームも楽しめそうだ。
そこでゲーム系のベンチマークもいくつか試してみた。まず軽めのゲーム「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」は次のようになった。
ドラゴンクエストX ベンチマークソフトの結果 | |||
---|---|---|---|
グラフィック設定 | 解像度 | スコア | 評価 |
低品質 | 1920×1080ドット | 24465 | すごく快適 |
標準品質 | 1920×1080ドット | 23865 | すごく快適 |
最高品質 | 1920×1080ドット | 23615 | すごく快適 |
同様に中程度の負荷のゲーム「FINAL FANTASY XIV: 漆黒のヴィランズ」でも試してみた。FINAL FANTASY XIV: 漆黒のヴィランズくらいのゲームでも、フルHDなら非常に快適に楽しめることがわかった。
FINAL FANTASY XIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークの結果 | |||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | スコア | 評価 |
1920×1080ドット | 標準品質 | 17493 | 非常に快適 |
1920×1080ドット | 高品質 | 11701 | 非常に快適 |
1920×1080ドット | 最高品質 | 10108 | 非常に快適 |
用途に合わせてカスタマイズできるのが魅力的
ESPRIMO WD2/E2は、直販サイト「富士通 WEBMART」限定のカスタムメイドモデルで、用途や好みに合わせてスペックを細かく選べるのが大きな特徴。最小構成だとIntel Celeron G5905、4GBメモリー、500GB HDD、DVDスーパーマルチドライブ、無線通信なし、というスペックになるが、税込9万3060円(19%OFFクーポン適用で7万5378円、本稿執筆時)というリーズナブルな価格で購入することが可能だ。
ちなみに、今回の試用機と同じ構成(Core i7-10700、64GBメモリー、1TB SSD+3TB HDD、BDXL対応Blu-ray Discドライブ、GeForce GTX 1650、無線通信なし)だと40万9060円(19%OFFクーポン適用で33万1338円、本稿執筆時)という価格になる。決してお手頃な価格ではないが、そのパフォーマンスや国内大手メーカー製という安心感を考えれば納得できる値段ではある。とくに写真や映像編集、CAD、3DCG作成などのクリエイティブワークを快適に行ないたいと考えている人にはおすすめできる。購入候補としてぜひ検討してみてほしい。
ESPRIMO WD2/E2のスペック | ||
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標準スペック | 試用機のスペック | |
CPU | Celeron G5905(3.5GHz) | Core i7-10700(2.9GHz/最大4.8GHz) |
グラフィックス | インテル UHD グラフィックス 610 | GeForce GTX 1650 |
メモリー | 4GB | 64GB |
ストレージ | 約500GB HDD | 約1TB SSD+約3TB HDD |
内蔵ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ | BDXL対応Blu-ray Discドライブ(スーパーマルチドライブ機能対応) |
通信規格 | 有線LAN(1000BASE-T) | |
インターフェース | USB 3.1(Gen2)Type-C、USB 3.1(Gen2)Type-A、USB 3.2(Gen1)Type-A×5、USB 2.0 Type-A×4、DisplayPort×2、HDMI、ラインアウト、ラインイン、マイク・ヘッドホン・ヘッドセット兼用端子 | |
サイズ/重量 | およそ幅89×奥行332×高さ313mm/約5.7kg(縦置き時、設置台含まず) | |
OS | Windows 10 Home(64bit) | |
価格 | 9万3060円 | 40万9060円 |
価格(クーポン利用時、1月7日現在) | 7万5378円 | 33万1338円 |