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格安データ通信SIMを買って格安に使い倒す! 第169回

2021年の格安SIMは「20GB+2980円」の新プランと楽天モバイルの競争がカギになりそう

2021年01月10日 12時00分更新

文● 正田拓也 編集● ASCII

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楽天モバイルのエリアは急拡大中。最新の情報で判断を

 筆者が2021年こそは台風の目になると期待しているのが楽天モバイルだ。「Rakuten UN-LIMIT」は「20GB+2980円」の上を行く、使い放題2980円、そして通話し放題だ。もし、楽天回線エリアさえ充実すれば、無料期間が終わってもahamoもSoftBank on LINEよりも条件は良くなるからだ。

エリアさえ拡大すれば、データ・通話の両方が使い放題で月2980円という楽天モバイルのサービスは一歩上に行っているのは間違いない

 自社エリアの拡大は急速に進んでおり、昨日までエリア外だったところが今日はエリアになっているということが身近にもある。特に筆者の周囲では2020年12月ごろに一気にエリアが充実した。地下鉄の駅間でも楽天回線エリアになっているところもあり、電車の中でストリーミング再生が切れない場所も増えた。楽天モバイルに対する期待が消えかけていたところだったが、自分のまわりの急拡大ぶりに驚き、2021年は期待できると思いなおしたくらいだ。

 楽天モバイルの勢いがどこまで続くかはわからないが、少なくとも、日に日に変わっていくので最新の情報で判断しないといけないことだけは確かだ。auのローミング終了エリアも増えていくが、楽天回線エリアだけでも十分に使える日はそう遠くないかもしれない。

 そして、これから加入しようという人は、300万名無料の終了が気になるところ。100万回線が6月30日、200万回線が12月30日で今のペースのままなら6月末まで無料回線が入手できる計算だが、人気が出れば早まる可能性もある。加入が遅いほうが広いエリアを無料で満喫できる期間は長くなるが、ほどほどのタイミング、できれば3月くらいまでに加入しておいたほうがいいだろう。

5Gは順調に普及するが
5Gといういことをあまり意識しなくなる

 5Gのサービスは2020年の予想どおり、じわじわと普及し、意識せずに5Gになっていくと思われる。まず、ahamoやSoftBank on LINE、楽天モバイルは5G対応、Y!mobileも2月から順次対応予定だ。

 対応スマートフォンのほうも、LTEのときのようにハイエンドからじわじわと広がり、気づけば普及機種まで広がっていく。iPhoneも最新のiPhone 12シリーズを買えば5G対応のため、意識せずに使っている人も増えていくことになる。

 現状では5Gと言っても、スピードテストでは速い数字が出るかもしれないが、実際体感できるかは別の問題。目に見えて高速ということを実感することもなければ、いずれ5Gを意識することすらなくなっていくと思われる。

3大キャリアへの回帰によって
支払い額は20GB+2980円が最低ラインになる可能性

 5Gにも対応した「20GB+2980円」のプランであっても、従来の3大キャリアのプランに比べれば十分に安い。しかしその下には、月1980円で10GB程度のものを求めている人たちも少なくないはずだが、その部分の競争は始まらないと思われる。

 ahamoにSoftBank on LINE、そしてサブブランドと注目されているのは3大キャリアによるサービスか、楽天モバイルである。MVNOの格安SIMであっても、ほとんどは3大キャリアと関係あるところとなる。

 つまり、どう転んでも主要通信会社の手の内で回っていることが多くなり、一般の人にとって値下げしたプランは「20GB+2980円」が最低ラインで、消費税や多少のオプション、通話料などかかって、月の支払額は4000円弱というところに落ち着いてしまうのではないかと思われる。この状態を崩すには、楽天モバイルのエリアの充実と評判の高まりによる、もう一段の料金競争や、選択肢の多様化が進むかどうかがカギとなる。

 また、新型コロナウイルスの影響については、あまり悲観的な予想はしたくないが、在宅傾向はしばらく続く可能性はあり、エリアの広がり次第で楽天モバイルがさらに注目される可能性がある。

 いずれにしても、楽天モバイルの動向次第で、3大通信会社の手のなかで転がされるか、競争が始まるかの違いが出てくる。2021年は楽天モバイルや3大キャリア傘下以外のMVNOの格安SIMには頑張っていただき、よりよい競争環境が維持されることを希望するばかりだ。

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