日大文理、コミュニティーベースの新しい大学のあり方を目指す研究センター「RING」を設立
「教員・学生・社会人が一体となって社会課題を解決できる広場」を目指す
日本大学 文理学部は12月1日、コミュニティーベースの新しい大学のあり方を目指す「次世代社会研究センター(Research Institute for Next Generation Society)」(RINGS)を設立。同学部の情報科学科助教である大澤正彦氏がセンター長に就任した。
RINGSは「名目だけの産官学連携」からの脱却を目指し、社会課題を解決していくためのコミュニティーベースの研究センターだという。コミュニティーベースをキーワードに、「教員・学生・社会人が一体となって社会課題を解決できる広場」を目指し、産官学連携が最善手となる組織を設計し、以下の3点を主目的として研究を活発化させていくとのこと。
・産:優れた人材獲得。官学のキーパーソンと理想的な連携。自社の競争優位性の保持と収益の増加
・官:あらゆる現場の状態や温度感の把握による政策の立案
・学:余裕のある資金や人材体制による社会と連携した教育や高度な研究の実施。持続的な成長戦略の確立
また、学生や教員はもちろん、さまざまな分野のプロボノ、企業や行政の担当者と信頼関係を構築し、そこから新たな価値の創出を目指すため、センターに関与する誰もが参加できるコミュニティーベースの研究センターを構築するとしている。
センター長の大澤氏が専門とするAIの分野はもちろん、センターに参画する教員やプロボノの知見をきっかけに、幅広いテーマの研究を実施する予定だ。また、すでに活躍している企業・個人・学生のみを対象とするのではなく、まだ自身の独自性を発揮できていない人が、それを明らかにしつつ社会とつながれるようになるための教育・コミュニケーションについても研究するとのこと。
RINGSには、センター長を務める大澤氏のほか、副センター長として学部次長、心理学科教授の岡隆氏、学部次長(理系担当)であり情報科学科教授の谷聖一氏が就任。運営委員として、ドイツ文学科 助教の横山淳子氏、体育学科 准教授の伊佐野龍司氏などが就任し、文理学部の多様な学科の教員が参画する。
また、初年度には学部生・大学院生40名程度の所属を想定し、学生の副専攻的な教育の場としても機能するとのこと。プロボノも50名程度参画する見込みで、多様性に満ちた産官学連携をコミュニティーベースで推進していくとしている。
なお、RINGSは2020年12月23日時点で、以下の8社とパートナーシップを締結した。
・サイバーエージェント
・ソフトバンク
・TIS
・電気事業連合会
・ベネッセコーポレーション
・ロート製薬
・ELPIS NEXT
・豊田市