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実売8000円前後のWi-Fi 6ルーター「WSR-1800AX4」は乗り換えに悩む人も要チェック!
2020年12月28日 13時00分更新
自宅で過ごす時間が増えてくると、ネットショッピングやSNS、ゲーム、動画視聴など、インターネットの利用時間が長くなりがちだ。しかも、仕事がテレワークになっていれば、さらに長時間使うことになる。
以前なら、家より外にいることが多いのでインターネットはモバイル回線で十分だと考えていた人でも、今年になって、光回線を家に引いたという例は少なくないだろう。
しかし、せっかく1Gbps以上の光回線を引いていたとしても、家の中のネットワーク速度がボトルネックとなってしまえば快適とは言い難い。
そこでオススメなのが、Wi-Fi 6に対応したルーターの導入だ。Wi-Fi 6はワイヤレスながらもギガビットLANを圧倒する最大9.6Gbpsの高速性、機器を多数接続しても速度が落ちにくいという特性、5GHz帯だけでなく2.4GHz帯でも高速化できるなど、そのメリットは数多くある。
ただし、実際の製品を選ぶのは大変だ。ひと口にWi-Fi 6対応ルーターといっても、機能や性能、速度などの違いでエントリーからハイエンドまで数多くのモデルがあり、価格も1万円切りから5万円オーバーまで様々。いざ導入してみようと考えたとき、何を選んでいいのかわからず困惑してしまう人が大半だろう。
そこで今回は、使用するのは家族だけ、同時に通信するのはせいぜい2~3台程度という条件を想定。そうした環境にピッタリな実売8000円前後というエントリークラスの「WSR-1800AX4」で、機能や性能をチェックしてみた。
主なスペック | |
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無線LAN規格 | IEEE802.11ax/ac/n/g/b/a(Wi-Fi 6) |
周波数 | 5GHz/2.4GHz |
最大転送速度(5GHz帯) | 1201Mbps(80MHz 2×2) |
最大転送速度(2.4GHz帯) | 573Mbps(40MHz 2×2) |
アンテナ数 | 5GHz:2本、2.4GHz:2本(内蔵アンテナ) |
ストリーム数 | 2ストリーム(2×2) |
セキュリティ機能 | WPA、WPA/WPA2-mixed、WPA2、WPA2/WPA3、WPA3 |
インターフェース | 1000BASE-T/LAN×4、WAN×1 |
サイズ | 36.5(W)×160(D)×160(H)mm(アンテナ含まず) |
重量 | 約373g |
対応OS | Windows 8.1/10、Mac OS X 10.10、iOS 10.0、iPadOS 14.0以降、Android 4.4以降、Chrome OS |
まずは気になるWi-Fiでの速度をチェック!
エントリーモデルでもWi-Fi 5より高速化
現在発売されているWi-Fi 6ルーターの最大速度は4.8Gbps。スマホやPC側の対応は最大2.4Gbpsになっているため、こういった製品を複数同時に接続して使う場合に向いているものとなる。
これに対し、WSR-1800AX4が対応しているのは1.2Gbpsまで。価格なりに落ちはするものの、Wi-Fi 5の主流となる867Mbpsと比べても約1.4倍高速なうえ、有線のギガビットLANを超える速度がある。
とはいえ、これはあくまで規格上の理論値。実速度がどのくらいなのかは製品によって大きく変わるため、まずはこの速度をチェックしてみよう。
まずは2台のPCを用意。片方のPCでフォルダー共有設定を行ない、このフォルダーへのアクセス速度を「CrystalDiskMark」で調べることで、簡易的に実速度を測ってみた。
ルーターとして使用したのは、WSR-1800AX4(Wi-Fi 6、最大1.2Gbps)と、回線業者からレンタルしているRS-500KI(Wi-Fi 5、最大867Mbps)の2つだ。なお、集合住宅でテストを行なっていることもあり、周囲のWi-Fiルーター台数は多め。なるべく影響が少ないだろう深夜に試しているものの、影響はゼロではない点に注意して欲しい。
この環境での実速度は、Wi-Fi 5(RS-500KI)では約611Mbpsだったものが、Wi-Fi 6(WSR-1800AX4)では約654Mbpsへと高速化しているのが確認できた。さすがに外部からの影響がほとんどない有線LANと比べれば見劣りしてしまうものの、複数のWi-Fiが飛び交う環境であっても、実用上十分な速度が出ているというのはありがたい。
またWi-Fi 6は速度だけでなく、「直交周波数分割多元接続(OFDMA)」という機能によって複数台の同時接続に強いのもポイント。従来は接続されたデバイスに順番に通信する形だったため、たくさんの機器がつながっていると待機時間が発生し、速度が大きく落ちる場合があったが、OFDMAでは複数の接続デバイスに同時に通信を行なうため、速度が落ちにくくなっている。
また、接続する端末側も対応している必要があるが、スマホなどの省電力機能に対応するという点もメリット。非通信時に端末側の通信機能をスリープ状態にし、バッテリーを長持ちさせるといった機能だ。こうした機能によって、単純なアクセス速度のほかにも、利用上の不満が軽減されるシーンは多くなるだろう。