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事業パートナーはViptela時代からの盟友である日商エレクトロニクス

マルチクラウド対応のネットワークをas-a-Serviceで提供するAlkiraが日本進出

2020年12月22日 11時30分更新

文● 五味明子 編集●大谷イビサ

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 米Alkira(アルキラ)と日商エレクトロニクスは12月3日、日本におけるAlkiraのネットワーククラウドサービスの提供に関して戦略的事業提携を結んだことを発表した。日商エレは今後、日本初のAlkiraのディストリビューションパートナーとして、「Alkira CXS Network Cloud」など同社のソリューションを国内市場で展開していく。

マルチクラウド対応のネットワークをオンデマンド型で提供

 Alkiraの共同創業者兼CEOを務めるアミール・カーン(Amir Khan)氏は「ネットワークをシンプル化するということは、多くのエンタープライズの顧客にとって非常に大きなチャレンジだった。Alkiraはピンポイントでネットワーククラウドを提供できるシンプリシティがグローバルでも高く評価されている。今回、日本市場への進出にあたり、日商エレクトロニクスと提携できることをとてもうれしく思う」と語っており、日本市場におけるシェア拡大に意欲をみせる。

Alkiraの共同創業者兼CEOを務めるアミール・カーン(Amir Khan)氏

 Alkiraは2018年にカーンCEOとカーンCEOの実弟で現CTOのアティーフ・カーン(Atif Khan)氏が設立した、オンデマンドのマルチクラウド型ネットワーキングサービスを提供する企業。同社はこれらのサービスを“ネットワーククラウド(Network Cloud)”と呼んでおり、ユーザーが専用のネットワーク機器などを購入することなく、ワンクリックでさままざまなネットワークサービスをどこからでも受けられることを最大の特徴としている。

 Alkiraが提供するネットワーククラウドのコアとなっているのは、世界各地で展開するネットワークエクスチェンジポイント「Alkira Cloud Service Exchange(CSX)」で、AWSやMicrosoft Azureといったパブリッククラウドやオンプレミスのデータセンターなどユーザが利用中の環境と、そこからもっとも近い場所にあるCSXを接続し、エンドツーエンドでネットワークサービスを提供する。カーンCEOはAlkiraが提供するソリューションを大きく以下の3つに分けて説明している。

世界各地で展開するネットワークエクスチェンジポイント「Alkira Cloud Service Exchange(CSX)」

・エンドツーエンドのネットワーク接続
ユーザーが利用中のクラウドサービス(Amazon VPC、Azure VNets、Google Cloud Platform VPCなどとAlkiraのCSXをワンクリックで接続し、CSXを通じてエンドツーエンドでさまざまなネットワークサービス(Cisco SD-WAN、IPsec、AWS Direct Connectなど)をユーザのリモートオフィスや店舗などのリモートサイトに提供することが可能。ハイブリッドでマルチクラウドなネットワークサービスを届ける「CNaaS(Cloud Network-as-a-Service)」、ゼロトラストネットワークアクセス「ZTNA」、CSXをバックボーンとして活用することでネットワーク間の接続を可能にする「CBaaS(Cloud Backbone-as-a-Service)」など

・ネットワークとセキュリティサービスの統合
Palo Alto Networksとのパートナーシップにより、ユーザはオプションで「Palo Alto VM-Series Firewall」をプロビジョニングでき、CSXを通してリモートサイトにファイアウォールのインスタンスをワンクリックで適用可能。支払いは従量課金(Pay-as-you-go)かライセンス持ち込み(Pay-as-your-license)から選択できる。

・深い可視化と強いガバナンス
シンプルなWebインターフェイス「Alkira Cloud Services Exchange Portal」が接続中のクラウドサービス(ファイアウォール含む)の状態をグラフィカルに可視化し、ファイアウォールインスタンスのオートスケールや適切なアラート、ログ監査、ユーザ管理などのオペレーション機能を提供

 今回の日本進出にともない、Alkiraは「Alkira CNaaS」に加え、グローバルな高速/低遅延のマルチクラウドバックボーンとして機能する「Alkira CBaaS」を日本市場向けに提供開始。日本での販売/サポートは国内パートナーの日商エレクトロニクスが行なう。

「これからのネットワークはas-a-Serviceが当たり前になる」

 Alkiraのアミール・カーンCEOはAlkira設立前にSD-WANのスタートアップ企業Viptelaを立ち上げている。Viptelaはソフトウェアで各拠点のエッジルーターを柔軟にコントロールできる高い技術力が評価され、2017年8月にはシスコによって買収され、同社のSD-WAN事業に組み込まれている。カーンCEOはその1年後の2018年に実弟のアティーフ・カーンCTOとともにAlkiraを創立、Viptera時代の実績もあって投資家からの評価は高く、2021年10月にはシリーズBで5400万ドルの資金を調達している(トータルでは7600万ドルを調達)。

 日本で初の戦略的パートナーとなる日商エレクトロニクスはViplera時代からカーン兄弟とパートナーシップを継続しており、今回のAlkiraとの提携も「日商エレクトロニクスが力を入れているクラウドシフトの流れに沿ったもの」(日商エレクトロニクス 取締役 常務執行役員 坂井俊朗氏)と位置づけている。同社はすでに首都圏の顧客に対してAlkiraのソリューション導入を商談ベースに乗せており、近い将来には大阪での展開も検討しているという。

日商エレクトロニクス 取締役 常務執行役員 坂井俊朗氏

 カーンCTOは「日商エレクトロニクスとは早い段階から良いパートナーシップを構築してきており、日本市場進出について話し合ってきた。今回、日本市場でのパートナーとして日商エレクトロニクスの名前を出せることを心からうれしく思う」と語っており、長年の信頼関係をベースに日本市場でのシェア拡大を目指すとしている。

Alkira カーンCTO

 Alkiraの提供するオファリングの数はまだそれほど多くないが、グローバルに展開するCXPをコアにしたネットワーキングサービスは、複雑化するクラウドネットワークをできるだけシンプルかつセキュアに利用したいユーザーにとってさまざまなユースケースが考えられる。たとえばサードパーティが提供するSaaSアプリケーションやDMZ、あるいはより細かいサービスとしてロードバランサーやDPIなどもCSX経由でエンドツーエンドに提供することが可能だ。カーンCTOは「今後、サードパーティベンダとも協力しながら、Alkiraのネットワーククラウドとさまざまなサービスを統合し、ユーザがどこにいてもネットワークの機能をas-a-Serviceとして受け取れる環境を整備していきたい」と語っており、今後のサービス拡張が期待される。

「これからのネットワークはas-a-Serviceが当たり前になる」と言い切るカーンCEO。必要なネットワークサービスをオンデマンドで利用するアプローチが日本でも少しずつ認知されはじめているようだ。

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