少年たちが心をうばわれた戦うデジタルペット
これがデジモンの原点! 日本中の少年が夢中になった「デジタルモンスター Ver.1」を久しぶりに遊んでみた
2020年12月31日 15時00分更新
16ドットの職人技で描かれたデジモンたち
液晶玩具としてのデジタルモンスターを語るうえで欠かせないのが、ドットで描かれたデジモンたちでしょう。
デジモンはたまごっち同様、最大「16×16」のマスで打たれた、いわゆる「16ドット」が使われています。ドットとしての細かさはファミコン並、色も白黒のみで、当時としても表現力に乏しいはずなのですが、ドックのなかを所狭しと動き回る姿はイキイキしていて、「電子ペット」としての疑似生命が感じられます。
そして、わずか16ドットでデジモンのデザインを再現している点も驚きです。幼年期のデジモンであれば単純なドットでも再現できるとは思いますが、成長期、成熟期、完全体と進化していくうちにデザインがどんどん複雑化していくにもかかわらず、それに対応したドットデザインは、まさに職人技。もちろん、デザインのすべてを表現できているわけではありませんが、16ドット化による「デザインのデフォルメ」テクニックは目を見張るものがあります。また、立ち絵ドットの完成度はもちろん、モーションの多彩さもデジモンのドットが優れている点です。
トレーニングやバトルといった要素をもつデジモンは、攻撃に用いる8×8の「技ドット」が設定されているのも特徴ですね。デジモンにはそれぞれ「必殺技」があり、それに応じた技ドットが設定されています。
そのほか、喜んだときや怒ったときの表情変化もわかりやすく、見てて飽きさせない工夫が凝らしてあります。
デジモンに愛着が湧いたり、死ぬと悲しくなったりするのは、こうした繊細なドットが彼らに電子ペットとしての疑似生命を与えたからなんでしょう。
2021年のデジモンはカラー液晶のウェアラブル端末
デジタルモンスターはその後「Ver.5」までが発売され、以降は「デジモンペンデュラム」シリーズや「デジモンアクセル」、「デジモンツイン」など育成ギアとしての後継機や、「デジヴァイス」や「D-3」といったテレビアニメシリーズに則した携帯機も登場しました。
デジモンファンとしては、初代デジタルモンスターの復刻版となる「デジタルモンスター Ver.20th」が2017年に、デジモンペンデュラムの復刻版「デジモンペンデュラムver.20th」が2018年に発売されたのは記憶に新しいでしょう。
さらに、2019年には「デジタルモンスターX」シリーズも発売。初代の発売から20年以上が経過したいまでも、デジモンは進化を続けて我々の前に登場してくれていました。
そして12月初頭。バンダイはデジモンの新デバイス「バイタルブレス デジタルモンスター」を、2021年3月13日に発売すると発表したのです。やったぜ!
今度のデバイスはウェアラブル型。なんと、心拍数や歩数といった活動データでデジモンを育成・進化させられるのだそう。本体には心拍数計機能や歩数計機能を内蔵しており、歩く・走るなどユーザーの活動状況に合わせてデジモンの状態が変化し、活動量によって育成・進化分岐も変化。デジタマから孵化したデジモンを、毎日の活動にくわえてエクササイズを中心としたさまざまなミッションの達成により育成できるという、現実のユーザーとデバイス内のデジモンがリンクしたようなワクワクが止まらない仕様になっているのです。
もちろんバトルも可能で、NFC搭載スマホやICカードリーダーなどにをタッチすると自動でバトルが始まるオートバトルや、アプリを通じて全国のユーザーとバトルできる機能も備えます。ICカードリーダーは、駅の自動改札機や電子決済機など、いまや生活するうえで触れない機会はほとんどないものですから、まさに生活しながら自分のパートナーデジモンを育てられるというわけですね。
バイタルブレスで育成できるデジモンとしては、本シリーズからの新デジモン「パルスモン」などが公開されていますが、育成できるデジモンの種類を変更・拡張できる連動アイテム「Dimカード」も発売されるため、これまでのシリーズで登場したあのデジモンたちを育てられるのでは……?なんて期待も膨らんでしまいます。
初代が発売された1997年当時よりも、「デジタル」がずっと身近になった現代。果たしてバイタルブレス デジタルモンスターは、われわれデジモンファンにどんな感動と、無限大な夢をもたらしてくれるのでしょうか? 発売が今から楽しみです。
なお、バイタルブレス デジタルモンスターは12月18日から予約受付を開始しています。デジモンファンなら、もうチェックしましたよね?
ちなみに、筆者はすでに予約済です。
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