少年たちが心をうばわれた戦うデジタルペット
これがデジモンの原点! 日本中の少年が夢中になった「デジタルモンスター Ver.1」を久しぶりに遊んでみた
2020年12月31日 15時00分更新
デジモンを実際に育ててみよう
さて、外観の説明はこれくらいにして、さっそくデジモンを育ててみましょう。
近所のスーパーで買ってきたLR44をセットして、電池ボックスに挟まれている絶縁シートを抜くと、甲高い電子音とともにデジモンのタマゴ「デジタマ」が液晶画面に出現します。
さあ、いよいよデジモンが生まれるぞ……と、このまま待っていても永遠にデジモンは生まれません。本体の「時計あわせ」を済ませないと、本体時計が時間をカウントし始めないからです。
ボタン操作で時間を設定し終えてから、約5分後。再び電子音が鳴り響き、デジタマをの殻を破って、デジモンが誕生しました!
さて、ここからいよいよデジモンの育成がはじまります。
デジモンは時間が経つとおなかが空いたり筋力が衰えたりするので、呼び出しに応じて世話をする必要があります。それらのパラメータが低下するサイクルも種族や世代ごとに異なり、たとえば生まれたばかりのときは約3分ごとに低下していきますが、進化を重ねるとサイクルは伸びていき、安定した育成が可能になります。
プレイヤーは、パラメータを確認したうえで適切なコマンドを実行し、デジモンを育成していくことになります。
各コマンドは、画面の上下に配置されている計7つの育成アイコンを選択して実行します。アイコンの種類は以下のとおり。
上段:左から、デジモンのパラメータを確認できる「ステータス」、エサやプロテインを与える「食事」、筋力を維持するミニゲームができる「トレーニング」、通信対戦ができる「バトル」
下段:左から、ウンチを処理する「トイレ」、電気のオン・オフをする「電気」、バトル後にケガをした場合の「治療」
アイコンは、Aボタンを押してカーソルを合わせることで選択できます。なお、下段右下のアイコンはデジモンからの呼び出し時に点灯するもので、コマンドに含まれず、選択もできません。
ちなみに、デジタマから生まれたばかりのデジモンは「幼年期Ⅰ」と呼ばれる世代に属します。そこから「幼年期Ⅱ」→「成長期」→「成熟期」→「完全体」と、進化のたびに世代が上がっていきます。
幼年期Ⅰ
幼年期Ⅱ
成長期
成熟期
幼年期Ⅰから幼年期Ⅱまでの進化はチュートリアルを兼ねた一本道となっており、それぞれ1体のデジモンしか存在しません。幼年期のうちは外見はさほど変わりませんが、成長期と成熟期への進化は育て方によって分岐し、見た目も大きく変わります。
完全体
成長期は2種、成熟期は8種のデジモンが存在し、適当に育てても生きてさえいればなんらかの成熟期には進化しますが、「完全体」への進化には特定の条件をこなす必要があります。
さてさて、筆者の「ボタモン」(幼年期Ⅰ)も、約1時間ほどで「コロモン」(幼年期Ⅱ)へと進化。上記のとおり、まだまだ赤ちゃんではあるので、エサをあげたりトレーニングをしたり、ウンチを流したり、寝たら電気を消してあげたりと、つきっきりでお世話をします。
そうして、約2日後。ついに成長期の「アグモン」へと進化しました。アニメやゲームなどでもお馴染みのデジモンですね。
成長期に進化すると、ついにバトルが解禁されます。バトルといっても戦略性などはなく、「2基のドックを接続する」→「双方の攻撃を見守る」→「どちらかが勝つ」というだけのもの。バトルの強さはデジモンの種族によって異なるほか、トレーニングでいくらか上昇させられるとはいえほとんど運ゲーなわけですが、シンプルかつ勝負が最後まで分からない魅力があります。
そして、バトルの勝率は成熟期、そして完全体への進化に深くかかわる要素なのです。
※なお、筆者はデジタルモンスターをひとつしか購入できなかったので、残念ながら本稿ではバトルの詳しい紹介ができないことを明記しておきます。悔しい。
このように「強いデジモンを目指して育成し、バトルで勝つ」ことがデジモンの主な目的となります。「今日は一日中やる」とか「好きな時間にやる」のではない、リアルタイムを共有して“生活の一部となる”育成ゲームなのです。
もちろん、しっかり育成しないと途中で死んでしまったり、弱いデジモンに進化してしまいます。同じコミュニティー内で流行しているコンテンツで、いかに友人たちの上を行くかに心血を注ぐ小学生たちは、自身のパートナーたるデジモンをコツコツと育成することで、疑似的に「命の大切さ」を学んだわけです。
ちなみに、メインターゲットである小学生たちが「時間が連動してしまうデジモンを学校に行っている間にどうするか」という問題ですが、大体は「学校にコッソリ持っていく」「家族に世話をしておいてもらう」「時計を止める、あるいはずらして寝かせておく」という手段をとっていました。
筆者は学校に持って行ったデジモンを先生に没収されてからは、時計止めを活用していました。懐かしい思い出です。