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石川温のPCスマホニュース解説 第98回

来年のスマホは5Gの速度とカメラの進化に注目 クアルコム「Snapdragon 888」

2020年12月09日 09時00分更新

文● 石川温 編集● ASCII

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●Snapdragon 765後継は来年早めか

 Snapdragon 888により、まだまだハイエンドスマホは進化していきそうだが、一方でメーカーが主力として位置づけているのは、Snapdragon 700番台シリーズや600番台シリーズだろう。

 特に今年は各社ともSnapdragon 765を採用したところが多く、コストパフォーマンスのいい5Gスマホとして人気が出ていた。Snapdragon 865では10万円を超えるモデルも珍しくないが、Snapdragon 765であれば6〜7万円という値付けになる。「なんとか手の届く5Gスマホ」を作る上ではSnapdragon 765が欠かせないわけだ。

 今回のイベントでSnapdragon 765の後継モデルについては一切発表がなかった。しかし、クアルコムではハイエンドである800番台シリーズで培った技術などを700番台や600番台に落とし込み、価格を下げるという戦略を展開しており、これからも同様の流れになるとしている。

 おそらく来年の早い段階でSnapdragon 765の後継モデル(個人的な予想としてはSnapdragon 777)が発表され、各メーカーで採用されていくのではないか。

 例年の流れでいえば、12月のSnapdragon Tech Summitで新しいSnapdragonが発表され、それらを搭載した新製品が翌年2月のバルセロナ MWCというイベントで、各メーカーがお披露目する感じであった。しかし、世界的なコロナの大流行により、来年2月のMWCはすでに、2021年6月に延期が決まっている。

 各メーカーとも来年前半はリアルでの発表はせず、オンラインでの新製品発表が続く。そのため2月発表にこだわることなく、各メーカーとも好きなタイミングでオンライン発表会を開催することだろう。

 いずれにしても、世界的な5Gが盛り上がりを見せているだけに、各メーカーともハイエンドからミドルクラスに至るまで、すべて5G対応のスマホが続々と発表されるはずだ。いまから、どんなスマホが登場するのか、楽しみに待ってみたい。

   

筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)など、著書多数。

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