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「無料」のVPNは使っても大丈夫なの?

2020年12月11日 09時00分更新

文● せきゅラボ編集部

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外出先のWi-Fi利用にはリスクがともなう

 今年は、大きく仕事のあり方が変わる年になった。在宅での業務が本格化した一方で、もともと、東京は世界的なスポーツイベントを控えていただけあり、駅やカフェなどで無料Wi-Fiスポットの整備が進んでいる。

 もともと、働き方改革の推進に伴い、多種多様なワークスタイルが普及しつつあった日本。感染対策が進めば、社外での仕事や、喫茶店などでの作業時に、無料Wi-Fiスポットを今以上に利用することも考えられる。

 しかし、そのような環境ではサイバー犯罪のリスクも考えなくてはいけない。保護されていないWi-Fiスポットは、クレジットカード情報などを含む個人情報を盗み取るため、意図的にセキュリティをかけずに解放されている可能性がある。

 それらのWi-Fiスポットを利用して、ECサイトで決済をしたり、オンラインバンキングを使ったりした結果、個人情報が盗まれ、大きな被害を受けることもある。

 暗号化キーが店内などに掲示されているケースも、安全ではない。悪意のある人間が、特殊なツールを使って、同じ暗号化キーを使っているユーザーのWi-Fiを盗聴するようなおそれもある。

 そこで、不正アクセスの不安なくフリーのWi-Fiを使うための選択肢として、VPNが挙げられる。

 VPNは「Virtual Private Network」(仮想プライベートネットワーク)の略称。データを暗号化して、安全な通信ルートを確保する技術だ。デバイスとアクセスポイントの間の通信を暗号化するので、傍受されたとしても、サイバー犯罪者は解読できなくなる。

無料のVPNは危険な場合も

 VPNはビジネスシーンで先に普及したが、最近は個人ユーザーがフリーのWi-Fiに接続する際に利用できるサービスとして注目されている。

 自宅では、VPNサーバー機能の付いたWi-Fiルーターを設置し、設定することでVPN通信が利用できる。一方、外出時にVPNを利用するためには、スマートフォンやPCのVPN接続機能を利用することが可能だ。最近は、個人向けのVPNアプリの種類も増えている。

 しかし、VPNが無料ということは、ユーザーから直接収益を上げていないことになる。そのため、多くのアプリは広告を通じて間接的に収益を上げている。これは、ユーザーが広告を見せられるというだけでなく、通信を追跡されたり、マルウェアにさらされたりする可能性があるということも意味する。

 現に、一部の無料VPNツールには、デバイスの情報を危険にさらす可能性のあるマルウェアのみならず、ユーザーのデバイスからデータを盗むものさえ含まれているという報告もある。リスクを防ぐためのVPNで自分のデバイスを危険にさらしては本末転倒だ。

 無料アプリのすべてが危険ではないが、なるべく有料版のアプリを選ぶことで、安定した機能が期待できる。たとえば、マカフィーではVPNサービス「McAfee Safe Connect」を提供しており、このようなサービスを利用するのも、セキュリティの観点から有効だ。

 今回は、McAfee Blogの「無料VPNの代償と有償VPNの4つのメリット」を紹介しよう。(せきゅラボ)

※以下はMcAfee Blogからの転載となります。

無料VPNの代償と有償VPNの4つのメリット:McAfee Blog

 私たちは、今年は特に、仕事、教育、娯楽などで、多くのオンラインコンテンツを消費しています。世界中の誰もが家で安全に過ごす時間が増えている今、会議や授業などオンラインで行なう必要のあることと、映画のストリーミングなどの楽しいアクティビティーのバランスを取ろうとしていると思います。

 しかし、セキュリティーの専門家として私が本当に懸念しているのは、このすべてのデジタルコンテンツにどのように接続しているかです。今年はこれまでにVPN(仮想プライベートネットワーク)のダウンロードが急増しており、ユーザーがオンラインプライバシーを懸念していることを示しています。これはとても良いことです。

 ご存知かもしれませんが、パーソナルVPNは、インターネット上で安全なトンネルを確立できるソフトウェアであり、プライバシーとIPベースの追跡からの解放の両方を提供します。トンネルを流れるデータを暗号化またはスクランブルすることでIDと財務情報を保護し、実際の場所をマスクして、接続している情報がわからないようにすることができます。

 ただし、無料、有料、「フリーミアム」(顧客がより包括的な有料バージョンに投資することを期待して、無料で試用版として提供される限定製品)までの無数のVPNオプションがあるため、混乱を招き、一部のユーザーを無防備なままにさせています。マカフィーでは、さまざまな企業や教育機関に対する標的型攻撃を含む、ますます多くのネットワーク攻撃を確認しているため、無防備なまま保護されていないユーザーが居ることはとても残念に思います。

 これらの脅威は、機密情報を安全に保つために最善を尽くす必要があることを意味します。そこでこの記事では、混乱を少しでも減らすために、無料VPNとプレミアム(有償の)VPNの違いをお伝えしたいと思います。

 VPNは、McAfeeトータルプロテクションのように、より堅牢なセキュリティーソフトウェアに含まれている場合もありますが、多くの場合、月額サブスクリプションや、無料のいずれかで提供される単独のツールとして提供されています。無料のオプションを選びたくなるかもしれませんが、心に留めておくべきいくつかの深刻な考慮すべき点があります。

無料のVPNにはリスクの懸念が

 無料のVPNはユーザーから直接収益を上げていないため、多くのVPNは広告を通じて間接的に収益を上げています。これは、ユーザーが広告に攻撃されるだけでなく、追跡や潜在的にマルウェアにさらされることを意味します。実際、283の無料VPNプロバイダーに関するある調査では、72%にトラッカーが含まれていることがわかりました。広告主が広告をより適切にターゲティングするためにあなたの個人データを収集することに依存していることを考えると、これはそれほど驚くべきことではありません。

 しかし、広告、速度低下、アップグレードプロンプトのフラストレーションに加え、一部の無料VPNツールには、機密情報を危険にさらす可能性のあるマルウェアが含まれているという事実があります。同じ調査によると、Google Playストアの無料VPNアプリケーション38%にキーロガーなどのマルウェアが含まれていることが判明し、ユーザーのデバイスからデータを盗むものさえありました。

 また、これらの無料プロバイダーがデータをどのように処理するかも懸念されます。ある懸念すべきインシデントとして、あるVPNプロバイダーが、パスワードやID情報など、何千ものユーザーログとAPIアクセスレコードをウェブ上で匿名情報として公開した事例もあるのです。

支払う価値のあるプライバシー保護

 VPNは、プライバシーを強化するための重要なツールであり、新しいリスクへの扉を開く可能性のある手段であってはなりません。そのため、私は常にユーザーに次の機能を備えた有料VPNを探すようにアドバイスしています。

有料VPNの利点

無制限の帯域幅:オンラインでどれだけの時間を費やしても、ネットワーク接続を安全に保つ必要があります。

1. スピーディーなパフォーマンス:物事を成し遂げようとしているときに、インターネット接続が遅くなることがどれほど苛立たしいことかは誰もが知っています。生産性、教育、娯楽のいずれで接続する場合でも、私たちはすべて帯域幅に依存しています。そのため、接続の品質を犠牲にすることなく、プライバシーを強化する高速VPNを選択することが重要です。

2. 複数のデバイスの保護:最近、私たちの多くはモバイルデバイス、ラップトップ、およびコンピューターを切り替えているため、すべてが安全に接続できるはずです。

3. バッテリー消費:一部の無料のモバイルVPNはバッテリーの寿命を縮め、ユーザーが保護されたままになる可能性を低くします。バッテリーの寿命とプライバシーの保護のどちらかを選択する必要はありません。

4. 利便性:最近別の記事でお伝えしたように、テクノロジーが実際に機能するには、便利でなければなりません。結局のところ、これらのテクノロジーは、障害となるのではなく、接続された生活に力を与えるはずです。

 幸い、高レベルのプライバシーと保護を提供できるVPNのために、利便性を犠牲にしたり、高額を支払ったりする必要はありません。McAfeeトータルプロテクションのような包括的なセキュリティースイートには、自動更新機能を備えたMcAfee SafeConnectには、スタンドアロンVPNが含まれており、接続の心配がないため、自分と家族にとって重要なことに集中し、一緒に充実した時間を楽しむことができます。

最新情報を入手

 日々のニュースからの情報収集は重要です。またデジタルの安全性を維持するための情報やマカフィー製品に関する最新情報、および最新の消費者向けおよびモバイルセキュリティーの脅威に関する最新情報を入手するには、Twitterで@McAfee_Home(US)または@McAfee_JP_Secをフォローし、ポッドキャストHackableをお聞きください。

※本ページの内容は2020年11月19日(US時間)更新の以下のMcAfee Blogの内容に一部補足しています。
原文:Free VPNs May Still Come with a Price
著者:Baker Nanduru

※本記事はアスキーとマカフィーのコラボレーションサイト「せきゅラボ」への掲載用に過去のMcAfee Blogの人気エントリーを編集して紹介する記事です。

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