肌色の違うユーザーが納得できるポートレートが撮れるように
グーグルが力を入れるPixelスマホの価値を変えた「プロダクトインクルージョン」とは?
2020年10月09日 09時00分更新
一人歩きを始めたプロダクトインクルージョンの概念は、グーグルの外にも広がりつつある
バプティステ氏は、「Building for Everyone with Everyone/みんなによる、みんなのためのものづくり」を実現しようとする時に、いつも「Who else/ほかにも誰かが取り残されていないか」を意識することがプロダクトインクルージョンの基本姿勢なのだと説いている。あとはチーム全体で密接なコミュニケーションを交わすことで、結果として理想とする製品やサービスの原型が表れてくるという。
グーグルではAndroidを採用する端末メーカーなど、外部のパートナーにもプロダクトインクルージョンの考え方を共有することにも力を入れて取り組み始めている。そして今後も一段と注力したいとバプティステ氏は意気込む。チームの経験値として得てきたノウハウをオープンソース化するために、グーグルはこの夏にバプティステ氏の著書として「Building For Everyone」を出版した。
本書は残念ながらまだ日本語訳が出版されていないが、バプティステ氏は自著の中でグーグルの製品に活かされているプロダクトインクルージョンのアプローチについて、あるいはファッション界、医学界、テクノロジー業界でのケーススタディと成果について詳しく述べているそうだ。原語でならば電子版もオンラインで入手できるので、興味のある方はぜひ読んでみてほしい。
「今後は一般の方に向けて、ショートビデオを通じてプロダクトインクルージョンのABCを伝えていきたい」とバプティステ氏は目を輝かせる。社内のYouTubeチームと一緒に、YouTubeのクリエイターに向けた啓蒙活動も始めているという。これからその成果はグーグルの製品やサービス、そして技術にどんな価値をもたらすのだろうか。とても楽しみだ。
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Building For Everyone: Expand Your Market With Design Practices From Google's Product Inclusion TeamJean-Baptiste, AnnieWiley