第58回
ゲーム独自のオリジナルストーリーと、5v5のチーム対戦が楽しめる
VR対応の「STAR WARS:スコードロン」はFPS視点で映画さながらのドッグファイトを体験できるフライトシミュレーターだ!
戦略性を高めるシステムの数々
新共和国軍・帝国軍両陣営のスター・ファイターには、ウェポン・シールド・エンジンいずれか1つのスキルにパワーを注力し、性能強化を図るシステムが搭載されている。攻撃力を上げたい場合はウェポンに、防御力を上げたい場合はシールドに、速度を上げたい場合はスピードに切り替えられる。もちろん全パワーを均一にすることも可能だ。ただし、1つにパワーを注力すれば、ほか2つの性能は低下してしまうため、戦況に応じて切り替えるタイミングが求められる。
また注力した1つの性能を底上げする補助的なスキルを発動でき、不利な状況を打破する際に役立つはずだ。こちらも使うタイミングをうまく見極める必要がある。
機体を守るシールドの利便性についても触れておきたい。シールドは機体全体を保護するだけでなく、前方にのみシールドで保護する、後方のみシールドで保護するといった風に、シールドで保護する部位を瞬時に切り替えられる。前方から放たれる敵の攻撃を防ぎたいときは前方にシールドを張り、後方からの攻撃を防ぎたいときは後方にシールドを張るという使い方ができるのだ。
戦う、逃げる、守るの3拍子がそろったこれらの機能は、本作の面白さを引き立てる魅力のひとつとなっている。戦略的思考をフル稼働させ、シンプルながらも奥深い印象を与えてくれる。機体の性能やパワーバランスを意識しながら、戦略を練って勝利へと導く面白さが秘められていると感じた。さらにマルチプレイで仲間と協力して戦う際の連携を発揮させるきっかけにもなるだろう。
STAR WARSの世界観をベースにした2つのゲームモード
本作には、映画「スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還」のその後を描いたシングルプレイと、5v5のチーム戦が可能なマルチプレイが用意されている。
前者は新共和国軍(旧反乱軍)か帝国軍のパイロットに扮し、オリジナルストーリーと戦いを体験できる。ネタバレになるのでストーリーの詳細については控えるが、映画で描かれなかったストーリーを1人称視点で追体験するという面白さがあった。また両陣営の機体を把握する、操作やシステムを覚えるといったチュートリアルも兼ねているので、練習にもってこいともいえる。
本作のマルチプレイは基本的に5v5のチーム戦が主軸となっており、敵機撃墜を目的とした「ドッグファイト」と、大規模な艦隊戦に参加できる「フリートバトル」のゲームモードをプレイできる。ドッグファイトはシンプルなルールで、一定数の敵機を倒したチームが勝利というもの。ほかのマルチタイトルにも導入されている「チームデスマッチ」のようなイメージだ。ひたすら敵機を倒すだけなのでわかりやすいうえに、交戦する面白さをストレートに味わえるのが魅力となっている。
フリートバトルは、5人中隊を組んで敵旗艦の撃墜を目指す大規模戦だ。おおまかなイメージを挙げると拠点破壊を目的とした「MOBA」に近い。敵旗艦の撃墜を目指しつつ、味方旗艦が撃墜されないよう防衛するといった戦略的な動きが求められる。
敵旗艦にたどり着くには、敵戦闘機と敵護衛艦を突破しなければならない。防衛の要となる2隻の敵護衛艦を撃墜することで敵旗艦に接近および攻撃ができるようになる。敵護衛艦を撃墜すれば戦況が有利になる一方、味方護衛艦が撃墜されたら不利になってしまう。敵陣がじりじりと攻め入ってくる怖さと、敵の裏をかいて形成逆転を狙う面白さを兼ね備えている。そのため、チームメンバーとの連携が勝敗を左右するといってもいい。
もう1つの秘訣は、機体のカスタマイズだ。攻撃重視の機体やスピード重視の機体、サポート重視の機体などをチョイスすることもそうだが、戦況やチームの機体に応じて装備を変更する必要もある。どの機体で、かつどの装備なら勝利をもぎ取れるのか。またどういう立ち回りなら敵チームを翻弄できるのか。戦略的思考を刺激するようなゲーム性が魅力に思えた。
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