日本AMDは10月2日、沖縄科学技術大学院大学(以下、OIST)が、新しい高性能コンピューティング・システムに、「AMD EPYC 7702」プロセッサーを採用したと発表した。
OISTのScientific Computing & Data Analysis Section(SCDA)では、バイオ・インフォマティクス、計算神経科学、物理学にいたる計算集約的な研究のために、新しいスーパー・コンピューターを実装する計画を立てているという。AMD EPYC 7702は、OISTが大学の科学研究に使用を予定している2.36ペタフロップスの計算能力をサポートするとのこと。
AMD EPYC 7702を選択した主な理由としては、優れたコストパフォーマンス、より多くのメモリー/PCIe帯域幅、サーバーあたりのコア数の増加などがあるとしている。OISTは大学の研究者のために、またほかの成長する計算機ニーズのために、EPYCプロセッサーのさらなる採用も検討しているとのこと。
AMD EPYC 7702の仕様は以下のとおり。
AMD EPYC 7702の仕様 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
製品モデル | CPU コア | スレッド | 最大周波数(GHz) | TDP(W) | 最大DDR 周波数(1DPC) | L3 キャッシュ(MB) | PCIe Gen 4レーン |
AMD EPYC 7702 | 64 | 128 | 3.35 | 200W | 3200 | 256 MB | 128 |
OISTの科学計算およびデータ解析のセクションリーダーであるタユフェール・エディ博士は「2020年度は、OISTの成長におけるマイルストーンとなりました。新しい研究棟が完成して新しい研究テーマを導入したユニットが発足しました。今年度の特徴のひとつとして、主に科学計算を行なっている研究が大幅に増加しました。計算システムがすべてのユーザー間で共有される共通のリソースモデルでは、ユーザーあたりのコア数の制限が設定されてしまいます。2018年度頃ユーザー数が2倍に増えたため、従来のシステムがフル稼働で継続的に使用されることで、競合が生まれてしまい、OISTの研究コンピューティングに影響を与えていました。新しいシステムに必要なのは、競合の吸収とOISTの大幅な成長に対応できるコア数を多大に搭載していることでした」と述べた。