このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

オンラインで3週間に渡って開催されたAWS Summit Onlineの基調講演

「今こそ学び、作るとき」 AWSボーガスCTOがビルダーに向けてメッセージ

2020年10月01日 09時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

コロナ禍でAWSと社会課題の解決に挑んだビルダーたち

 すべての人がクラウドを介してアプリケーションやデータにアクセスする世界。ボーガス氏は、コロナ禍での社会課題の解決を目指す複数のサービスの事例を用いて、その世界観について説明した。

 スウェーデンのスタートアップであるKRYが提供する「CareConnect」は医療関係者向けに無償提供されているオンライン診療サービス。AWSのCloudFrontを用いることで、患者と医師との低遅延なやりとりを実現しているほか、コンテナのオーケストレーションを自動化するAWS Fargateとスケール可能なデータベースであるAmazon Auroraを用いることで、急増するユーザーにいち早く対応できたという。KRYのチームがこのシステムの構築に要した時間はたったの1.5週間で、今では10の言語にも対応しているという。スケール可能で、性能と信頼性の高いシステムを迅速に立ち上げた好例と言える。

 また、Nextdoorは近隣のコミュニティ形成を実現するローカルSNSだ。ハイパーコネクテッドと呼ばれる世界の中で、多くの人々は近隣との付き合いを失っており、2010年の調査では米国の28%が近隣に住んでいる人の名前を知らないとレポートされているという。世界11カ国で利用されているNextdoorでは、近隣の住民や行政がローカルSNSでつながることで、近所の人同士が読書会を開いたり、壊れた窓を修理したり、災害時の緊急サービスとして利用されている。

 そして今回のコロナ禍において、Nextdoorのトラフィックが急増し、アクティブユーザーは1日80%も増加したという。しかし、NextdoorがAWSによってインフラを瞬時にスケールさせ、投稿も増え、新機能の追加も迅速に行なえた。最近では、ぬいぐるみのテディベアを家の窓際に置き、学校や公園に行けない子供たちに宝探し気分で探してもらう「テディベアハント」という取り組みも拡げている。

テディベアハントを展開

 イタリアでは食料の買い出しが困難な状況に対して、ミラノ工科大学の学生たちが非営利アプリ「Filadiana」を立ち上げた。Filadianaは混雑したスーパーへの買い出しをクラウドソーシングで行なうというアイデアで、AWS未経験の学生たちはWell-Archited FrameworkとLambdaを学び、初期バージョンをわずか30時間で立ち上げた。ユーザー数は1週間で一気に100万を突破したが、サーバーレスアーキテクチャを採用することでインフラもスケールでき、コストも最適できたという。

 また、SkyLabとSirqulはたった24時間で「DoYouPart」をローンチした。これは手洗いやマスク着用、ソーシャルディスタンスなどのウイルス抑制に寄与する行動に対して報酬を提供するサービス。教育とウイルス抑制に活用されており、110カ国で10万のユーザーを使われている。

 こうした社会課題の解決に資するスタートアップや企業の活躍についてはAWS独自番組である「Now Go Build」で紹介されており、ボーガス氏も世界各地に取材で飛び回っている。日本でもZ-Works、ピクシーダストテクノロジーズ、MICINなどが機械学習を活用して高齢化社会を支えるスタートアップとして紹介された。ボーガス氏は、「こうした事例を見るたび、私にとっても刺激となる。これらはすべてお客さまが成し遂げたこと。先の見えない状況でコミュニティを変革し、力づけてくれる無数の企業の仕事に触れると、感謝の気持ちでいっぱいになる」と述べ、無数の起業家たちを今後も応援していくとアピールした。

ボーガス氏が世界各国を取材に飛び回る「Now Go Build」

 その後、AWS Summitの楽しみ方について説明したボーガス氏は、「デジタル化が進み、急速に変化する世界においてはビルダーたちの力、活気に満ち、公平で公正な世界を想像するビルダーたちの力が頼り。将来は明るい。これから登場するテクノロジーは驚くような方法で世界をよりよく変えていくだろう」と語り、「GO LEARN GO BUILD」を掲げて登壇を終えた。

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ