スリム&軽量&大画面ながら専有面積が小さめ!幅広い利用シーンを1台でカバーするモデル
i7と1650Ti、120Hzパネル搭載で実売12万5000円の高コスパ!厚さ約2cm重量2kg以下の持ち運びも余裕なMSIゲーミングPC
1台ですべてをまかないたいニーズもある。たとえば、「そこまで大きな予算はかけられないけれどゲームもできるメインノート」をお探しならMSIの「GF63 Thin」はいかがだろうか。10万円台前半の予算、GeForce GTX 1650 Tiを搭載したライトタイトル中心に楽しめるゲーミングノートPCだ。そして2cm少々の厚み、2kgを切る軽さ、スタイリッシュな外観も特徴だ。
GF63 ThinはゲーミングノートPCであって、モバイルをウリにしているわけではない。しかし、スリムで軽量という点をまず見ていきたい。机の上での存在感や収納のしやすさ、デザイン性という点で評価ポイントになるだろう。そこで最初にGF63 Thin(GF63-9SCSR-488JP)をモバイル視点から紹介しておきたい。
GF63 Thinは、Thinの名のとおりゲーミングノートPCとしては薄型のボディを採用した15.6型ノートPCだ。厚みは21.7mm(突起含まず)で実際に設置しても23〜25mm程度。ここは10万円台前半のモデルで探すとかなりがんばった薄さと言える。ノートPCにおいて薄さというのも付加価値のひとつだ。薄ければ薄いほど、高性能で薄いほど設計難易度が高く価格も高くなる。GF63 Thin(GF63-9SCSR-488JP)の薄さは、実売価格の12万5000円で比較するとライバルはほとんどいない。
重量は約1.86kg。ノートPCの重量では2kgがひとつの境界となる。もちろんグラフィックス機能をCPU内蔵機能に任せるモバイルノートPCなら1kg前半の軽量なものもある。一方、グラフィックス機能をより追求していくと、それを冷やすための構造によって重量が増していく。ハイエンドゲーミングノートPCなら3kg級もよく見かける。ちなみに、GeForce GTX 1650 Tiを搭載して2kgを下回る軽さを実現した製品もほとんどいない。クラストップの軽量ノートPCと言える。
そして机の上ではサイズ感も重要だ。GF63 Thinは359×254×21.7(W×D×H)mm。ポイントは横幅が40cm以下である点。GF63 Thinは左右ベゼルの幅を狭めた狭額縁液晶パネルを採用しており、従来の15.6型ノートPCよりもひと回り小さめだ。薄さに加えてこの横幅なので、屋内での持ち運びはしやすい。当然、机の上でも専有スペースが小さくてすむので、いろいろなところに置きやすいと言える。
バッテリーは51wHr、4,500mAhといったスペックだ。もちろんゲームが主体の製品なので、性能を引き出すためにはACアダプタが必要だ。ただし、モバイルでのゲーム性能を引き出すのが搭載されているMax-Qテクノロジー。これが付かないGPUと比べると、電力あたりの性能を高める調整がなされている。また、ゲームをしない時、GPUを利用しない時にはCPUに内蔵されたGPU機能にスイッチして電力をセーブするOptimusテクノロジーにも対応している。最長で7時間。実際にはもう少し短いものの、国内出張で新幹線に乗るといった程度の時間はカバーできそうだ。
120Hz液晶パネルや有線LANなどゲームに必須のスペック
ディスプレイは15.6型のフルHD表示。サイズと解像度に関してはノートPC全体で見てもスタンダードだ。そしてリフレッシュレートはGF63-9SCSR-488JPモデルが120Hz、そのほか一部のモデルでは一般的なディスプレイと同じ60Hz仕様になる。120Hzという高いリフレッシュレートは、ゲームでその真価を発揮する。
リフレッシュレートは1秒間に画面を何回書き換えるのかを意味している。120Hzなら120回/秒だ。実際にはGPUが1秒間に何フレーム描き出すことができるかという点にかかってくるが、例えば軽量なゲームで120fps以上が出せる設定でV-Sync(リフレッシュレートのフレームレートの同期)をONにすれば、1秒間に120Hz&120fpsとなる。簡単に言えば60Hzの2倍スムーズな映像が楽しめるわけだ。そして肝心なのがその中間のフレーム中に退治する敵が射撃体勢に入ったような場合で、60Hzと120Hzではタイミング差が生まれ、そこに気づくことができるできないで勝敗が分かれるわけだ。
また、ゲーム以外でもWindowsの通常の作業画面もスムーズになるので、ウィンドウのドラッグやブラウザのスクロールなど、カクカク、チカチカすることなく滑らかに描き出されるところは目にやさしい。
続いてキーボード。GF63 Thinは10キーレスの日本語キーボードを採用している。ごく一部に一般的なキーボードとは異なるゲーミング向けの配列があるものの、違いはそこまで多くない。ゲーミングノートPCと言えばハデなキーボードバックライトも特徴としているが、GF63 Thinは単色で、赤い光は普通のノートPCと違うことを感じるもののわりと大人しい。もちろんON/OFFは切り換えられるので、気分を高めたい時に使えばよいのではないだろうか。
そしてそのほかの操作系では一般的なノートPCサイズのタッチパッドがある。左右クリックボタンは一体化しており、見た目にもシンプルなものだ。
インターフェースは左右側面、背面の3箇所にある。あまり多くはないが必要なものを取り揃えている。左側面にはUSB 3.2 Gen1×1、右側面にはUSB 3.2 Gen1×2と同Type-C×1、オーディオ入出力、LAN(1GbE)、背面にはHDMIといった具合だ。
少なめとは言え、USB 3.2はType-Aが3、Type-Cが1なのでキーボード/マウスといったゲーミングギアや、HDD/SSD等のUSBストレージ、プリンタなどを必要に応じて着脱すれば十分といったところ。そしてLAN端子を備えているので、有線LANを使って安定したネットワーク接続を実現できる。そしてもちろん無線LANもWi-Fi 5に対応している。
最上位モデルは6コアCPUにGTX 1650 Tiの組み合わせでエントリーゲーマーをカバー
やはりゲーミングノートPCと言えば最重要なのが性能だろう。ここではGF63-9SCSR-488JPの内部スペックを見ていこう。
まずCPU。CPUはモデルによって異なるが、GF63-9SCSR-488JPの場合はCore i7-9750Hを採用している。内部のコア数は6、スレッド数は12で定格クロックが2.6GHz、最大クロックが4.5GHzといったスペックだ。すでに第10世代Coreが登場しているのでひとつ古い世代ではあるが、6コア以上のCPUに関してはCoffee Lakeと呼ぶアーキテクチャで大きな変わりはない。ゲームや普段遣いでのパフォーマンスに関して、Coffee Lake世代であればコア/スレッド数のほうが重要だ。今やスタンダードなノートPCでも4コア8スレッドが一般的になりつつある。ゲームタイトル側でも4コア以上を推奨環境とするものが増えてきた。6コア12スレッド対応CPUはそれらに対して余裕をもって対応できる。
GPUは度々触れてきたがGeForce GTX 1650 Ti with Max-Q。ここもモデルによって異なり、最上位のGF63-9SCSR-488JPはこうした仕様だが、GeForce GTX 1650搭載モデルもある。GeForce GTX 1650 Ti with Max-Qは比較的軽量なタイトルをHD(1280×720ドット)〜フルHD(1920×1080ドット)で楽しむためのGPUだ。画質もおよそ中〜高画質あたりが想定される。CPU内蔵GPUよりははるかに高性能なので、プレイ可能なゲームタイトルが増え、あるいはCPU内蔵GPU機能よりもひとつ上の画質が得られる。いわゆるメインストリームノートPCとゲーミングノートPCとの違いはここだ。
メインメモリはDDR4の16GBだ。下位モデルは8GBのものもある。16GBという容量は最近、スタンダードになりつつあり、ゲームを楽しむ上ではこのくらいがちょうどよい。もちろん、ゲーム以外でもブラウザで多くのタブを開いたり、写真補正や映像編集といったゲーミングノートPCのGPUを活用できるアプリケーションでも8GBモデルより余裕が生まれる。なお、最大で64GBまで対応している。
ストレージはSSDを採用している。それもPCI Express 3.0 x2接続のNVMe対応モデルだ。容量はモデルによって異なり、今回の評価機は512GBだ。一般的な用途においてはある程度余裕のある容量と言える。ライトゲーマーならカバーできるだろう。ただしたくさんのゲームタイトルをインストールしたいという場合には足りなくなるかもしれない。そうした場合、USB外付けHDD/SSDを利用することが一般的だが、GF63 Thinには2.5インチストレージベイが設けられており、ここにSerial ATA接続、7mm厚のHDD/SSDを追加搭載することも可能だ。
このように、GF63-9SCSR-488JPは価格を抑えた構成の中にもライトタイトルのゲームを楽しむうえで十分なスペックが採用されている。また、メモリやストレージに関しては拡張性を持たせているので、数年後に足りなくなった場合は部分的に強化していける。
ベンチマークでチェック。軽量タイトル中心にフレームレートを見てみよう
それではパフォーマンスを確認しておこう。
PC全体としての性能を測るPCMark 10では、Extendedのスコアが5073ポイント。ホーム用途を想定したEssentialsシナリオは9058というスコアでとくに高く、ブラウジングやメディア再生・ビデオチャットといった用途で快適だ。そしてビジネス用途を想定したProductivityシナリオも7630ポイントで高めである。Digital Content Creationに関してはほかのシナリオと比べるとやや低いスコアだがノートPCとして見ればまずまず高め。もちろん写真編集やビデオ編集用途で利用することも可能だ。Gamingはもちろんライトゲーマー向けには十分なスコアだ。
CPU性能を見るCINEBENCH R20はマルチスレッドのCPUスコアが2310、シングルスレッドのCPU(Single Core)が460ポイントだ。マルチスレッドで2000ポイントを超えているのはポイントになるだろう。やはり6コアあるとマルチスレッド性能に不足を感じることが少なくなる。
3D性能を測る3DMarkでは代表的な2つのテストを実施した。Direct 11のFire Strikeは7727ポイント。ライトゲーミングでは十分なスコアだろう。ただし1万ポイントには遠く及ばないので、フルHDでフレームレート不足を感じたらHDに落としたり、あるいは画質オプションを高、中、低へと落としてバランスを調整する必要がある。DirectX 12のTime Spyは3241ポイントで高いスコアとは言えない。ライトなゲームでDirectX 12を利用するものは少ないのであまり気にする必要はないが、DirectXバージョンの指定があるタイトルではDirectX 11を指定しできるだけGPU負荷を軽くするのがよい。
ここからは実ゲームによるテストを見ていこう。
まずは重めのFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク。フルHD、高品質プリセットでのスコアは3624ポイントで評価は「普通」。プレイするにはやや重いだろう。シーンによってはスムーズさにかける印象だ。ひとつ画質設定を引き下げて標準品質とすれば「やや快適」に向上する。または、標準品質でHDとした際には「快適」評価を得られた。
同じFinal Fantasyでも前作のファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークではフルHD、最高品質でも8326ポイント、「非常に快適」評価が得られた。つまり映像が魅力のRPGタイトルでも軽めのものならばフルHDかつ高品質で楽しめる。
対戦ゲームのSTREET FIGHTER V ベンチマーク。FPSキャップを外して60fps以上も計測できる設定で検証したところフルHD、最高プリセットで77.1fpsを記録した。60fpsに対して多少余裕を持ったフレームレートなので、実ゲームでもこの設定のまま楽しめそうだ。
軽量のFPSタイトルでかつeスポーツでも人気が高いTom Clancy's Rainbow Six Siege。フルHDの最高画質プリセットでもおよそ123fps程度が得られてる。フレームレートの変動は大きいが最小でも93fpsなので常時60fps超はキープできる。かなり快適にプレイできると言える。
最近人気の高いVALORANT。フルHD、最高画質設定でおよそ260fpsだ。このくらい軽量なタイトルでは最高画質で本製品の120Hzパネルを十分に活用できる。映像もかなりスムーズだが過剰すぎるフレームレートなのでV-SYNC(垂直同期)をONにして120fpsに固定してしまうのもよいだろう。
最後にWorld of Tanks Encore。こちらも最高画質プリセットで11965ポイント、高いパフォーマンス・レーティングが得られている。
コストパフォーマンスに優れた「汎用」なゲーミングノートPC
GF63 Thin(GF63-9SCSR-488JP)は、ベンチマークが示すとおり軽量タイトル中心にフルHDかつ高画質でのプレイが可能で、やや重めのタイトルでも設定を詰めることでおおむねプレイ可能なフレームレートが得られる、そんなグレードの製品だ。最新重量級タイトルとなると荷が重いものの、実売12万円以下の価格でこれだけの性能が得られる点で、コストパフォーマンスの高さが示されただろう。
そしてスリム、軽量で、大画面ながら専有面積が小さめのボディ。ヘアライン風加工を施されたスタイリッシュなゲーミングノートPCだ。モバイルとして設計された製品ではないが、モバイルすることも十分にできる。こう考えるとビジネスからホーム、ゲーム、デスク上からモバイルと、幅広いシーンを1台でカバーできる製品と言えるのではないだろうか。
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GF63 Thin(10SX-GTX)詳細ページ
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