エバーシステムは9月17日、プラクスとパブリックチェーンを使った医療情報共有システム「プラクス(Pracs)プロジェクト」のシステム構成図を公開した。
エバーシステムはブロックチェーン技術を活用したアプリケーション開発を行なっている。プラクスは近畿大学の学生起業支援プログラムで設立され、医療系アプリケーションを開発している。
両社では、パブリックチェーンを使うことでユーザー(患者)個人の疾患や健康に関する情報をユーザー自身が持てるアプリケーション開発を進めている。第三者に信頼して情報を預けることができるシステムとしてブロックチェーン技術を活用するが、この種のビジネスモデルではセキュリティー/プライバシー/ユーザビリティーを考慮したオンチェーン/オフチェーンの切り分けが重要となる。
プラクスプロジェクトでは、健康データのハッシュ値をブロックチェーンに記述、暗号化方式として公開鍵暗号を使用(オフチェーン)を採用。ブロックチェーンのレシートに健康データのハッシュ値を記録することで、データが改ざんされていないことを担保する。ブロックチェーン自体に健康データを格納しないのは、個人情報保護の観点から健康データの削除の要請に答えるため。また、ブロックチェーンの秘密鍵を使うことは暗号資産用ウォレットを使用するためユーザーに負担を強いることになり、現時点では採用していない。
第3世代ブロックチェーンプラットフォーム「IOST」で開発しており、IOSTトークンをステーク(デポジット/ロック)することにより、トランザクション処理時の手数料が不要になり、ビジネスで応用する場合は大きなメリットになるという。