25%お得に食事して、さらに1000円安くなるポイントももらえる
お得にお食事できて飲食店にもメリット 「Go To Eatキャンペーン」とは?
2020年10月02日 11時00分更新
新型コロナウイルスの影響で飲食店が致命的なダメージを受けている。ぽつぽつと閉店している店があるが、この程度で済んでいたのは国からの大きな支援があったため。すでに影響は出始めており、帝国データバンクによると2020年2月から新型コロナウイルスの影響で倒産した件数は500件となり、業種別では飲食店は最多。しかも、帝国データバンクによると、倒産ではなく廃業して姿を消している事業者も多数いるという。来年以降支援が一段落したら、さらなる倒産ラッシュがおきかねない。
そこで政府は、「Go To Eatキャンペーン」を打ち出した。感染症対策を行っている飲食店に対し、食事券とオンライン飲食予約で支援するというものだ。飲食店が仕入れを再開すれば、食材を提供する農林漁業者も支援できるという目的もある。
筆者は都内で2店舗BARを経営しているので、とてもありがたいキャンペーンで大感謝だ。今回は飲食店側と利用者側の両側面から、「Go To Eatキャンペーン」を解説する。
キャンペーンは食事券とオンライン飲食予約の2軸で展開
キャンペーンは2軸で展開される。食事券とオンライン飲食予約それぞれで767億円ずつの給付金が配布される予定。食事券の場合は、購入額の25%が上乗せされる。たとえば、1万円分購入すれば1万2500円分のプレミアム付食事券がもらえるというわけだ。
食事券は500円と1000円の2種類で、販売単位は都道府県ごとに異なる。また、1回の購入では2万円までという購入制限があり、販売は2021年1月末まで、食事券を使える有効期限は2021年3月末までとなっている。なお、「Go To トラベル」キャンペーンでは東京発着が除外されたが、今回は東京都も含まれる。
オンライン飲食予約では、オンライン飲食予約サイト経由で飲食店に予約、来店した人に対し、次回以降に利用できるポイントを付与してくれる。ランチタイムの利用は1来店で500円分、15時以降のディナータイムでは1000円分のポイントを付与できる。ポイント付与の上限は1回の予約あたり、10人分1万ポイントまでとなる。ポイントの付与は2020年10月1日から2021年1月末までで、利用は3月末までとなる。
一方、参加する飲食店はガイドラインに基づいて感染予防対策に取り組む必要がある。手指消毒用の消毒液を用意し、徹底した換気を行う。客のグループ間隔は最低1メートル開ける必要がある。カラオケボックスや接待を伴うスナックなどは対象になっていないが、元からカラオケがある飲食店の場合、キャンペーン期間中はカラオケは禁止。客側への注意喚起として、マスクの着用、手指消毒、大声を出さない、大量の飲酒をしないといった掲示も行なう。
すでに、食事券とオンライン飲食予約サイトを運用する事業者は決まっており、公募の結果、食事券は33府県35事業体、オンライン飲食予約はぐるなびや食べログ、Rettyなど13事業者が採択されている。
25%の上乗せはメリット ただ、現時点では不明なことも多い
顧客のメリットは明確だ。食事券を使えば25%上乗せは金額的に大きいし、予約は必要だがランチ500円、ディナー1000円分のポイントもありがたい。付与されたポイントは同じオンライン飲食予約サイトの登録店であれば違うお店でも使うことができるので、高級店では食事券、安価なお店ではポイントを使うといった使い分けがさらにお得だ。しかも、政府が負担する割引きなので、飲食店の経営を圧迫しないのもありがたい。ちなみに、食事券ではおつりがでないので注意すること。
オンライン予約の場合、予約と支払いをした人にポイントがまとめて付くので、たとえば3人でディナーに来れば3000ポイントもらえる。翌日以降、ランチに二人で行って3000円分をポイントで支払えばタダになる。しかも、その時もポイントが付与されるので、500円を二人分1000ポイントをゲットできる。「大人数での会食や飲み会を避ける」という前提はあるものの、幹事をやりたくなる人も出てきそう。ポイントの奪い合いで、友だち同士でトラブルにならないか心配だ(笑)。
しかも、公式FAQに食事代金にかかわらず、ポイントが付与されると明記されている。たとえば、夕食時間帯に800円の定食を食べれば、タダの上に200ポイントも余るとことなので、悪用されないか心配になる。飲食店に回らず、予算を使い切ってしまわないように対策して欲しいところだ。
ちなみにポイントは店内での飲食が対象で、テイクアウトやデリバリー、ケータリングなどは、ポイント付与の対象外となるので注意しよう。
どちらも準備ができ次第スタートするようで、開始時期は未定。金券の購入場所も順次公開されるとのこと。
飲食店としては送客手数料がかからないサービスを使って欲しい
売り上げが激減している飲食店にとっては、送客してくれるのはありがたい。顧客の支払いを軽減してくれるのも効果がありそうだ。飲食店が新型コロナウイルス対策を行なう金銭的負担も、政府や自治体からの補助金や助成金などを利用すれば最低限に抑えられる。
食事券とオンライン飲食予約はそれぞれ別に申し込みが必要になる。募集開始時期や審査項目などはこれから公開される予定だ。
飲食店側として気になるのは、オンライン飲食予約で予約サービスを利用するケース。サイトへの掲載料は無料なのだが、飲食店に送客手数料が発生するサービスがある。たとえば、食べログはランチ100円、ディナー200円で、ぐるなびはランチ50円、ディナー200円が飲食店に課金されるのだ。
ちょっと飲食店側からすると困った話になる。「Go To Eatキャンペーン」は利用者にはメリットしかないので、多数の人が利用するだろう。普段直接来店している人も、当然予約してから来る。そうすると、単純に飲食店の利益が減ってしまう。
タダでさえ利益率の低い日本の飲食店から、ランチ100円、ディナー200円の純利が飛ぶのは負担が大きすぎる。それ以上の来店があればどこかでプラスになるが、これでは弱小飲食店は無視されているように感じる。ここは絶対に政府の予算内でサポートすべきところだったと思う。
そこで飲食店としてお客さまにお願いしたいのは、送客手数料がゼロのオンライン予約サービス経由で予約すること。「favy」や「トレタ」「Retty」「Chefle」「大阪グルメ」は送客手数料を無料にしてくれている。「ヒトサラ」はランチのみ無料。ひいきにしているお店や、応援したいお店のために、これらのサービスで予約してもらえると、飲食店はきちんと売り上げられるので、キャンペーンを活用した飲食店支援となる。
送客手数料はオンライン飲食予約に登録を希望する店舗向けのウェブページに掲載されているので、ぜひチェックして欲しい。
もうすぐ本格稼働するGo To Eatキャンペーンは、利用者もほとんどの飲食店も得になる施策だ。767億円×2を取りに行くというのも下世話な話だが、厳しい飲食店にとっては背に腹は代えられない。ぜひ、皆さんもキャンペーンに乗って、飲食店でお金を使っていただけると幸いだ。