写真家には最適解!?デスクトップ向けCPU「Ryzen 7 3700X」搭載の15.6インチノートPC「DAIV 5D-R7」をカメラマンが試してみた
画像・映像編集ソフトは
Ryzen 7 3700Xがパワーを発揮
ベンチマークソフトを使って各種パフォーマンスを計測した後は、各種クリエイティブアプリを実際に使用した際の使い勝手を測ってみよう。まずは写真現像アプリ「Photoshop Lightroom Classic」のテスト時の最新バージョン「9.4」で検証。今回は2400万画素のデジカメで撮影した500枚のRAWデータを、PSD16bit形式・JPEG(最高画質)に書き出す時間を測定した。写真に対しての補正は一切行なわずに、撮影したままのデータを書き出している。
500枚のRAWデータからPSD16bit形式の書き出しにかかった時間は約5分13秒、JPEG(最高画質)での書き出しには約4分26秒とかなり高速な処理が行なえた。ストレージへの書き込みに待ち時間は無かったので純粋なCPUの処理能力だが、これはかなり早く、デスクトップPCと同等の処理速度を持っている。
次は「Photoshop」でテストしてみよう。こちらはテスト時の最新バージョン「21.2.2」で検証。Lightroom ClassicもPhotoshopもGPUへの依存はあまり高くなく、ほとんどの処理をCPUで行なう。そのためRyzen 7 3700Xではかなり快適に作業が可能だ。
ゲーム界隈ではミドルクラスのGTX 1660 Tiでも、PhotoshopやLightroom Classicならまったく不満を感じずに作業が行なえるので、この組み合わせは写真を扱う人にはコスト的にもかなり最適解に近い構成と思える。
フリーで使用可能な動画編集ソフト「DaVinci Resolve」で、動画編集の快適度も測る。テスト時の最新バージョン「16.2.7」で検証。今回はデジカメで撮影した約30秒の動画を何も補正せずにつなげて約10分の動画を作成し、MP4形式で書き出す時間を測定してみた。
動画は解像度を変えて2つ作成、4K素材からは4K動画を作成し、FHD素材からFHD動画を作成している。書き出しの設定は、DaVinci ResolveにプリセットされているYouTube用の書き出し設定を使用、ファイル形式だけMP4に変更している。
4K動画の書き出し時間は約7分37秒、FHD動画の書き出しは約3分10秒になった。4K動画の処理でも、再生時間より短く書き出しが行なえているのはかなりの性能と言っていいだろう。またFHDサイズなら再生時間の1/3ととても早く処理できている。FHDサイズでの書き出し時のCPU負荷は100%まであがるが、途中下がることもありかなり余裕を感じられた。GPU負荷はだいたい10%程度で、こちらも余裕といえるだろう。
DaVinci ResolveはGPUによるハードウェアアクセラレーションにも対応している。動画書き出しのエンコードではGeForce GTX 1660 TiのCUDAコアを使用するが、GeForce GTX 1660 Tiでも余裕が感じられる。最近は動画投稿も手軽に行なわれ、多くの場合がFHDサイズでの編集になると思われるので、実用性は十分といっていいだろう。
次は「Premiere Pro」でテスト時の最新バージョン「14.4」で検証。Adobe製の動画編集ソフトでDaVinci Resolveよりもハードウェアアクセラレーションの効果が高い。こちらでも約10分の4K動画とFHD動画を作成して書き出し時間を測定してみた。書き出しの設定は形式にH.264を選択しYouTube用のプリセットで行なっている。
Premiere Proの結果は驚きだ。4Kの書き出し時間は約3分11秒、FHDの書き出しは約1分15秒とかなり高速に処理できている。エフェクト等まったく入れずにただつないだだけではあるが、ちょっとよそ見しているうちに終わってしまったほどだ。CPU/GPU共に余力が感じられる結果で、CPU/GPUのパフォーマンスの高さが伺える結果になった。
クリエイティブ用途なら超優秀なコスパ
デスクトップ用のRyzen 7 3700Xを搭載することで、ノートPCでありながらも処理能力はデスクトップPCと同等のパフォーマンスが得られ、さらに作業環境を移動できるのは魅力だ。家の中での移動も手軽で、いざとなったら外にも持ち出せる。
利用する前に排熱が気にはなったが、実際にテストを行なっても熱の影響は感じられなかった。負荷がかかるとファンの回転数が上がるが、最大で回っていてもヘッドホンをしてしまえば全く気にならない程度だ。ただ背面と右側は排気孔があり、ファン全開時にはそれなりの熱が吹き出てくるので、周辺に空間的な余裕は作っておきたい。
持ち運び可能な15.6インチノートPCでありながらも、高色域ディスプレーの採用とRyzen 7 3700XとGeForce GTX 1660 Tiの組み合わせはコストパフォーマンスも高く、静止画や動画書き出し等で高いパフォーマンスを発揮できる。趣味から仕事まで幅広い分野で、クリエイティブ作業に最適な一台と言えるだろう。
(提供:マウスコンピューター)
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