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ポイントを速習!「Azureの基礎(AZ900)」をみんなで学ぶ 第7回

コンテナーやサーバーレスも簡単に扱えるクラウドサービスのメリット

「Azure VM」などAzureの幅広いコンピューティングサービスを知る

2020年09月15日 08時00分更新

文● 石川順平/FIXER 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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Azure VMサービスをより詳しく知る

 以上、Azureが提供する4つのコンピューティングサービスを紹介しましたが、最も代表的なサービスと言えばやはりAzure VMでしょう。ほかのサービスと同じように、初期費用なしで利用を始めることができ、利用料金は使ったぶんだけの従量課金制です。

Azure Virtual Machinesとは(公式サイト FAQより

仮想マシンのタイプとサイズ

 前述したとおり、Azure VMではさまざまなサイズの仮想マシンが用意されています。たとえば、最も一般的な「汎用タイプ」の仮想マシンだけでも、現在はvCPU(仮想CPU)数とメモリ容量が異なる14サイズがラインアップされています。ほかにも、vCPUの数が多いタイプ、メモリ容量が大きいタイプ、ストレージが高速なタイプ、GPUを搭載したタイプなどさまざまです。ユーザーは、用途に応じてこれらの仮想マシンタイプ/サイズを選択することになります。

仮想マシンのタイプとサイズ、それぞれの特徴(公式ドキュメントより引用、加筆)

事前構成された仮想マシンイメージ

 Azure VMで利用できるOSはLinuxとWindows Serverです。Linuxにおいては、以下のメジャーなディストリビューションをサポートしています。

RedHat Enterprise Linux(RHEL)/CentOS/CoreOS/Debian/Oracle Linux/SUSE Linux Enterprise/openSUSE/Ubuntu

 前述したとおり、Azure VMでは、OSやアプリケーションがインストールされた事前構築済みの仮想マシンイメージが多数用意されています。これを使って仮想マシンを作成すれば、OSをインストールする時間と手間が省けて便利です。

 なお、RHELやWindows Serverなど、有償のOSがインストールされた仮想マシンイメージもありますが、ライセンス費用はAzure VMの利用料金に含まれており、ユーザーが別途ライセンスを購入する必要はありません。

仮想マシンのサイズ変更

 Azure VMでは、作成した仮想マシンのサイズをいつでも変更することができます。たとえば「運用を開始したがスペックが足りなくなった」「もう少しリソースに余裕を持たせておきたい」といった場合でも、仮想マシンを一から作り直す必要はなく便利です。

 ただし、サイズ変更を行う際には仮想マシンの再起動が発生します。一時的に利用できなくなるほか、仮想マシンに割り当てられているパブリックIP(グローバルIPアドレス)や一時ディスクに記録された内容がリセットされますので、稼働中のサイズ変更には注意が必要です。

可用性の確保と負荷分散

 Azure VMでも、本連載第4回でご紹介した「可用性セット」や「可用性ゾーン」を構成することができます。これにより、サービスを提供するハードウェアやデータセンターに障害が発生した場合でも、サービス(アプリケーション)の稼働を維持することができます。

 また「Azure Application Gateway」や「Azure Load Balancer」などの背後に複数台の仮想マシンを配置することで、アクセスの多いWebサービスなどで負荷分散構成をとることもできます。

 ちなみに、Application GatewayはWebアプリケーション専用のロードバランサーとWAF(Webアプリケーションファイアウォール)を備えたサービス、Azure Load BalancerはWebトラフィック以外にも対応する汎用的なロードバランサーサービスです。また、DNSレベルで負荷分散を行う「Azure Traffic Manager」というサービスもあります。

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