第1回 編集部の業務改善にRPAを使ってみた

ユーザックシステムのRPA「Autoジョブ名人」を編集部で試す

そろそろ自動化しないとやばい? 編集部がRPA導入を試すわけ

文●大谷イビサ イラスト●まふにゃん 編集●ASCII 

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 今月からユーザックシステムのデスクトップ型RPA「Autoジョブ名人」のロードテストを始める。IT記者であるオオタニがAutoジョブ名人を用いて編集部の業務自動化を進めていくという内容だ。まずはなぜ編集部にRPAが必要か?という前提の話からスタートしよう。

「Autoジョブ名人」のキャラクター「アルパ君」といっしょに編集部の仕事を自動化!

本業に専念する時間を奪う事務作業をRPAでなんとかしたい

 「事務処理がなければ、もっと本業に専念できるのに!」と思うビジネスパーソンは多いだろう。3月からの在宅勤務でずっとTシャツ・短パン姿だが、一応オオタニもビジネスパーソンのはしくれなので、事務処理はやっぱり苦手。毎月1回の経費や交通費の精算は面倒だし、原稿料の処理など普段と違う脳みそが必要で、時間もかかるし、とても気を遣う。弊社に限らず、日本の会社はなにかしようとすると申請や承認というワークフローが必要になるし、コンプライアンスの観点で事務処理が増えた会社も多いはずだ。1つ1つの作業はたいしたことなくても、積もり積もればけっこうな時間のロスとなる。

 また、「これって人がやるべき仕事だっけ?」といったルーティン作業も多い。代表的なのは締め切りや期日を知らせたり、提出や入力を急かすリマインド業務だ。自分としてはライターに請求書の発行を毎回依頼するのは面倒だと思っているし、たぶん私の上司や経理は出退勤や経費精算の締め切りを毎回通知させるなと考えているだろう。Webのレポート担当者や営業であれば、コピペの多いレポート作成作業も大きな負担だし、総務や経理担当者も毎月の繰り返し作業で難儀しているはずだ。

 人手不足の昨今、企業側としても、本来的にはこうした面倒な事務処理やルーティン作業を減らしたいと考えているはず。残業を減らしたり、ワークライフバランスを実現するための働き方改革でも、業務の断捨離や自動化は急務だ。営業やマーケティング、ものづくりなど従業員が本来やるべき本業に専念させることで、ビジネスのパフォーマンスも上がるだろう。そんな文脈で、一気にブームに躍り出たのが業務を自動化するRPA(Robotic Process Automation)である。

 RPAがなぜブームになったのか?という考察は、2年前に書いた拙稿で私見を述べている(関連記事:B級テクノロジー「RPA」が働き方改革に悩む日本企業を救う)。簡単に言えば、「本質的な業務改善や断捨離に手を付けず、いま目の前にある面倒や作業を自動化できるから」だ。実際はRPA導入においても、業務改善は重要なのだが、RPAの導入に成功すれば「月●●時間の業務時間の削減に成功」という実にわかりやすい効果が得られるはずだ。 昔から「製品自体は使って理解する」という記者だったので、RPAってちょっと使ってみたいなと思っていたところ、タイミングよく決まったのがRPA製品「Autoジョブ名人」を展開するユーザックシステムの冊子制作とマイクロサイトのお仕事だ。

Autoジョブ名人を展開するユーザックシステムとは?

 ユーザックシステムは大阪に本社を置く業務ソフトウェアの会社である。企業間での商取引を電子化するWeb EDI(Electronic Data Interchange)の製品を開発してきた過程で、小売・流通・製造業を中心とした顧客から入力を自動化したいという要望を受け、生まれたのが同社のRPA製品だ。

ユーザックシステムのWebサイト。キャラクターの「アルパ」君も登場

 最初はWebブラウザ上での入力作業を自動化する「Autoブラウザ名人」からスタートし、その後メールの作成・送受信を自動化する「Autoメール名人」が生まれ、現在はWindowsやExcelを含めた幅広いPC操作を自動化する「Autoジョブ名人」を展開している。RPAという言葉が生まれる以前からPC作業の自動化に取り組んできた老舗であり、外資系ベンダーが多い業界の中でも珍しい国産のRPAベンダーだ(関連記事:安定稼働の国産RPA「Autoジョブ名人」が歩んできた16年)。

 そんなユーザックシステムの案件で、7月は週間アスキーのコラボという形態でユーザックシステムが発行する「RPA Magazine」の制作を担当し、マイクロサイトの取材記事も作成した(関連記事:「RPAマガジン」最新号は週刊アスキーとコラボした特別版)。RPA製品を本格的に担当するということでけっこう苦労したのだが、制作の過程でAutoジョブ名人について学び、俄然製品に興味が出てきた。「これはひょっとしたら編集部でも使えるのでは?」「日々、時間を費やしている作業を楽にできるのではないか?」という期待から、試用連載を企画することにした。

 「Autoジョブ名人だったらチャレンジできそう」と思った理由は、いくつかある。まずはAutoジョブ名人が手元のPCで利用できるデスクトップ型の製品であることだ。ご存じの通り、RPA製品はサーバー型(クラウド型)とデスクトップ型に大別されるが、後者はサーバーが不要なので、試行錯誤が手元でできるため、業務部門にいる私としては試用しやすい。あとはRPAの動作を定義する「シナリオ」の設計がリスト型なので、Excelを使い慣れた自分でも作れそうと思った点だ。なにより、ユーザックシステムが企画に協力的で、試用版の利用も快諾してくれ、サポートも受けられそうなので、安心して取り組める。

 ということで、連載ではAutoジョブ名人についての理解を深めるべく、まずは初心者向けのオンラインセミナーに参加することにした。実際に手を動かして、Autoジョブ名人を動かした後、まずは編集部のシンプルな業務のRPA化にチャレンジしていく。業務の洗い出しやシナリオ作成の試行錯誤もお届けできると思うので、お楽しみに。

コラム <私見>RPAはロボットでいいのか?

 オフィスにおける業務の自動化を実現する製品として、すっかり浸透した感のあるRPA(Robotic Process Automation)という用語だが、個人的にあまりピンとこない。人間の作業を代替するプログラムと、多くの人がイメージする(ハードウェアの)ロボットがあまりにもかけ離れているからだ。ロボットがPC作業をすると聞いて、すぐにイメージするのはロボコンみたいなものがPCのキーボードをカタカタ叩く場面ではないか。記事等でRPAをビジュアル化すると、やっぱりハードウェアのロボットが登場してくる。

 RPA導入を進めているかみさんの会社では、「ロボットという表現はわかりにくい」とよくやり玉に挙がっているらしい。また、RPAの事例を取材すると、「ロボットが面倒な業務を全部やってくれると現場に誤解されていた」といったコメントがよく出てくるのだが、これもロボットという表現の弊害の1つのような気がしている。という意味では、OA機器の「OA」もOffice Automationと言いながら、別に自動化につながっているわけではないのだが(笑)。

 そもそもRPAは作業内容を人間が丁寧に教え込まないと基本的には使い物にならない。最近はAIの技術を取り込むことで、インテリジェントな判断をできるRPAも増えているが、基本的にRPAは教え込まれたことを忠実に実行するプログラムだ。その意味では、1990年代後半からExcelを使いまくっていた人から言えば「マクロ」という表現のほうがしっくりする。まあ、いまさらマクロなんて、古くさくて使えないのだろうが。

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