厚みと重量の増加を気にしなければ最高のアクセサリー
使いやすさは純正Magic Keyboardとほぼ同等、ロジクール「Combo Touch」レビュー
2020年08月22日 12時00分更新
Macを中心とするアップル製品用の高品質な周辺機器で知られる、ロジクールのiPad用のトラックパッド付きキーボード、「Combo Touch」をしばらく試用する機会を得たので、実際の使い勝手を中心にレビューする。
アップル純正Magic Keyboardに取り残されたiPadをサポート
最近では、iPad用のキーボードと言えば、すぐにアップル純正のMagic Keyboardを思い出す人が多いだろう。当サイトでも、iPad Pro 12.9インチモデルと組み合わせたレビュー記事をお届けしている。アップル純正キーボードの場合、デスクトップ用キーボードの製品名もMagic Keyboardだし、さらにMacBook Proの内蔵キーボードもMagic Keyboardと呼ばれているので、ちょっと、いやかなり紛らわしい。アップルでは、薄型でも優れたキータッチを実現したキーボードに、Magic Keyboardという呼称を無条件で与えているかのようだ。
とはいえ、Magic Keyboardの利点は、キータッチの良さだけにはとどまらない。iPadOSの進化によって利用可能となったトラックパッドを内蔵しているのも大きな特長だ。それによって、iPadをノートパソコンのような感覚で使えるようになる。その点では、このCombo Touchも同様だ。操作感覚に優れたアイソレーションタイプのキーボードに、軽く触れるだけで操作可能なトラックパッドを組み合わせた製品となっている。
iPad用のMagic Keyboardは、現行と1つ前のiPad Pro専用で、12.9インチモデル(第3世代と第4世代)用と、11インチモデル用(第1世代と第2世代)用がある。こう書くと、なんだか幅広い製品をサポートしているようだが、サポートするのは幅広いラインナップのあるiPadの中でもProだけ。iPad Air、何も付かないスタンダードなiPad、そしてiPad miniはサポートしない。Proのユーザーは、iPad全体から見ればむしろ少数派だろう。アップルは質の高いキーボードをPro用にだけ提供して、差別化をより強力なものとしたいのかもしれないが、良質のキーボードを求めているのは、iPad Proのユーザーだけとは限らない。
そこに目をつけたのが、ロジクールのCombo Touchだ。一言で表せば、純正Magic Keyboardとほぼ同等のキータッチ、トラックパッドの使いやすさと、純正をも上回る便利な機能を、Pro以外のiPadに提供するための製品ということになる。サポートするのは、第7世代のノーマルのiPadと、第3世代のiPad Air、そしてiPad Proの10.5インチモデルだ。ちょっと異質に感じられるのは、10.5インチのiPad Proだろう。これはiPad Proの小さい方が現行の11インチになる直前のモデル、つまり最新のモデルからすると2世代前のものということになる。
このように、対象モデル構成は変則的なものに見えるかもしれない。これは現行のiPad Airが、2世代前のiPad Proの小さい方のモデルとの共通点が多いことと関係していると考えられる。つまりおそらく当初は、現行のiPadと同Airをサポートする製品として企画された。ところが現行のAirをサポートしたら、自動的に2世代前の小さい方のiPad Proでも使えるものになった、ということだと想像できる。ただし注意が必要なのは、第7世代iPad用のCombo Touchと、第3世代iPad Airおよび10.5インチPro用のCombo Touchは、異なる2種類の製品として販売されていること。両者の違いは、微妙(0.94mm)なサイズの差だけで、機能的にはまったく同じものと思われる。ちなみにこのサイズの違いは、iPad本体の厚みの違いに対応したものだ。
今回は、10.5インチiPad Proを使用して、同機種に対応したCombo Touchを試用した。