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Veeamが解き放つ“データの力” 第2回

Veeamのグローバル企業調査から読み解く、バックアップのモダナイズに向けた戦略

DX実現と競争優位性をもたらすこれからの「データ保護戦略」を考える

2020年08月20日 11時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 Veeam Softwareでは今年6月、企業におけるデータ保護/データ管理の実態を調査した「2020 データプロテクションレポート」を発表した。22カ国、1550社を対象としたこのグローバル調査からは、現在の企業が新たな「データ保護戦略」を考え、実行すべきときに来ていることが読み取れる。

 デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進やマルチクラウド環境への対応など、企業ITに対する要件は年々大きく進化してきた。従来の“データをバックアップし、守る”だけではない、新たなデータ保護戦略とはどのようなものか、その実現のためには何が必要なのか、同レポートの調査結果をひもときながら明らかにしていきたい。

Veeam Softwareが発表した「2020 データプロテクションレポート」。同社Webサイトからダウンロードできる

※「2020 データプロテクションレポート」調査概要:同調査は「データ保護における課題と目標」について、Veeamから委託を受けた独立系調査会社によって2020年1月、従業員1000名以上の企業、1550社のビジネスリーダーやIT意思決定者(ITDM)を対象として実施されたもの。

調査結果より:DXの取り組みを阻害する「レガシーな技術」の存在

 まず、現在の企業はどのようなビジネス課題に直面しているのだろうか。データプロテクションレポート「3.3:2020年がもたらす課題」のページでは、「自社ビジネスに影響を及ぼす2020年の課題は」という質問への回答が紹介されている。

 ここで目を引くのは、トップ回答であるランサムウェアやマルウェアによる「サイバー脅威」や「技術導入のスキル不足」などデジタル/ITにまつわる課題が、「経済的な不確実性」や「世界情勢の不確実性」という回答よりも多い点だ。

 この調査結果からは、現在の企業が自社ビジネスの抜本的な変革志向を持っており、そのための手段としてデジタル/ITが重要視されていることがうかがえる。実際、多くの企業が「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の必要性を真剣に捉えており、同調査で「DXの過程にある、または計画している」と回答した企業は80%を超える。

「これらの課題のうち、今後12カ月以内に企業に影響を及ぼす課題は何ですか?」(2020 データプロテクションレポートより。以下同様)

 ただしそうした企業も、現実にDXを推進していくうえではさまざまな課題を感じているようだ。

 同レポート「3.1:デジタル変革の課題」では、DXを推進するうえでの阻害要因を尋ねている。最も多くの企業が認識している阻害要因は「ITスキルまたは専門知識の不足」、それに続くのが「信頼性の低いレガシー技術」だ。さらに、レガシーなシステムや手作業での業務が存在することで、「予算の不足」や「時間の不足」も引き起こされていると推測されている。

 大きく変化する経済状況のなかでDXの推進は必須だが、そうしようにも社内に残るレガシーなシステムが足かせとなって前に進めず、人員や予算のリソースも足りない――。経済産業省が2018年に指摘した“2025年の崖”にも似たストーリーだが、同レポートからは2020年現在のそんな現場の実情が垣間見える。

「DXの取り組みを進めるための組織の機能を妨げている/妨げていたものは何ですか?(ある場合)」

対応すべきはクラウド環境ではなく「ハイブリッドIT環境」

 レガシーなIT環境からの脱却策として、多くの企業が取り組むのがクラウド活用だ。パブリッククラウドをうまく活用して、“足かせ”となっている過去のさまざまな負債を軽減しながら、新たな領域における取り組みを加速していく。さらに、クラウドならではのスピードやスケーラビリティ、AI/機械学習やIoTといった先進的技術へのキャッチアップといったメリットも期待できる。クラウド活用は、DXの取り組みを促進する第一歩だ。

 データプロテクションレポート「3.6:クラウドへの移行」のページでは、調査対象企業が保有するサーバー(物理サーバー、仮想マシン)のホスト先が「現在」と「2年後(予測)」でどのように変化するのかが示されている。

 その結果を見ると、現在すでに32%のサーバーがクラウドでホストされているが、2年後にはその割合が41%まで増えることが予測されている。一方で物理サーバーの割合は2年間に同じ程度減る(38%→29%)と予測されていることから、レガシーシステムのクラウド移行が進むと考えられる。

 ただし同レポートでは、単にクラウド活用が進むというだけではなく、さらに重要なポイントを指摘している。それは、(少なくとも今後数年間の)予測可能な将来においては「引き続きオンプレミスの物理サーバーや仮想サーバーも残り続ける」ということだ。つまり、企業は今後も「ハイブリッドなIT環境」を運用していく必要がある。

 したがって、そうしたクラウド/オンプレミスの混在環境を効率良く運用できる統合的な環境を整えなければ、むしろ管理者の業務負担や管理コストが増え、ITガバナンスも効かない状態を招くことが予想される。

「現在自社にあるサーバーのうち、次の3つの形式が占めるおおよその割合は? また2年後の割合はどう変わると予測しますか?」

 さて、クラウドの活用が進めば、当然「データ」もクラウドへと移行していくことになる。クラウド上のデータはどのように保護され、その手段はどう変化しているのだろうか。

 同レポートでは、本番環境のデータを念頭に置いて、「現在」と「2年後(予測)」のバックアップ手法が質問されている。その結果からは、上述したサーバーの動向と同じように「オンプレミスからクラウドへ」、そして「自社管理からBaaS(Backup-as-a-Service)プロバイダへ」という動向がはっきりと読み取れる。2年後には、本番データの4分の3(77%)がクラウドベースのバックアップとなることが予測されている。

「自社における本番データのバックアップ方法を念頭に、何割のデータが次のメカニズムで保護されていますか? また2年後に自社で主流となると予測されるデータバックアップの方法は?」

「包括的なデータ保護戦略」の必要性

 ここまで見てきたようなIT環境の変化をふまえて、企業はこれからどのようなデータ保護戦略をとっていくべきだろうか。ここからは、本稿のテーマである「データ保護戦略」を考えていきたい。

 まず、現在の企業自身は、これからどのようなデータ保護が必要だと考えているのか。同レポートにおいて、他社との差別化要素となる「最先端、革新的なデータ保護機能」とはどんなものかを問うた質問では、「クラウドサービスを介した災害復旧(クラウドDR)」や「ワークロードをオンプレミスからクラウドに移行する機能」「ワークロードをクラウド間で移行する機能」といった回答が上位だ。

 前述したとおり、現在の企業はクラウドを含む「ハイブリッドなIT環境」を前提として将来戦略を考えなければならず、データ保護もその例外ではない。この調査結果からは、ハイブリッドIT環境には包括的なデータ保護手段が必要であること、さらに単なる「保護」だけでなく、ワークロードの柔軟な可搬性(ポータビリティ)を実現する手段としての期待も高いことが読み取れる。

「組織にとって、どのようなデータ保護/管理ソリューションが『最新』または『革新的』差別化要素をいえますか? また最も重要な点は何でしょうか?」

 ただし、これはあくまでも企業の“理想”にすぎないかもしれない。現状で導入済みのバックアップソリューションの刷新を検討する場合には、より“現実的な”要件の優先順位が高くなるようだ。

 同レポートから、「自社が導入しているバックアップソリューションを新しいものに変更する要因」として挙がっている回答を見ると、「信頼性(成功率)向上」「ハードウェア/ソフトウェアコストの削減」「投資対効果向上」といったものが上位である。前述した“理想”と矛盾する内容ではないものの、旧来の製品選択とあまり変わらず“手堅い”印象は否めない。

 その背景には、DXの課題と同じようにIT部門における「リソース不足」があると考えられる。今回の調査では、およそ9割(9社に8社の割合)の企業が「データ保護の課題に直面している」と回答しており、特に「新しい取り組みに従事する人材」および「予算」の不足が大きな課題となっている。

 DXの進展や競合優位性確保を考えると先進的なバックアップへの刷新が望ましいが、現状を考えるとすぐには実現が困難であり、それゆえに現状が改善されないという矛盾を抱えている。

「主要なバックアップソリューションを新しいソリューション/サービスに変更する要因となる理由は?」

「ITチームがデータ保護/管理について現在抱えている課題は次のうちどれですか? また最も影響が大きいものは?」

モダンなバックアップソリューションと「戦略」の必要性

 紹介してきた調査結果から見えてくる、現在の企業がデータ保護に求める要件と課題をまとめると、次のようになる。

●DX推進のためにはクラウドデータの堅牢な保護手段が必要である
●ハイブリッドなIT環境を包括的にカバーする、管理負荷の少ないデータ保護ソリューションが求められる
●コスト効率の良いクラウドベースのデータ保護ソリューションへのニーズが高い
●しかし、そうした“バックアップのモダナイズ”を実現するためには、現状では人と予算のリソースが足りないという矛盾がある

 したがって、クラウドDRやマルチクラウドへの対応といった将来的な拡張性も担保しつつ、同時に現状の人的/コスト的な負荷を軽減できるようなバックアップソリューションを導入することが、現時点におけるデータ保護戦略の最適解ということになるだろう。

 そして、こうした要件を満たすのが、Veeamが提供するデータ保護ソリューションだ。

 Veeamでは「クラウド・データ・マネジメント」コンセプトを掲げており、オンプレミスからパブリッククラウドまで、あらゆる場所に散在するデータを単一のプラットフォームで統合的に管理できるデータ保護手段を提供している。バックアップのモダナイズにとどまらず、オンプレミス/マルチクラウド間での柔軟なワークロード移動を実現するハイブリッドIT環境への対応、さらにデータセキュリティとガバナンスの効果ももたらす。

ハイブリッドIT環境の包括的なデータ保護を実現するVeeamの「クラウド・データ・マネジメント プラットフォーム」

 データプロテクションレポートでは、IDCなど第三者機関による調査に基づく、Veeamソリューションの導入効果についても紹介している。

 たとえば、データのバックアップ/保護コストを従来比で50%削減し、IT担当者の効率を55%向上させることができる。人的/コスト的な負荷を削減し、ここで浮いたリソースを新たな取り組みへと割り当てることが可能になるわけだ。

 また、ハイブリッドなIT環境への移行を支援し、データ保護を効率化する効果も期待できる。本特集の第1回「ハイブリッドクラウドのデータ保護にVeeamが選ばれる理由」でも紹介したとおり、“ポータブル”な特徴を備えるVeeamソリューションならば、物理サーバー/仮想マシン/マルチクラウド間でのワークロード移行が容易だ。さらに、ハイブリッドクラウド環境においては平均で49%のコスト削減効果、72%の問題特定/対応速度向上の効果も期待できるという。

* * *

 システムのデータ保護手段であるバックアップは、コンピューターの歴史と共に古くから存在しており、その必要性に異を唱える人はいないだろう。しかし、バックアップを「戦略的に」捉え、ビジネス優位性の源として活用していくという意識は、これまで薄かったはずだ。

 ビジネスのデジタル化と「データ」価値への注目、ハイブリッド化というIT環境の大きな変化によって、それが変わろうとしている。企業は戦略的なデータ保護について考えるべきときに来ている。そして、その中でVeeamのソリューションは有力な候補になるはずだ。

(提供:Veeam Software)

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