マカフィーは8月12日、新型コロナウイルス流行に乗じて増加するサイバー攻撃に関する報告書「McAfee COVID-19脅威レポート:2020年7月(英語)」を発表した。
米McAfeeが公開した「McAfee Labs COVID-19 Threats Report」(2020年7月)を元にしたレポートで、2020年第1四半期における新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)に関連したサイバー犯罪とサイバー脅威の進化について分析している。
McAfee Labsでは1分あたり平均375件の新たな脅威を検出しており、サイバー犯罪者がパンデミック(感染症の世界的大流行)を悪用してCOVID-19を騙る悪意あるアプリ、フィッシング攻撃、マルウェアなどの事例が急増していることを確認。新たなPowerShellマルウェアは第1四半期中に689%増加し、総数は過去1年間で1902%の増加を見せ、セキュリティーインシデント(公開済)のおよそ47%が米国で発生しているという。
2020年第1四半期の脅威動向としては、新たなマルウェアのサンプルは35%減少しているが、総数は過去1年間に27%増加。また、Mac OSの新たなマルウェアサンプルは51%増加。また、モバイルマルウェアは第1四半期で71%増加、過去1年間では12%増加している。仮想通貨マイニングマルウェアの増加やファイルレスマルウェア、IoTを狙ったマルウェアの増加も見られる。
マカフィーでは、パンデミックを好機とみたサイバー犯罪者の迅速な適応とサイバー攻撃がもたらす甚大な影響であり、最初はわずかなフィッシング攻撃と散発的な悪意あるアプリを確認する程度だったが、悪意あるURLが大量にあふれ出して高度なスキルを持つ攻撃者たちが出現。世界中がCOVID-19に関する情報を得ようと躍起になるなかでシステムへの侵入メカニズムとして利用し始めたと評している。
McAfee Advanced Programs Groupでは、新型コロナウイルス関連のサイバー攻撃を可視化するダッシュボード「McAfee APG COVID-19 Threat Dashboard」を公開している。