使用感を向上させる工夫をさり気なく取り入れた、こだわりを強く感じる1台
国産ノートパソコンの真面目な物作りが魅力、第10世代Core搭載で第一線で活躍できる15.6型「LIFEBOOK WA3/E2」
2020年08月05日 09時00分更新
使いやすいサイズの10世代Core搭載ノート
富士通クライアントコンピューティングの「LIFEBOOK WA3/E2」は、2020年6月発売の15.6型ノートパソコンだ。
同社の直販サイト「富士通WEB MART」でカスタマイズが可能で、主なスペックは、CPUがCore i3-10110U/Core i5-10210U/Core i7-10510U、メモリーは4GB/8GB/16GB/32GB、ストレージは約500GB HDD/約1TB HDD/約512GB SSD/約256GB SSD+約1TB HDD/約512GB SSD+約1TB HDD/約1TB SSDという構成だ。
ディスプレーは標準だと1920×1080ドットだが、1366×768ドットもしくは3840×2160ドットも選択できる。OSはWindows 10 Home(64bit)を採用するほか、Windows 10 Pro(64bit)にも変更可能。光学式ドライブは標準だとDVDスーパーマルチドライブだが、Blu-ray Discドライブにも強化できる。
なお試用機の主なスペックは、Core i7 10510U(1.8GHz、4コア)、8GBメモリー、1TB SSDという構成。光学式ドライブにはBlu-ray Discが搭載してあった。今回は主に、LIFEBOOK WA3/E2の外観と仕様をレポートする。
デザインはシンプル指向ながら
富士通クライアントコンピューティングらしいオリジナリティーも
LIFEBOOK WA3/E2のカラーバリエーションは、メタリックブルー、ブライトブラック、プレミアムホワイト、ガーネットレッドの4色展開。いずれも艶ありのグロッシーな仕上げで、水面のような透明感のあるツヤが楽しめる。
今回試用しているメタリックブルーは、ネイビーにも近い沈んだブルー。トップカバー部は、透明感のある表面塗装の奥に、金属的な鈍い輝きも感じられる色合いだ。エッジにかけては滑らかに傾斜しており、FMVのロゴはミラー調の別パーツを整形してはめ込んでいる。
パームレスト部は、トップカバーとは対象的に、ヘアライン加工で艶消しに仕上げている。質感を高めているだけでなく、使用時に手が常に触れやすい部分は指紋が目立たないようにとの配慮だと思われる。
LIFEBOOK WA3/E2のキーボードは、四方向キーがすこし下に飛び出たようにレイアウトされていて、パームレストの形状もそれに合わせてある。また、アルファベットキーと10キーとのあいだには少々隙間があり、使いやすい。こうした使用感を向上させる工夫をさり気なく取り入れているのが、富士通クライアントコンピューティングのノートパソコンの持ち味だ。
なおキーは、クリア素材に文字を印字する「プリズムクリアキー」を採用。これも使っていてうれしくなるポイントの1つだ。
キーボードの奥側には大きく面積を取って横長にスピーカーを配置。このレイアウトによって、キーボードを幅ギリギリまで寄せてキーピッチを稼いでいるだけでなく、デザイン上もすっきりとした印象になっている。スピーカーのメッシュのエッジ部分にはダイヤモンドエッジ加工を施しており、アクセントになっている。
タッチパッドは、パッド部分と左右クリックを独立させた昔ながらの仕様で、アルファベットキー寄りに配置。また面白いのはタッチパッド部分の仕上げだ。パームレスト、キーボードフレーム部分と同様にヘアライン加工を施していて、一体感を高めている。
感触的にもサラサラとしていて、すべりがよく、操作性も高い。細かな処理ではあるのだが、デザインと使用感の両方に貢献している、面白い工夫だ。
ボトムカバー部分は、同社が好んで用いる革シボ風のパターンを採用。この仕上げは滑りにくく、汚れも付きにくい。
LIFEBOOK WA3/E2のディスプレー部分は狭ベゼル仕様で、フレームとパネルは分離している。細いベゼル部分は光沢仕上げで、ピアノのような深い黒が美しい。
外観を整理してみると、透明感のあるトップカバー、ヘアライン仕上げのパームレスト/キーボードフレーム、革シボ風のボトムカバー、ピアノ調のベゼル、プリズムクリアキー、ダイヤモンドエッジ加工、ミラー調のFMVロゴと、かなりのデザイン要素が集まっていることがわかる。
パーツごとに仕上げやカラー、素材感を切り替えることで、高級感や作り込み感をうまく演出しているのは、いかにも国産ならではのこだわりの強いノートパソコンといった感じだ。低価格ノートパソコンに見られる、「全パーツ無塗装樹脂」のような無骨な仕上げも個人的には嫌いではないが、LIFEBOOK WA3/E2は明らかに一箇所一箇所に手間をかけたノートパソコンであり、低価格ノートパソコンとはひと味違った所有感が得られる。
Wi-Fi 6対応でリモート環境にも対応
インターフェースも充実
LIFEBOOK WA3/E2の無線通信規格はWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)に加え、IEEE 802.11a/b/g/n/ac、MU-MIMOにも対応している。最近対応機が増えてきたWi-Fi 6だが、通信速度の向上、低遅延性、多接続時の安定性の向上など、複数の通信機器で大容量のデータをやり取りするのに向いた仕様となっている。
LIFEBOOK WA3/E2を購入するなら、ぜひ対応ルーターも用意して使いたいところだ。政府の方針もあり、今後もリモートワークの機会は増大すると思われるので、いまのうちにWI-Fi 6対応環境を手に入れておくのもありだろう。
インターフェースは、USB 3.2(Type-C)、USB 3.2×2、USB2.0(Type-A)×1、有線LAN、音声入出力端子、HDMI出力端子、SDカードスロットと豊富。
Type-CとType-Aに両対応しているのは大きなメリットで、Type-Cケーブルでスマホを充電しつつ、Type-A対応のウェブカメラを接続して使うといった活用法が考えられる。Type-CのUSB端子が登場してから結構経つが、ご存知のように、Type-AのUSB端子をそなえる周辺機器もまだまだ現役であり、今後も混在するものと思われる。
両対応のノートパソコンなら、周辺機器の購入に困ることも少ないだろう。個人的に、Type-Cしか搭載していないノートパソコンを使っているので、ちょっとしたことで困ることがある(特に、ケーブルやリーダー類を自宅に忘れた際に、ちょっと借りたいときなど)。
スペック、仕様を見ても、LIFEBOOK WA3/E2は今後しばらくは第一線で活躍できるノートパソコンであることがよくわかるモデルだ。デザイン的にも、富士通らしい作り込み感、国産ノートパソコンの真面目な物作りのエッセンスが感じられ、かつ、狭ベゼル、フレームギリギリまで広げたキーボードレイアウトなど、トレンドもしっかりと取り入れているので、満足感は高いはず。
この夏にノートパソコンの買い替えを検討しているなら、有力な候補となる一台だ。
なおLIFEBOOK WA3/E2の8月3日時点での価格は、試用機のスペックで28万5480円からだが、富士通WEB MARTでアカウントを作成し、特典のクーポンを適用すれば、23万6948円で購入可能だ。なお、Core i3-10110U、4GBメモリー、約500GB HDD、DVDスーパーマルチドライブという標準構成だと、クーポン利用で14万9881円で購入できる(8月3日現在)。クーポンでお得に購入できるほか、細かくカスタマイズできるのも、カスタムメイドモデルならでは。ぜひ自分の用途にあった1台をゲットしてほしい。
次回は、実際に使ってみた、さらに詳しい使用感を紹介していく。
LIFEBOOK WA3の主なスペック | |
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CPU | Core i3-10110U/Core i5-10210U/Core i7-10510U |
グラフィックス | インテル UHD グラフィックス |
メモリー | 4GB/8GB/16GB/32GB |
ストレージ | 約500GB HDD/約1TB HDD/約512GB SSD/約256GB SSD+約1TB HDD/約512GB SSD+約1TB HDD/約1TB SSD |
ディスプレー | 15.6型、1366×768ドット/1920×1080ドット/3840×2160(4K 有機EL) |
内蔵ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ/Blu-ray Discドライブ |
通信規格 | 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.0 |
インターフェース | USB 3.2(Type-C)、USB 3.2×2、USB2.0(Type-A)×1、有線LAN、音声入出力端子、HDMI出力端子、SDカードスロット |
サイズ/重量 | およそ幅361×奥行244×高さ27mm/約2.1kg |
OS | Windows 10 Home(64bit)/Windows 10 Pro(64bit) |