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マイナポイントで脚光を浴びるマイナンバーカードについて知る

2020年07月10日 09時00分更新

文● せきゅラボ編集部

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脚光を浴びたマイナンバーカード

 特別給付金の申請において、脚光を浴びたマイナンバーカード(個人番号カード)。7月からは「マイナポイント」の受付が始まることもあり、急速に話題にのぼるようになった。

 マイナンバーカードは、マイナンバーと呼ばれる個人番号と、氏名、住所、生年月日、顔写真などが表示された、プラスチック製のICチップ付きカードだ。「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」に基づき、住民が申請した場合に発行される。

 個人情報が1つにまとめられているため、マイナンバーの提示や身分証明書としての利用はもちろんのこと、各種証明書のコンビニ交付や各種オンライン申請などの、行政サービスの利便性向上につなげる証明書になるメリットもある。今後は健康保険証としての利用なども可能になるという。

 ただ、個人情報が集約されていることもあり、セキュリティに不安を抱く人もいるだろう。

 もちろん、国はマイナンバーカードの取り扱いに細心の注意を払っている。特定個人情報の収集・保管のポリシーを定めているほか、個人情報保護委員会による強い監視・監督、罰則のルールが設定されている。

 システム面においても、個人情報の分散管理、暗号化、アクセス制限が設定されている。ICチップには、必要最低限の情報のみが保存され、カードの利用には暗証番号が設けられている。暗証番号については、給付金の申請でマイナンバーカードを利用した人なら、さっそく利用しているだろう。

普及にともなう詐欺の可能性に注意

 一方、マイナンバーカードを取得している人の割合は多くない。2016年1月から交付が始まったにもかかわらず、カード取得率は今年6月1日現在で、16.8%(総務省調べ)となっている。これから取得する人は増えることが予想されるが、それにつけこんだ犯罪も増加するおそれがある。

 たとえば、マイナンバーカードの電子証明書の更新案内が届いた人に、代理で更新手続をすると言って、マイナンバーカードと暗証番号をだまし取ろうとする不審な電話の例がある。このようなマイナンバーカードについての詐欺には内閣府も注意を促している(マイナンバー制度に便乗した詐欺にご注意ください : マイナンバー(社会保障・税番号制度) - 内閣府)。

 今後は、似たような詐欺がオンラインで発生する可能性もある。より一層の注意が必要だろう。

 疑わしい事態に遭遇した場合には、すぐに連絡先を調べ、確認を取るようにしたい。トラブルに巻き込まれたり、悪質な行為と判断したりした場合は、消費者ホットラインや、警察への相談も視野に入れよう。

 これから普及していくマイナンバーカードについて、今こそしっかり知識を深めておきたい。McAfee Blogの「知っているようでよく知らない、マイナンバーカード」を紹介しよう。(せきゅラボ)

※以下はMcAfee Blogからの転載となります。

知っているようでよく知らない、マイナンバーカード:McAfee Blog

 最近、特別定額給付金の申請で再び話題になった「マイナンバーカード」。7月からは「マイナポイント」の受付が始まり、今後は健康保険証としての利用なども可能になるだけに、しばらく話題に上ることが増えそうです。

 とはいえ、2016年1月から交付が始まったにもかかわらず、カード取得率は今年6月1日現在で、16.8%(総務省)。マカフィー・セキュリティ情報局のTwitterアカウントが行ったアンケートでも、「マイナンバーカードを持っている」と答えた人は37.4%と、まだまだ普及には時間がかかりそうです。交付までの手続きの複雑さや利便性の低さ、プライバシー面の不安などの課題が指摘されているマイナンバーカードですが、実は私たち自身も正確なところをしっかり把握できていないような気がします。

 今回は、マイナンバー制度と利用に際して必要な知識を改めて振り返ります。

マイナンバーカードとは

 そもそもマイナンバーカードとはどんなカードなのでしょうか。

 マイナンバーカードは、マイナンバーと呼ばれる個人番号と、氏名、住所、生年月日、顔写真などが表示された、プラスチック製のICチップ付きカードです。マイナンバーカードを取得することで、マイナンバーの提示や身分証明書としての利用はもちろん、各種証明書のコンビニ交付や各種オンライン申請などの、行政サービスの利便性向上が見込めます。

 マイナンバーカードは、個人情報が1つにまとめられているからこそ、身分証明書として成立し、そのほか様々な公的書類の発行などのメリットを享受することができます。その一方でプライバシー面の懸念や、不正利用の不安の声も収まりません。

 国はそのような懸念に対し、制度面でもシステム面でもセキュリティ対策を講じています。制度面では、特定個人情報の収集・保管のポリシーを定め、個人情報保護委員会による強い監視・監督、罰則のルールが設定されています。システム面では、個人情報の分散管理、暗号化、アクセス制限が行われています。ICチップには、必要最低限の情報のみが保存され、カードの利用には暗証番号が設けられています。このようにマイナンバーカードには、悪用や不正利用を防ぐ何重もの対策が図られていることがわかります。

多種多様なマイナンバーカード詐欺

 しかしながら、制度やシステムを利用するのは人間です。想定していなかった運用上の問題や、話題にかこつけて悪用を図るサイバー犯罪者も出てきます。

 実際に発生した詐欺の被害を見ると、電話やネット、直接の訪問まで、あの手この手で個人情報を聞き出そうとしたり金銭などを要求したりと多種多様。中には警察官を名乗る人物が訪問してきて「マイナンバーカードの情報が漏れている」として暗証番号を聞き出す手口や、市役所職員を名乗る人物がマイナンバーカードの登録手数料としてお金をだまし取ったという例もあるようです。同じような詐欺がオンラインで行われる可能性もあるでしょう。

 国の関係省庁や地方自治体などが、口座番号や暗証番号、家族構成を聞き出したり、お金やキャッシュカードを要求することはありません。また、行政機関がマイナンバーカードや通知カード本体の郵送を求めることも基本的にはないため、疑わしい事態に遭遇した場合には、正しい連絡先を調べ、確認を取ることをおすすめします。トラブル時や悪質な行為と判断したら、消費者ホットラインや警察への相談も視野に入れてください。

マイナンバーカードの今後

 これまで用途がイメージしにくい仕組みになっていたものの、特別定額給付金のオンライン申請のように、今後マイナンバーカードを活用したサービスは増えていくでしょう。

 近いところでは、今年の9月からはマイナンバーカードの保有者のキャッシュレス決済にポイントが付与される「マイナポイント事業」がスタートします。2021年3月までの期間限定で、利用やチャージに対して25%が還元(上限5000円)されるというものです。来月3月からは、保険証としての本格運用も開始。また、今回の給付金支給の混乱を受けて、マイナンバーと預貯金口座を結びつける法改正案への動きも明確になっています。

 デジタル社会が進展する中で、個人情報やプライバシーをどう取り扱っていくかはますます大きなテーマになっています。利活用のシーンが広がっていく中で、よく知らないからと何となく信じて利用する、何となく怖いから放置するというのではなく、一人ひとりが情報収集して知ろうとすることが大切なのではないでしょうか。

 国の省庁のサイトでも、下記のようなページでたくさんの情報を得ることができます。これからの時代に向けてという意味でも、少し時間をとって考えてみる良い機会になるかもしれません。

 ●マイナンバーカードの安全対策についての解説(内閣府)
 ●マイナンバー制度に便乗した詐欺などの情報(消費者庁)
 ●消費者トラブルの相談が分からない場合の「消費者ホットライン」(消費者庁)
 ●マイナポイント事業の情報(総務省)

 著者:マカフィー株式会社 コンシューママーケティング本部 執行役員 本部長 青木 大知

※本記事はアスキーとマカフィーのコラボレーションサイト「せきゅラボ」への掲載用に過去のMcAfee Blogの人気エントリーを編集して紹介する記事です。

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