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6月末時点の状況に基づき予測をアップデート、2021年に向けては堅調な回復を見込む

国内ICT市場への新型コロナ影響、支出額は前年比5.3%減 ―IDC予測

2020年07月06日 16時30分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 IT専門調査会社のIDC Japanは2020年7月6日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の2020年6月末時点での影響を考慮した国内ICT市場予測(アップデート)を発表した。2020年の国内ICT市場(支出額ベース)は前年比5.3%減となる、27兆5927億円と予測している。

 IDC Japanでは5月7日に、2020年4月末時点での影響を考慮した国内ICT市場予測を発表していたが、今回はその後の動向をふまえ予測内容をアップデートしている。5月時点では2020年のICT支出額を「前年比6.1%減、27兆8357億円」と予測していたが、緊急事態宣言の全面解除に伴う各種営業活動の再開などがあり、対前年比の落ち込みは前回予測よりも0.8ポイント改善している。

新型コロナウイルス感染症の影響を考慮した国内ICT市場の前年比成長率の予測アップデート:2019年~2021年

 今回発表の予測を製品セグメントごとに見ると、スマートフォン/PC/タブレットなどのデバイス(Devices)がマイナス20.8%、サーバー/ストレージ/IaaS/ネットワークなどのインフラ(Infrastructure)がマイナス2.9%、ソフトウェア(Software)がマイナス0.8%、ITサービス(IT Services)がマイナス3.0%、通信サービス(Telecom Services)がマイナス0.5%となっている(数字はいずれも対前年比の成長率)。

 デバイス、インフラのハードウェア市場はサプライチェーンの改善、「GIGAスクール構想」やテレワークの進展にともなうPC/タブレットへの需要回復が進み、5月発表の前回予測よりも改善した。一方で、ソフトウェアはオンプレミス導入プロジェクトの延期/中止がさらに進み、前回予測よりも下方修正されている。ITサービス、テレコムサービスへの影響はいずれも軽微。

 2021年に向けては、グローバルなサプライチェーンの回復に伴い、デバイスおよびインフラの市場を中心に堅調な回復を見せるものと予測している。

 ただし上記の予測は、国内外共に2020年前半でCOVID-19の感染拡大がいったん抑制され経済活動が正常化し、局地的な感染の再発で回復の阻害要因となるものの、一部の先進企業を中心にデジタルトランスフォーメーション(DX)への投資が活性化し、景気対策の一環として政府によるICT投資が選択的に行われることを前提として作成されている。そのため、今後の状況変化に応じた「Optimistic(楽観的)シナリオ」「Pessimistic(悲観的)シナリオ」も同時に公表している。

 まず「危機管理」「働き方改革」「社会保障や行政のデジタル化」といったニーズから、企業/政府/消費者レベルでのDX投資が活性化されるという楽観的シナリオの場合、2020年の前年比成長率はマイナス4.1%程度に抑制される。一方で、2020年中に世界主要地域全般でCOVID-19の感染抑制や経済活動の正常化が果たされず、感染収束と経済回復が2021年中盤以降に持ち越される悲観的シナリオでは、前年比成長率がマイナス9.5%まで落ち込み、「今後の状況次第ではさらなる成長率低下の可能性もある」としている。

 IDCでは、同予測の詳細をデータベース「Worldwide Black Book Live Edition 2020 | June (V2 2020) Release」で報告している。また、さらに詳細な製品セグメント別/産業分野別/企業規模別の市場予測については、今後順次発行するレポートで発表する予定としている。

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