人気のデュアル水冷シリーズに第10世代Core最強モデルが登場!
10コア/20スレッドのCore i9-10900Kでも360mmラジエーターでガッツリ冷やす「G-Master Hydro Z490 Extreme」
2020年06月25日 11時00分更新
ベンチマークソフトで基本性能をチェック
10コア/20スレッドの力は伊達じゃない!
さて、ここからは試用機を使って実性能を見ていこう。まずは気になるCPU性能から。この測定には定番ベンチマークソフトの「CINEBENCH R20」を利用した。このソフトはCGレンダリング速度からCPU性能を計ってくれるもので、結果は独自スコアであるptsという値で表示される。この値が大きければ大きいほど、高速なCPUといえる。
結果は見ての通りで、マルチスレッドテストとなる「CPU」のスコアが6385ptsというもの。この数値だけでは優劣が分からないため、過去のデータと比較してみると、第9世代のCore i9-9900K(8コア/16スレッド)ではCPUが4940pts、CPU(Single Core)が508ptsとなっていた。単純計算してみるとコア数の増加以上の性能向上があり、第10世代Coreの性能の良さが垣間見える結果となった。
ちなみにライバルのRyzenと比べるとどのくらいかといえば、同じく過去データと比較すると、Ryzen 7 3700X(8コア/16スレッド)が4707pts、Ryzen 9 3900X(12コア/24スレッド)が7131ptsとなっており、10コア/20スレッドCPUとしてかなり上位寄りの性能であるというのがわかる。
CPUの温度変化が気になったので、「HWiNFO」を使って温度ログを保存し、チェックしてみたところ、最大でもCPU温度は78度までしか上昇していなかった。もちろん、長時間負荷が続けばさらに温度は上昇していくと考えられるが、現時点でも上昇が緩やかということを考えれば、上がっても80度前後で安定しそうだ。360mmラジエーターの威力がしっかりと発揮された結果といえるだろう。
もちろん負荷が止まれば急速にCPU温度は落ちていき、40度を切る。よほど絶え間なくフルにCPUを動かすような用途でなければ、CPU温度を気にする必要はない。
もう1つ、CPUの状態チェックやオーバークロック設定などが可能なIntel純正のツール、「インテル エクストリーム・チューニング・ユーティリティー」(Intel Extreme Tuning Utility、以下、ITU)で見た結果も載せておこう。こちらはCINEBENCH R20のマルチスレッドテストを4回ほど断続的に実行したときのものだ。
こちらでもCPU温度の最大は79度と低く、しっかりと冷却されている様子がわかる。なお、動作クロックはベンチ終盤でも4.9GHzを維持しており、本来の性能が出し切れていることも確認できた。
ここまではマルチスレッド性能に注目してきたが、CPU(Single Core)の高さも見逃せないポイント。この性能の高さは、ターボブーストやThermal Velocity Boostによる動作クロック上昇が大きく影響していそうだ。実際どのくらいのクロックで動いているのか気になったので、CPU(Single Core)実行時の値を「HWiNFO」で追ってみた。
ターボブーストおよびThermal Velocity Boostの最大である5.3GHzまで上昇するコアが固定されていなかったため、各コアの最大クロックを表示したのが上のグラフだ。純粋にCINEBENCH R20だけが動作しているという状況が作れなかったとはいえ、それでも多くのシーンで5.3GHz、ほとんどのシーンで5GHz以上の速度が維持されているというのがわかる結果となった。
続いてゲーミング性能を簡単にチェックしてみよう。といっても、多コアCPUではCPU負荷は大したことがなく、性能はほぼ搭載しているビデオカードで決まる。そのため、単純にベンチマークソフトを動かした結果だけを載せておこう。
使用したのは、比較的重ためのテストとなる「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(FF15ベンチ)。高品質、フルスクリーン設定としたうえで、解像度を1920×1080ドット(フルHD)、2560×1440(WQHD)、3840×2160(4K)と変化させてみた。
ざっくりとまとめれば、WQHDまでなら高画質で問題なく遊べ、4Kにするなら画質設定を下げた方がいい、という結果だ。もちろんゲームによって負荷は大きく変化するので、この結果がすべてではない。実際どのくらい性能が変わるのかというのは、ライター加藤勝明氏が詳細にレポートしているので、気になる人はそちらを参考にして欲しい。