ポイントを速習!「Azureの基礎(AZ900)」をみんなで学ぶ 第3回
Azureが提供するクラウドサービスの全体像や利便性を理解し、サイトを立ち上げる準備をする
Azureの代表的なサービスを知る/使ってみる【後編】
2020年06月18日 08時00分更新
App ServiceのスケーリングとAzure Cloud Shellの概要
App Serviceのスケーリング
このように、複雑な構成のWordPressサイトであっても、あらかじめパッケージが用意されているので簡単に立ち上げられるのがクラウドのメリットの1つです。そのほかにも、クラウドには「優れた柔軟性」というメリットもあります。
たとえば先ほど構築したWordPressは、構築後でも構成を柔軟に変更することができます。スケーリング機能を利用すれば、構築したサイトの処理能力を自由に拡張/縮小することができ、無駄なコストの発生を抑えること(コストの最適化)ができます。
オンプレミスのサーバーは、一度決めたスペックを簡単には変更できませんから、スケーリングの機能はクラウドならではの大きなメリットといえるでしょう。たとえば以下のような状況であっても、クラウドならではの柔軟性で即座に対応することが可能です。
・サイトに人気が出てきてアクセス数が多くなった
→スケールアップする(App Serviceの仮想マシンやデータベースのメモリやCPUを増強し高速処理を可能とする)
・テレビでサイトが紹介されるので一時的に性能を上げたい
→一時的にスケールアップをした後、アクセスが落ち着いたらスケールダウン(スケールアップの逆、メモリやCPUの性能を下げる)する。
Azure Cloud Shellの概要
今回は、WebブラウザからGUIで操作するAzure Portalを使って簡単にApp Serviceを構築する方法を解説しました。こうした操作は、「Azure Cloud Shell」と呼ばれるAzureリソースを管理/開発するためのコマンドライン(CLI:コマンドラインインタフェース)からでも実行できます。
Azure Cloud Shellは、インストールなしでAzureポータルから素早くコマンドライン操作をすることができる機能です。たとえば複数のWebサイトに対して一括で停止や開始などの操作が行えますから、コマンドライン操作にはGUIとは違ったメリットがあります。
初心者向けの内容ではないため今回は省きますが、公式ラーニングパスのサイトでは上述したスケーリングやAzure Cloud Shellの演習も、サンドボックスを使って無料でできるようになっています。Azureの利用にある程度慣れてきたら、ぜひ試してみてください。
●Microsoft Learn「Azureの基礎」:演習 - App Service を構成する
■今回のポイントまとめ!
- Azureは「管理グループ」「サブスクリプション」「リソースグループ」「リソース」という4つの階層で管理されている
- Azure App Serviceを使えば、OS等の事前準備なく簡単にWordPressサイトを構築することができる
- 構築したWordPressサイトは簡単にスケーリングすることができる
- Azure Portal(GUI)だけでなく、Azure Cloud ShellのコマンドラインでもApp Serviceを管理することができる
2019年5月FIXER入社。新卒入社したデータセンターでカード会社向けの信販系システムを5年担当した後、クラウドの可能性に魅力を感じ、現職。cloud.config DivでAzure Expert MSPのプロジェクトを担当しています。
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